こんにちは。
榮屋本舗の代表・伊藤です。
アイロンワーク以外にも、
サルトリア・ピロッツィで見られる
ナポリ仕立て特有の縫製技法はさまざまあります。
せっかくの機会ですから、
いくつか紹介していきましょう。
・雨降り袖(マニカ・ア・ピオッジァ)
ナポリ仕立ては
上着のアームホール自体を
小さくつくることが前提となっているので、
アームホールの外周分だけでは余ってしまう
腕部分の生地を袖山に集める縫製技法。
袖山部分から腕部分にかけて
まるで雨が降ったような縦皺が入るので、
「雨降り袖」と呼ばれています。
シルエットを重視しながらも
着ている人が窮屈な感じ、
圧迫感を受けないように考えられています。
スーツ以外では、
女性のブラウスの袖などに用いられている技術で、
日本では「ちょうちん袖」などと
呼ばれていた技法の変形ですね。
・バルカポケット
胸ポケットのデザインのことで、
イタリア語で舟の底を意味する
「バルカ」が名前の由来となっています。
胸ポケットの下側のラインが
舟の底のように湾曲しているのが特徴。
ジャケットを着用した際に、
胸部分を立体的に見せる効果があるもので、
細かな職人芸が冴えわたる
イタリアらしいディテール&デザインとなっています。
マシンメイドでは
きれいに湾曲するラインを描くことはとても難しく、
ハンドメイドだからこそのものでしょう。
というわけで、
本日は2つほの紹介しました。
ほかにもまだありますので……次回に続きます。
チャオ(*^-゚)/~Ciao!