【トレンドと情報】サルトリアの後継者問題

こんにちは。

榮屋本舗の代表・伊藤です。

サルトリア・ピロッツィの主を務める

ヌンツォさんの長男、ドメニコさんのことを語る前に、

ナポリのサルトリアが抱えている

後継者問題についてお話ししておきましょう。

ナポリには多くのサルトリアがありますが、

その多くは規模も大きくなく、

家族で事業を切り盛りしている状態です。

ほとんどが手作業が主の仕事ですから

いくら老舗のサルトリアであっても

大量生産を前提とした工業化の波に押されて

厳しい経営を余儀なくされる……。

現在でも生き残っているアルトリアは、

そんな厳しい現状、危機を乗り越えながら、

それでも自分たちの仕事に誇りを持ち、

そして自分の腕を信じて店舗を構えている、というのが実情のようです。

そして、

もう1つ問題になっているのが、

サルトリアの後継者問題です。

これは日本にも多く存在する

「職人」と呼ばれる「ものづくり」の後継者がいない問題と

まったく同じものでしょう。

技術を磨くためには厳しい修行が待っていて、

それが終わるまでは一人前とは認めてもらえず、

収入面でも苦労が続く……。

しかも、修行をすれば必ず一人前になれるわけでもなく、

途中で挫折を余儀なくされることも多い。

さらに、

仮に一人前になれたとしても、

そこからまた厳しい現状が待っています……。

これでは、

その職種を目指す若者が減るのは

当たり前なのかもしれません。

ヌンツォさんの長男であるドメニコさんも、

物心ついたころから父の仕事を間近で見て育ち、

そして当たり前のように父の仕事を継ぐべく

父のもとでサルト修行を始めました。

しかし、

まだ修行もなかばで、すべてを放り投げ

飛び出していってしまった経緯があるのだとか……。

腕は確かなのに、

なかなか仕事が軌道に乗らず

貧乏暮らしを余儀なくされていた父を見ていた彼は、

「このままでは未来はない」と、

父とは違う道を模索しはじめたわけです……。

というところで、

ドメニコさんのその後は、次回にお届けします。

チャオ(*^-゚)/~Ciao!

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