- ピーコートをスーツに合わせるのはださい?
- スーツにピーコートを合わせるときに気を付けるポイントは?
- スーツに似合うピーコートのコーデが知りたい
ピーコートの「P」は「ピイ・エッケル」という毛織物が語源と言われています。ピイ・エッケルはオランダの厚地の上着です。シンプルなデザインで、仕事でもプライベートでも使いやすいアイテムです。
ピーコートは、若者向けにデザインされた安価なものも多く、制服と合わせる学生も多くいます。
そのため、ピーコートは学生が着るものといったイメージが定着しており、スーツと合わせてしまうと「ださいのでは?」と感じる人もいるでしょう。
ピーコートがださく見えてしまうのは、若いときに着ていたようなものを何年も着続けているなど、年齢にあっていない色やデザインを選んだ場合です。
スーツに合わせるときには、スーツとのバランスを考えながらピーコートを選びましょう。
コートとスーツの合わせ方については≫スーツに似合うコートを選ぶポイントについてで詳しく解説しておりますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
ピーコートはデザイン性と防寒を備えた優秀アウター
ピーコートは襟がついたデザインなので、ダウンコートやモッズコートと比べてきちんとした印象になります。
合わせるアイテムによってカジュアルにもなるので、1着あるとビジネスでもプライベートでも着回ししやすいコートです。
ピーコートは寒い場所で活躍したコート
ピーコートとは、19世紀末から海軍が艦上で着用していた外套のことです。同じく、海上で作業する漁師にも着用されていました。
厚手のメルトンウールを使用し保温性に優れ、手袋をはめたまま着脱できるようにボタンは大きめ。風向きによって重ね方を変えられるようにダブルブレストになっています。
前身ごろの重なりが多く、前面が二重になるので防寒着として優れたコートです。
《ピーコートの特徴》
- 厚手のメルトンウール(ウールを圧縮したもの)生地
- 風向きによって前身ごろの合わせが変えられるダブルボタン
- 手袋をしたまま着脱できるようボタンが大きい
最近では、ダブルブレストではないシングルタイプも襟の形やボタンの大きさを基準にピーコートとして扱われることもあります。
ピーコートをスーツと合わせる場合のポイント
ピーコートは海軍で軍服として着用されていたため、胸を張ったようなシルエットに仕上がっており、ビジネスシーンでもきちんとした印象を与えることができます。
作業がしやすいように短い丈になっているめ、スーツと合わせる場合は上着がはみ出さないよう注意して選んでください。
ピーコートを大人っぽく着こなすためには、サイズ感(肩幅が広すぎない)が大事です。オーバーサイズだと洗練されていない印象になってしまいます。
スーツの裾がはみ出さないように気を使い過ぎて長すぎるコートを選ぶのはNGです。ロングコートを選ぶ場合でも、膝上までの長すぎないアイテムを選びましょう。
ピーコートがださいといわれるのは【学生】のイメージが強いため
ピーコートをスーツと合わせるのが「ださい」と思われるのは、日本では中学生や高校生などの学生が着用することが多いためです。
学生時代のピーコートをそのまま来ていれば、確かに「ださい」と言われてしまいますが、ピーコートはもともとイギリスやアメリカ海軍が着用していたコートなので、高級感のある素材やスーツにあったシルエットを選べば洗練された印象を与えることができます。
スーツに似合うピーコートの選び方
スーツに似合うピーコートを選ぶには、丈以外にもスーツの色やデザインに合わせることも大切です。
普段から色のスーツを着ている場合はベージュやライトグレーなどの明るい色のコートでも違和感なく着こなせると思いますが、ネイビーやチャコールグレーなど暗めの色合いのスーツを着ている人は、ピーコートも着慣れた色合いにしましょう。
特に、40代以上の場合はシンプルなデザインのものを選び、落ち着いた印象を目指してください。
メンズスーツとコーデしやすいのはダークカラー
ピーコートを大人っぽく着こなすためには、スーツの上に重ねたときに肩幅が広すぎない、ボタンを閉めたときにしわが寄らないなどのサイズ感が重要です。
さらに、コートから見えるインナーやネクタイにも気を配る必要があります。
メンズスーツに似合うピーコートの定番は黒
仕事でピーコートを着用する機会が多い場合には黒を準備しましょう。黒と紺は改まった場でも歓迎されるカラーですが、黒の方が様々な色のスーツと相性がいいので「とりあえず1着」と考えている人は黒を選びましょう。
ピーコートは首元が空いているので、ネクタイの色がアクセントになります。暗めのネクタイを選ぶとシックな印象に、明るいネクタイを選ぶと華やかな印象になります。
1枚を着まわしたいなら男性にはダークグレーがおすすめ
1枚のピーコートを着まわしたいなら、ダークグレーを選びましょう。明るいグレーではダークスーツと合わせたときに浮いてしまいます。
黒いピーコートも着まわしやすいアイテムですが、黒はインナーとしても使いやすい色です。
黒のハイネックなどの黒色アイテムと合わせにくくなってしまうので、カジュアルシーンでの着回しやすさを考えると、黒よりダークグレーがおすすめです。
カジュアルダウンしたいときはマフラーをプラス
ピーコートの「P」について、パイロットの「P」が語源になっているという説もあり、パイロットが着るジャケットようなシルエットは、堅苦しい印象を与えてしまうこともあります。
かっちりした印象はピーコートの魅力でもあるのですが、堅苦しい印象を崩したい場合は、マフラーを合わせることでカジュアルダウンが可能です。
マフラーをピーコートに重ねるとかなりカジュアルになりますが、ピーコートの下に巻きマフラーの一部だけをのぞかせるという使い方もできるので、TPOに合わせてマフラーの見せ方を変えてみてくださいね。
レディースのコーデは派手になり過ぎないように注意
女性向けのピーコートは男性よりもカラーが豊富ですが、赤や黄色などの個性が強い色はスーツとの相性がいまいちです。ネイビーやグレー、ブラウンやベージュなどの個性が強くない定番色がベター。
40代以上になると、暗い色の洋服は顔色がくすんで見えてしまうので、明るめのカラーがおすすめです。
女性がパンツスーツと合わせる場合も丈に注意
パンツスーツに合わせる場合は、男性と同様にスーツの上着がはみ出さない少し長めのピーコートを選びましょう。女性の場合はネクタイがないので、胸元がさみしい場合はスカーフやカラーシャツでアクセントを付けましょう。
女性のスーツは明るいカラーのものが多いので、コートもベージュやオフホワイトなど、明るめの色を選んでもOK!逆にベージュのスーツに黒いコートは重く見えてしまうので気を付けてください。
レディーススーツでスカートに合わせるときは長すぎないものを選ぶ
スカートに合わせる場合は、スカートの丈によって合わせるピーコートの長さも変わってきます。
ロングスカートの場合は、太もも丈やひざ丈のピーコートを合わせると胴が長く見えてしまいます。短めの丈にして、すっきりしたシルエットを作るようにしてください。
ひざ丈程度のスカートなら、太もも丈やひざ丈程度を選んでください。ピーコートよりスカートが少し長いくらいがバランスよく見えます。
スーツ×ピーコートはコーデ次第でどんな年代にも似合う
ピーコートはスーツと合わせて着るとださいのではなく、学生時代と同じようなデザインを着てしまうことでださくなってしまうのです。
ピーコートはサイズやアイテムによって印象が変わってくるので、年齢にあった着こなしを心掛けましょう。
スーツに合わせるなら、スーツの上着がはみ出さないように!安物のピーコートは素材に差が出てしまうので、しっかりとした厚みのあるメルトンウールを選びましょう。
ピーコートのアクセントであるボタンも、低価格のピーコートではプラスチック素材を使っているものがあり、安っぽい印象を与えてしまいます。スーツに合わせて着用する場合は、安っぽい素材ではなく上品なものを選びましょう。
- ピーコートをスーツに合わせるときは上着が隠れる丈を選ぶ
- スーツに合わせるピーコートは素材に気を付けて安っぽく見えないようにする
- スーツより明るい色を選ぶと合わせにくいのでピーコートはダークカラーを選ぶ
- カジュアルダウンしたいときはマフラーを合わせる
ピーコートは学生が制服の上に着ることが多いため、一部の人は「ださい」という印象を持っていることもあります。
しかしながら、ピーコートの歴史やデザインを見てみると洗練された大人にこそ着てほしいアイテムなのです。
スーツにピーコートを合わせる最大のポイントは「スーツとのバランスがとれているか」ということになります。ピーコートを選ぶときには、実際に合わせたいスーツを着て試着を行いましょう。
スーツに似合うコートの選び方については≫スーツに似合うコートを選ぶポイントについてでも紹介しております。ぜひあわせてお読みください。