【トレンドと情報】ナポリ独自の縫製技法②

こんにちは。

榮屋本舗の代表・伊藤です。

昨日に引き続きまして、

サルトリア・ピロッツィで見られる

ナポリ仕立て特有の縫製技法に関して

じっくりと解説していきましょう。

・片返し(クチトゥーラ・リンボッカンテ)

 イタリア語でクチトゥーラ・リンボッカンテ

 (盛り上がった縫い目)と呼ばれる技法のことで、

 芯地やパッドなど副素材を用いずに

 立体的なシルエットを形成するためのステッチ法です。

 

 日本では、縫い合わせ部分の縫い代は

 双方の生地を折ってつなぎ合わせたうえで

 表面を平面化するようにするのが普通。

 一方、ナポリでの技法は、

 片側に倒してそこをステッチでとめることで

 縫い代に張力を生じさせて

 やわらかでふんわりしたシルエットを形成しているのです。

 

 手で縫われたステッチですから

 最初は縫い目が少し盛り上がっていますが、

 何度か袖を通すことで、

 自然に糸のテンションが調整されていき、

 着る人にピッタリな具合にアジャストされるのが特徴。

 

 ピロッツィのスーツは、

 ほかのサルトリアのスーツと比べると

 袖のつくり方が細めになっているため、

 この片返しを袖の内側の縫い目においても使用することで、

 より立体的に見せることに成功しているのです。

 

 ナポリの数あるサルトリアのなかでも、

 ピロッツィはもっとも片返しを多用している、

 サルトリアかもしれません。

 ちなみに片返しは、

 そもそもナポリ独自の技法でしたが、

 最近ではミラノでも同様の片返しを使う

 サルトリアが出てきているようですね。 

というわけで、

本日は1つだけでしたが、特徴的なものを紹介しました。

まだいくつかありますので……次回に続きます。

チャオ(*^-゚)/~Ciao!

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