- タキシードを結婚式で着たいけど、どんなものがいい?
- タキシードをおしゃれに着こなすポイントが知りたい。
- ゲストでもタキシードは着てもいいって本当?
タキシードは結婚式で新郎に一番着られている礼服ですが、たくさんある結婚式の衣装はどう選ぶべきか分かりにくいものです。
この記事では、普段は着ないタキシードの結婚式での着こなしを解説します。
タキシードとは本来、国際プロトコールにも定められたフォーマルウェアですが、結婚式においては『衣装』のようにも着られています。
タキシードとは
- 正式には夜の正礼装だが、結婚式では昼間でも着用されることがある
- 燕尾服に続いて格式の高いものなので、規模の大きな結婚式にもよく着用される
- 正式には黒い蝶ネクタイをする
- ベスト・カマーバンドをつけるなどのルールがある
- 結婚式では新郎のみ『白』や『シルバー』のタキシードを着用することがある
タキシードのルールや親族・ゲストの着こなしまでくわしく解説するので、ぜひ最後まで読んで思い出に残るウェディングの参考にしてください。
結婚式以外のタキシードや基本の着こなしについては、こちら≫タキシードとは?おしゃれな装いや基本ルールを徹底解説でご紹介していますので、あわせて読んでみてください。
タキシードと結婚式スタイルの基本を解説
タキシードは、結婚式で新郎が着ることが多いフォーマルウェアです。
どのような場合にタキシードを着るべきかご紹介する前に、まずは結婚式のスタイルと礼装の基本を解説します。
結婚式のスタイル
結婚式には多くの挙式スタイルがあります。
スタイル | 服装 | 内容とメリット |
---|---|---|
キリスト教式 | 洋装 | 教会で司祭(神父・牧師)が進行を行う挙式 親族以外の友人なども参列してもらうことができる |
人前式 | 自由 ※主に洋装 | 結婚式場の教会などで、お世話になった人たちの立会いで行う挙式 宗教色がなく、立会人も衣装も自由にできる |
海外挙式・ リゾート挙式 | 洋装 ※自由な場合もある | 海外の協会、古城、自然の中などで、さまざまな挙式スタイルで行う挙式 新婚旅行をかねて親族やごく親しい友人を招いて行う場合が多い |
オリジナル挙式 | 自由 ※主に洋装 | レストラン・ガーデン・水族館などで、主に人前式スタイルで行う挙式 本来結婚式をあげる目的ではない場所で行うため、特別感がある |
神前式 | 和装 | 神社や結婚式やホテルの仮神殿で神主が進行を行う挙式 基本的に親族のみが参列する |
仏式挙式 | 和装 | ご先祖様や仏様に誓う形で行う挙式 仏教的な挙式スタイル |
結婚式にも”格”があり、神様に愛を誓うスタイルの結婚式は正装で肌の露出を控えることが好ましく、人前式のようなスタイルはややカジュアルでも構わないとされています。
実際には人前式であっても披露宴・パーティーの主催者として、新郎はタキシードなどのフォーマルウェア、新婦はドレスを着ることが多く、ゲストも相応の略礼装などを着ることが多くなっています。
タキシード・モーニングなどのフォーマルウェア
結婚式で着られるタキシードなどを選ぶために重要な”格”は燕尾服とタキシード、モーニングの違いやシーン別の着分けでも解説していますが、結婚式ではフォーマルウェアというより『衣装』として着られることも多く、「格」や「礼装ルール」に縛られない傾向にあります。
本来、黒いネクタイをするタキシードにカラーネクタイを付けて”あえて外す”ような組み合わせはよく見られますが、衣装であったとしても基本のルールを知らなければ”あえて”ではなく”世間知らず”になりかねません。
まずは基本の礼装(フォーマル)がどのようなものか知っておくことが大切です。
昼の礼装 | 夜の礼装 | |
---|---|---|
正礼装 (フォーマル) | モーニングコート フロックコート | 燕尾服(テールコート) タキシード(ディナースーツ) |
準礼装 (セミフォーマル) | ディレクターズスーツ ブラックスーツ | ファンシータキシード ロングタキシード ファンシースーツ |
略礼装 (インフォーマル) | ダークスーツ ブレザー&スラックス | ダークスーツ ブレザー&スラックス |
タキシードと結婚式【新郎編】
タキシードは結婚式に新郎が着ることが多く、ドレスと合わせてコーディネートされることが一般的です。
結婚式にどのような衣装にするかは悩ましいポイントですが、フォーマルウェアのルールを理解していれば、主役である新郎新婦が決めて問題ありません。
どのような式にしたいか、話し合って決めましょう。
結婚式に着る衣類を選ぶには
- 結婚式の”格”
- 披露宴の”格”
- 時間帯
- 場所
- 同伴者(パートナー)との服装のバランス
などを考える必要があるのですが、結婚式より披露宴の”格”を重視することも多いのが実情です。
タキシードで結婚式を「おしゃれに」アレンジと基本の選び方を解説
タキシードは結婚式を「おしゃれ」「かわいい」「豪華」などに演出する決め手になります。
インターネット・SNSの普及によって、おしゃれなタキシードの着こなしを目にする機会も増え、どんどん新しいスタイルが提案されていますが、パーティーの主催者・神様の前で誓うということも踏まえると、衣装はアレンジしすぎずルールを守ったフォーマルであるべきです。
目新しいものに惹かれることもありますが、スタンダードに着られたフォーマルウェアは時代を越えても愛され、美しい思い出を刻んでくれるものです。
タキシードのアレンジ
顔見知りが集まる結婚式において、蝶ネクタイやベストなどのアイテムの色を変えたり、ブラウンカラーなどのタキシードを採用することは、失礼にあたらないとされており、おしゃれを演出するにはオススメの方法です。
ただし、格式の高い披露宴では、新郎の”格”が一番高くあるべきであり、ルールを守ったスタンダードな着こなしがいい場合もあります。アレンジについては慎重に判断する必要があります。
タキシードの襟の形について
タキシードには襟の形状が2タイプあります。
どちらもフォーマルウェアとして認められていますが、雰囲気・イメージが変わります。
結婚式では伝統的なピークドラペルが多いのですが、少しくだけた雰囲気を演出できるショールカラーも近年人気が出てきています。
ピークドラペル
- 燕尾服のディティールを継承した伝統的な襟
- フォーマルウェア発祥といわれるイギリスでは基本になる
ショールカラー
- リラックスタイムで着られたスモーキングジャケットのディティールを継承した襟
- アメリカ発祥とされ、現在でもアメリカでは主流
白いタキシードは新郎だけが着用するもの
タキシードと結婚式というと「白」「グレー」「シルバー」で統一されたものをイメージする人も多いかもしれません。
タキシードは結婚式でも黒かミッドナイトブルーが基本ですが(南国では白が正式という例外はあります)結婚式の新郎用のフォーマルウェアはドレスに合わせた明るい色も着られています。
よく見られるスタンダードな装いですが、正式なフォーマルではなく『衣装』としての位置づけになります。
タキシードを結婚式のタイミングで購入しようと検討する方は、グレーや白い色のタキシードは他に着ていく機会に恵まれない可能性があることを理解しておきましょう。
夜のタキシード、夕方はどうするべきか
タキシードは夜の礼装という位置づけですが、結婚式・披露宴が午後3時や4時から行われ、会の終わりが夜6時以降になる場合、どうすればよいのでしょうか。
本来であれば、途中で着替えればいいのかもしれませんが、式の進行上、難しい場合も多々あります。
そういった場合、終わりの時間に合わせて初めから夜の礼装を着用します。
季節のファッションと同じで先取りのほうがいいとされていること、顔見知りが集まる会では厳密にルールを守らなくてもよいとされていることが理由です。
結婚式で新郎のタキシードにつく「ブートニア」とは
結婚式で新郎のタキシードにつく花の色には決まりがあるのでしょうか。
新郎の左胸につく小さな花の飾りを『ブートニア』といいます。
ブートニアとは
- 新婦のもつ花束と同じ花で作られる
- オーダーする場合が多いが、手作りする場合もある
- 色や花に基本的に決まりはなく、新郎新婦の好みが大きい
- 生花だけでなくドライフラワーやグリーンだけで作ったブーケも人気
タキシードなどの衣装のポイントになるブートニアですが、色や装飾に細かい決まりはありません。
新婦のドレス、新郎の衣装とのバランスを考えて式場の演出に合わせて選びましょう。
カジュアル化するタキシードと結婚式
結婚式のタキシードに、カーキやグリーン、チェックなどの柄物を着用している新郎をよく目にします。
デニムやブーツとコーディネートした自由な雰囲気の写真もSNSでは見られるようになりました。
近年、冠婚葬祭は親族や友人だけで行うスタイルが増えてきています。
会社関係者(上司など)や親の知人などを呼ばず、くだけた雰囲気の挙式が増えたことで、タキシードがカジュアル化しつつあります。
あまりに多くカジュアル仕様のタキシードを目にするため、タキシードは自由に着ていいものと思われる方もいるかもしれませんが、カジュアルなタキシードはシーンによってはNGで、しっかり判断することが大切です。
結婚式・披露宴では、ゲストよりカジュアルにならないようにするべきで、衣装を検討する際にはフォーマルウェアの基本を再確認することをオススメします。
タキシードと結婚式【父親編】
タキシードは結婚式で父親が着てもいいものですが、注意するポイントがあります。
新郎新婦の父親は”主催者側(ホスト)”になる
結婚式において新郎新婦の父親は主役ではありませんが、お客様を迎える「ホスト」として重要な立場です。
お客様に失礼にならないようにきちんとした服装をするべきですが、主役である新郎より格の高い服を着ることは避けたほうがいいとされています。
新郎より“やや格下“もしくは”同等のものを着用しアクセサリーや小物を新郎より控えめにする“といったように新郎を立てるよう意識しましょう。
特に父親はモーニングを着ることが多く、新郎より格上であったり、夜間であってもモーニングを着ているというシーンが見受けられます。
モーニングのイメージが強い父親の衣装ですが、タキシードを着てもかまいません。
できることならフォーマルウェアとしてのルールは守って衣装を選びましょう。
結婚式での父親のタキシード・モーニングはレンタルが多い
タキシード・モーニングのレンタルは父親用であっても主流です。
主役ではない父親にとって、衣装はレンタルで十分という考え方もありますが、身体が大きい方や特殊体型の方はレンタルでは品揃えがない場合もあります。
着用頻度にもよりますが、オーダータキシードの購入もぜひご検討ください。
実際にあった話ですが、4姉妹のお父様が娘の結婚のたびにモーニングをレンタルしたため、毎回採寸のために式場や貸衣装店に行くのが大変だったそうです。
そのうちの一度は、他の親族と全く同じレンタル衣装だったため取り違えられてしまい、裾の短いモーニングを着て出席し、思い出は散々のようでした。
普段着るものではないため購入の決断も悩みますが、思い出に残る儀式ですので後悔のないよう検討してください。
タキシードと結婚式【ゲスト編】
タキシードは結婚式のゲスト・参列者が着てもよいのですが、注意するポイントがあります。
結婚式のお呼ばれ(ゲスト)のタキシード
結婚式のお呼ばれにタキシードは着てもかまいませんが、一般的にはブラックスーツやスリーピーススーツなど準礼装・略礼装クラスの服装で出席するゲストが多いため、目立つことがあります。
結婚式のゲストの場合でもタキシードは昼の着用は避け、新郎より格上にならないよう意識する必要があります。
そのため、会場がカジュアルな雰囲気であったり、招待状に「平服」の指定があった時にはタキシードの着用は控えましょう。
ゲストのタキシードルール
- 主催者より格上の服装・装飾は基本的にNG
- フォーマルウェアのルールは守る(昼の着用は避ける)
- 白や明るいグレーなどの色は避ける
- 招待状のドレスコードに「平服」の指定があった場合は着用しない(略礼装を着る)
近年、結婚式のゲストでもタキシードを着る人が少しずつ増えてきています。
主催者(新郎新婦)をお祝いする、敬意を示すためのフォーマルウェアなので、ルールさえ守れていれば失礼にはあたりません。
普段の服装とは一味違ったタキシードの装いを、ゲストでの参列を機に取り入れてみてはいかがでしょうか。
アッシャー(グルームズマン)の衣装とは
結婚式にタキシードやベストの揃った服装で参列するグループを目にしたことがありませんか?
新郎のお手伝いをする仲のよい友人グループで『アッシャー(グルームズマン)』、新婦側の友人グループは『ブライズメイド』と呼ばれています。
欧米の影響をうけて日本でも広まりつつある『アッシャー(グルームズマン)』ですが、この流行もインターネット・SNSの影響を感じます。
当日の手伝い・役目はありますが、なんといっても仲の良いメンバーがお揃いの服装で並ぶというのは一体感があり、絆も深まることでしょう。
『アッシャー(グルームズマン)』はタキシードを採用することも多く、その場合は新郎と打ち合わせた上で着用するので”格”や”目立つこと”は気にする必要はありません。
フォーマルとして悪目立ちしない服装で楽しんで参加しましょう。
タキシードは結婚式のテイストを決めるカギにもなる
タキシードを結婚式で着る場合、色や形状、アクセサリーなど選ぶべきポイントがたくさんあります。
他のフォーマルウェアに共通することではありますが、挙式では伝統とルールを守った服装をすることも大切です。
- アレンジはやりすぎないよう、基本のルールを守る
- 結婚式は新郎新婦が主役なので、服装の”格”にも気を付ける
- 白・明るいグレー・シルバーなどは新郎だけが着用する
- 招待状のドレスコードを確認する
結婚式は、普段正装しない一般市民である私たちがフォーマルウェアを着る一番身近なイベントです。
新郎新婦やご家族、ゲストで立場は違いますが、参列者すべてに敬意を示すためにも、装いルールを守り、おしゃれや個性に走りすぎないよう意識して服装を決めましょう。