日本とナポリのアイロンワークの違い

こんにちは。

榮屋本舗の代表・伊藤です。

せっかくなので、

ナポリ仕立てで見られる

アイロンワークに関して、

もう少しだけ詳しくレポートしてみましょう。

サルトリア・ピロッツィの

職人たちが動かすアイロンを

注意深く見ていたときに、

ある点が日本での方法と少々違うことに気がつきました。

それはずばり

日本の表現でいうところの

「クセトリ」という技術です。

フルオーダースーツにおいて、

着心地や見た目のシルエットを考えた場合、

この「クセトリ」と呼ばれるアイロンワークは、

もはや欠かせないものとなっています。

では、それはどうしてか?

使用する生地はもともと平面ですから、

型紙どおりに裁断して、

それをきちんと縫製したとしても、

残念ながらこのままでは、

着心地の良いスーツにはなりません。

それもそのはず。

人間の身体の形状は複雑で、

腕や脚にしても均一な円筒状ではないですし、

背中も真っ平ではありませんよね。

だから、

ただ裁断した生地を縫い合わせただけでは、

緩みがあるところがあるかと思えば、

手や身体を動かすと妙に窮屈だったりと、

フィット感を無視したものになってしまうのです。

また、

そのままではシルエットも直線的で、

エレガントさも足りないでしょう……。

日本でも手縫いのオーダースーツの場合は

アイロンワーク「クセトリ」をして縫製していきます。

型紙どおりに生地を裁断して

出来上がったパーツを縫い合わせていきますが・・・

そういった状況を

できるだけ少なくするために

「クセトリ」という技術が必要になるのです。

わかりやすくいえば、

「クセトリ」というのは、

“着る人ごとにスーツをアジャストする作業”

でしょうか。

日本でもナポリでも

アイロンワークによって

生地を調整していくのは同じなのですが……

じつは、このクセトリの概念自体、

日本とナポリでは違うのです……次回に続きます。

チャオ(*^-゚)/~Ciao!

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