- スーツクリーニングの頻度が多すぎるとスーツがダメになるって本当?
- 着る機会が少ない礼服は毎回クリーニングするべき?
- 季節ごとに正しいスーツクリーニングの頻度や目安が知りたい!
スーツを清潔で綺麗な状態に保つため、クリーニングを利用する機会は多いですよね。
大切なスーツの管理としてクリーニングは強い味方ですが、頻度が多すぎるとスーツへのダメージが気になります。
スーツを大事に扱ってクリーニングを頻繁に利用した結果、逆にスーツを痛めてしまうのでは本末転倒というものです。
そこで、この記事ではスーツクリーニングの正しい頻度について詳しく解説します。
季節による違いから普段使いのスーツと礼服など着用頻度が低いスーツとの違いまで、意外に知らないクリーニングの周期や目安をこの機会に是非知っておきましょう!
スーツのクリーニングについて詳しく知りたい方は、過去記事にて解説していますので合わせて読んでみてくださいね。
スーツクリーニング頻度の鉄則は【必要最低限】
スーツクリーニングの頻度は、結論からいうと必要最低限に抑えることが正解になります。
においや汚れの対策としてクリーニングを全く利用しないという訳にはいきませんが、クリーニングの回数はなるべく抑えた方がスーツを長持ちさせることができるのです。
クリーニングはスーツに負担をかける行為
スーツをこまめにクリーニングして常に清潔な状態を保ちたい!という気持ちはわかりますが、必要以上にスーツクリーニングを行うのは控えた方がよいでしょう。
クリーニングの技術の向上により生地への負担を軽減した洗い方や洗剤が開発されてはいますが、要は洗濯をしているわけですから大なり小なりスーツへのダメージが必ず発生します。
特にスーツ生地として使用頻度が高いウールなどは、洗濯による風合いの変化が起こりやすいので要注意。
洗えるスーツとして販売されている化学繊維を多用したウォッシャブルスーツなら問題ない!と思う方もいますが、それも間違いです。
なぜならクリーニングによってスーツに負担がかかるのは、何も洗濯でのダメージだけではないからです。
スーツクリーニングを利用しすぎるとスーツの型崩れを起こす可能性も考慮しなければなりません。
クリーニングでは洗濯後にスーツをプレスにかけますが、正しい織り目でプレスされていなかったりプレスが甘いと型崩れの原因になります。
洗濯による生地へのダメージとプレスによる型崩れ、この2つの理由があるからこそ過度なスーツクリーニングは控えた方がよいのです。
スーツクリーニングの適切なタイミングとは
スーツクリーニングはダメージを伴うものですが、全くしないのも当然ダメです。
冒頭でもお伝えしましたが、スーツクリーニングは【必要最低限】の頻度が理想的です。
スーツをクリーニングにだす目安は2か月~3か月に1回、言い換えれば20~30回の着用に1回で充分です。
例えば、3着のスーツを着まわしているなら単純計算で3か月~4か月に1回となりますし、1着だけを毎日着続けるなら1か月~2か月で着用回数が40回をこえてしまいます。
一般的には2~3着のスーツを着まわすと思いますので、季節の変わり目を迎えたらクリーニングに出すような意識を持つと忘れにくくスーツへの負担も少ないのでおすすめです。
これはあくまでも常日ごろからスーツをちゃんとハンガーにかけ、ブラッシングなどのメンテナンスを定期的に行っていることが前提で、季節や状況によってクリーニングの頻度は増える点には注意しましょう。
【例外】緊急時は迅速にクリーニングへ出そう!
着用回数が20~30回がクリーニングをする目安だとお伝えしましたが、例外的なケースもあります。
例えば食べこぼしや飲みこぼしなど、想定外のハプニングでスーツを汚してしまった場合などは頻度を無視して迅速にクリーニングへスーツを持ち込むようにしましょう。
このとき、汚れの種類に応じて適切なクリーニング方法を選ぶことも重要です。
脂っこい料理などを食べこぼしてスーツを汚した場合は、通常のクリーニング(ドライクリーニング)で大丈夫です。
一方、ワインやコーヒーの飲みこぼしは”水溶性の汚れ”なのでドライクリーニングでは落としきれない恐れがあります。
水溶性汚れがスーツに付いてしまったときは、ウェットクリーニングを選ぶようにしましょう。
緊急時は汚れに応じて適切なクリーニング方法を選ぼう!
- 油汚れならドライクリーニング(通常のクリーニング)
- 水溶性汚れや混合汚れ(汗汚れなど)はウェットクリーニング
また、おおまかな目安として1シーズンごとに1回とお伝えしましたが、スーツを着用する機会が多い場合は季節ごとにクリーニング頻度を増やす必要があります。
続いては毎日スーツを着ることを前提とした季節ごとのクリーニング頻度について解説します。
季節によって適切なクリーニング周期は変わる!
基本的には2か月~3か月に1回くらいのペースで充分なスーツクリーニングですが、スーツを毎日のように着用して汗を流す機会が多くなれば季節によって頻度を変える必要があります。
春・秋は基本的には1シーズンに2回で充分
過ごしやすい気温の日が多い春や秋は、クリーニングに出すのはシーズン初めとシーズン終わりの2回で充分です。
ただし、春や秋で注意しなければならないのが梅雨や秋雨など雨が多い季節でもあるという点。
雨に濡れてしまっただけなら問題ありませんが、泥汚れの付着には充分気を付ける必要があります。
泥汚れは”混合汚れ”に分類され、ただの泥だけでなくアスファルトの粉なども交じった頑固な汚れなので、ひどい場合はクリーニングを検討しましょう。
スーツの代えが無いときなど、どうしてもクリーニングに出せない場合は応急処置でスーツの汚れを落とします。
自宅で泥汚れを応急処置する方法と手順
- まずは乾燥させます。いきなり水洗いをしたり擦るのは厳禁!泥が繊維奥深くに浸透する原因に。
- 完全に乾いたら叩くなどで大まかな泥を落とします。
- あらかた泥が落ちたら細かい泥を歯ブラシなどで丁寧に落とします。
- 泥を落としたら水洗いできる場合は水洗い。無理なときは固く絞った布で汚れを落として終了です。
春や秋など過ごしやすい季節はクリーニング頻度は1~2回でOKですが、泥汚れなど不測の事態でスーツが汚れたときは惜しまずにクリーニングを利用する頻度を増やすようにしましょう。
冬のスーツクリーニング頻度は多くなる可能性が高い
冬場のスーツクリーニング頻度も、基本的には1~2回で充分です。
ただし、春や秋よりもクリーニング頻度が高くなる要因が多いので必要に応じてクリーニング頻度を増やす必要があります。
冬にクリーニング頻度が高くなる要因の1つは、汗による汚れです。
意外に感じるかもしれませんが、冬は厚着をして過ごす屋外と暖房で温かい屋内を行き来するので春・秋よりも汗をかきやすい環境が多い季節です。
汗汚れによるにおいや汚れが気になってきたら、クリーニングに出すようにしましょう。
もう1つの要因は、密室で温かい食事を囲む機会が増えることによる”におい移り”です。
普段から消臭スプレーなどでメンテナンスをしていればクリーニングにわざわざ出さなくてもOKですが、どうしてもにおい残りが気になる場合はクリーニングでリセットする必要があるでしょう。
夏はスーツクリーニング頻度が最も高くなる季節
夏は汗をかく機会と量が最も多く、スーツが肌に触れる部分の汗汚れが気になる季節です。
夏のスーツクリーニングこそ、多くの人が間違った頻度やクリーニング方法を選びやすいので要注意です。
まず夏場のスーツクリーニング頻度についてですが、汚れが気になる場合であっても月に1回ペースで充分です。
スーツへの負担を考えれば着用回数20~30回に一度が理想的ですが、少ない着用回数でも汗がどうしても気になる場合はクリーニング頻度を少し増やしましょう。
このときに間違いやすいのがクリーニング方法の選択です。
夏のスーツ汚れで主な原因は汗汚れなので、前述の通りウェットクリーニングが適切なクリーニング方法となります。
汗汚れが気になるからとドライクリーニングに毎週スーツを出す・・なんて人はいないでしょうか。
ドライクリーニングでは汗汚れを完全に落としきることは難しく、回数が増えてスーツへの負担を増やすだけという最悪なクリーニングとなりかねませんので注意してください。
夏場のスーツクリーニングまとめ
- 夏でもクリーニング頻度は少ないほうが良い(最大頻度でも月1に抑えたい)
- クリーニング方法はウェットクリーニングを選ぶ(汗汚れを落とす)
もちろん突発的な汚れなどクリーニングに出さなければならない緊急時は例外なので、必然的に夏は最もスーツクリーニングを活用する頻度が高くなる季節ということになるのです。
あまり着用しないスーツや礼服のクリーニング頻度について
ここまでお伝えしてきた内容は日常的にスーツを着用することを前提に解説してきました。
ここからは、冠婚葬祭で使う礼服やスーツを着る機会が少ない場合のクリーニング頻度について触れていきましょう。
礼服は使い終わったらクリーニングへ出す!
スーツをクリーニングにだす目安は着用回数20~30回とお伝えしましたが、これはあくまでも日常的にスーツを着る場合。
使用頻度が極端に低い礼服の場合は、使い終えたら都度クリーニングに出してからクローゼットに入れるのが正解です。
たった1日、多くても3~4回しか袖を通さないのにクリーニングへ出すのか?と疑問を感じるかもしれませんが、礼服や喪服は次に着る機会が不透明なので長期保管される可能性が高いスーツとなります。
久し振りに礼服や喪服を取り出して、思いがけずカビや汚れが付いていて大慌てした経験はないでしょうか?
長期保管が常となる礼服や喪服は、たった1回の着用で付着した汗や菌が原因で、次に取りだしたときに目も当てられない状態になってしまう恐れがあります。
使用頻度が低く着用と着用の間が長く空いてしまうからこそ、礼服や喪服はクローゼットへ入れる前にクリーニングへ出しておくのが最も適切なタイミングだといえるでしょう。
着る機会が少ないスーツのクリーニング
スーツを着用して仕事をする人の中には、週に1~2日しかスーツを着ないケースもありますよね。
着る機会が少ないスーツの場合は、着用回数20~30回に1回を目安にしたクリーニングでOKですが注意点がいくつかあります。
袖を通す機会が少ない、着るまでに間が開いてしまうスーツの場合は、日ごろのメンテナンスと保管方法がとても重要です。
ブラッシングやスプレーなどでスーツを綺麗に保つのはもちろんですが、風通しがよく直射日光が当たらない場所でスーツを管理するようにしましょう。
特に高温多湿の夏場は、スーツに汗や汚れが付着したまま置いておくと数日でカビやにおいが発生する恐れがあります。
日ごろの管理さえしっかりしていれば、年に一度シーズンオフなどで長期保管する前のクリーニングで充分です。
スーツクリーニング頻度を減らすために
礼服や喪服のように極端に着用頻度が低い衣服は例外ですが、日常的に使うスーツはなるべく負担を軽減するためにも必要最低限のクリーニング頻度で抑えたいものです。
最後にスーツクリーニング頻度を減らすために、日ごろから意識して行いたいメンテナンスやスーツの運用方法について解説します。
その日の汚れはその日に落とすが基本!
スーツを綺麗な状態に保つためには、1日の終わりにしっかりとその日の汚れを落とすことが重要です。
スーツ表面に付着したホコリや汚れを取るためにも、毎日のブラッシングは欠かさないようにしましょう。
慣れてしまえば1~2分で終わる作業なので、面倒がらずに日々のメンテナンスをしっかり行うことがクリーニング頻度を減らすことに繋がります。
汗や食べ物のにおいへの対策は、市販の消臭スプレーなどを活用しましょう。
消臭スプレーをスーツに噴霧すると、においを消してくれるだけでなく適度な水分によるシワ伸ばしという副次的な効果もあるので非常に便利です。
余計な香りがスーツに付くのが嫌な場合は、無香タイプの商品を選ぶか水を霧吹きでかけるだけでも効果があります。
スーツの保管場所にも気を配りましょう。
直射日光を避けて風通しの良い場所に吊るして保管するのが正解です。
ハンガーにかけず床に置いたり椅子などにかけてしまうとシワや型崩れの原因になってしまいます。
クリーニング頻度を減らすためのメンテナンスまとめ
- ブラッシングを行う(面倒な方はアイロンのスチームでシワ戻しと除菌を行う)
- 消臭スプレーでにおいとシワの対策を
- ハンガーを使って直射日光を避けて風通しの良い場所に置く
常日ごろからスーツのメンテナンスをしっかり行ってさえいれば、クリーニングは長期保管前の1回だけに抑えることも可能です。
複数のスーツを着まわすことが重要!
スーツクリーニングの頻度を抑えるだけでなく、スーツそのものを長持ちさせる意味でも複数のスーツを着まわすことが重要です。
1着のスーツを毎日のように着用し続けてしまうと、生地は擦り減ってしまいクリーニング目安となる20~30回の着用回数を1か月~2か月で迎えてしまいます。
クリーニング頻度が増えることでさらに生地への負担が大きくなり、結果的にスーツの寿命を極端に短くしてしまいます。
毎日のようにスーツを着用するのであれば、春・夏用スーツと秋・冬用スーツをそれぞれ2着以上、最低でも4着のスーツを準備したいところです。
最低でも2着のスーツがあればクリーニング頻度を1/2に抑えられますし、シーズンごとに揃えていればオフシーズンの長期保管前に行う1回のクリーニングで済ますことも可能です。
スーツを長く綺麗に保つためにも、複数のスーツを着まわすことを意識してみてください。
適切なタイミングを見極めて必要最低限のクリーニングでスーツをいたわろう
スーツをクリーニングする頻度は、理想で言えばシーズンに1回がベストです。
ただし、少ない方が良いからと必要なときにクリーニングを怠ってしまえば逆にスーツに深刻なダメージを与える可能性もあるため、適切なタイミングを見極めた上で必要に応じてクリーニングを上手に活用しましょう。
- スーツをクリーニングに出す目安は着用回数20~30回
- 長期保管前はクリーニングで汚れや菌を綺麗に落としておく
- 上記の理由から礼服や喪服は使用するたびにクリーニングしてから保管がベスト
- 季節や汚れ具合に応じてクリーニング頻度を調整する
- 油汚れはドライ、水溶性汚れや汗汚れはウェットクリーニング
- 日ごろのメンテナンスがクリーニング頻度を減らす重要な要素
- 1着のスーツを着続けると寿命を著しく早めてしまう
スーツをいつも綺麗で清潔に保ちたい!という気持ちが先行してしまうと、過度なクリーニングで結果的にはスーツに負担をかけることに繋がってしまいます。
毎日のメンテナンスや複数のスーツを着まわすなど、ちょっとした努力や工夫でクリーニング頻度を劇的に減らすことが可能です。
またスーツクリーニングに適したお店選びや高級スーツのクリーニングなど、下記記事でもスーツクリーニングについて詳しく解説していますので合わせて目を通してみてください。