- ネクタイのアイロンがけは自分でできる?
- ネクタイにアイロンをかけるときに気を付ける点は?
- アイロンをかけた後のネクタイは普通に収納してもいい?
ネクタイをしめていると、どうしても結び目にしわがついてしまいます。ほとんどの場合は、ハンガーにかけておけばネクタイの重みで自然に取れますが、長時間結びっぱなしのときやきつく結んだときには、しわが取れにくいことがあります。
ネクタイのしわが自然に取れなかったときは、アイロンを使ってしわを取る方法があります。ただし、ネクタイにアイロンを押し当ててしまうとテカリや型崩れの原因になり、ネクタイの風合いが失われてしまうので注意が必要です。
ネクタイのアイロンがけはシャツやハンカチと違い特殊なので、正しいかけ方を覚えましょう。
ネクタイにはアイロンのスチーム機能を使います。スチームを利用することでネクタイを押しつぶすことなくふっくらと仕上げることが可能です。
ネクタイの選び方や着こなしについては≫ネクタイの使い方についてで紹介しておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。
ネクタイにはスチーム機能を使ってアイロンをかける
ネクタイにアイロンを押し当てると、テカリなど生地が傷む原因になってしまいます。また、ネクタイは立体感が出るように作られているので、押しつぶしてしまうとネクタイの形を崩してしまうことになりかねません。
アイロンをかけるときにはスチーム機能を使い、直接アイロンがネクタイに触れないようにしましょう。
ネクタイの結び目のしわが気になる場合
ネクタイの結び目やはしわが残りやすい部分です。結び目のしわが気になる場合は、下記のステップでアイロンのスチームを当てて取り除いてください。
ネクタイのしわをできるだけ手でのばして、ネクタイをアイロン台にまっすぐに広げましょう。
アイロンの温度を「中(140~160℃)」に設定し、スチーム機能をオンにします。
アイロンによっては「高」と「中」でスチームの量が違う場合があるので、アイロンの説明書にしたがって設定を行ってください。
蒸気が出てきたら、蒸気(スチーム)を結び目に当てていきます。
アイロンは直接ネクタイに触れないように、1~2cm浮かせて蒸気だけをネクタイに当てていきましょう。
ボタンを押すとスチームが出る機能がついている場合は、ネクタイから10cmくらい離してスチームボタンを押してください。
スチームを当てたら、すぐに手でしわになっている部分を軽くもみほぐしながらしわを伸ばしていきます。
このとき、強くもみすぎたり生地を引っ張ったりしないでください。
一度でしわが取れない場合は、スチームに当てる→しわを伸ばすという工程を2~3回繰り返します。
しわが大体取れたらハンガーにかけて乾かしてください。ハンガーにかけているときにも、重みでネクタイのしわが伸びできます。
全体的にネクタイのしわが気になる場合は当て布をしてアイロンをかける
結び目だけでなく、全体的にネクタイのしわがついてしまった場合は当て布をしながらアイロンをかけてください。
アイロンでネクタイを押しつぶしてしまうとネクタイの立体感が失われてしまうので、プレスするのではなくスチームを利用しふっくら仕上げましょう。
当て布は専用のものでなくても、薄いハンカチやてぬぐいで代用できます。
ネクタイ全体にアイロンをかける場合も結び目のしわを取る場合と同様に、アイロン台の上にネクタイを置きアイロンの温度は「中」に設定してください。
ネクタイの上に当て布を置き、当て布の表面をなでるようなイメージでスチームアイロンをかけます。
スチームがまんべんなくネクタイに当たるように、アイロンはゆっくり動かしてください。
全体に2~3回アイロンをかけたらハンガーにかけて乾かします。
ハンガーにかけているときにも、重みでネクタイのしわが伸びてくるので、ねじれなどができないように形を整えてハンガーにかけてください。
スチーム専用のアイロンはハンガーにかけたまま使う
スチーム機能の付いたアイロンではなく、スチーム機能がメインの「衣類スチーマー」や「スチーマーアイロン」もスチームアイロンと呼ばれることがありますが、普通のアイロンとは使い方が違うので気を付けてください。
スチーマーは立ててた状態で使うことを想定されているものが多く、アイロンのように傾けると水がこぼれることがあります。
スチーマーでしわを伸ばす場合はネクタイをアイロン台に置くのではなく、ハンガーにかけたままで使用してください。
ネクタイはハンガーにかけただけだと重なった部分ができてしまいしわを伸ばしたい部分以外にもスチームが当たってしまいます。
蒸気が当たる部分は最小限にしたいので、ハンガーにかかっているネクタイを手で持ち上げながらしわになっている部分にスチームをかけてください。
スチームをかけた部分のしわを軽くもみほぐして、しわが伸びるように整えましょう。
スチームとしわ伸ばしを2~3回行ったら、ハンガーにかけたままでネクタイを乾かしてください。
ネクタイのアイロンがけが失敗する原因は素材と温度
アイロンがけするときはアイロンのかけ方だけでなく温度も重要です。素材によってアイロンをかける温度が違うので、適切な温度を確認してアイロンがけを行ってください。
アイロンがけできる温度はネクタイの品質表に書いてあります。点3つが「高」、点2つが「中」、点1つが「低」、そして「×」はアイロンがけできないという意味です。
この品質表示は平成28年12月1日に変更されたものなので、それ以前の品質表示ではアイロンのイラストの中に「高」「中」「低」と書かれています。
アイロンの設定温度は正品やメーカーでバラバラではなくすべてのアイロンで共通なので、品質表示通りにアイロンの温度を設定すればOKです。
ネクタイに使用されている素材はほとんどが中温で対応できます。
【アイロンの温度と素材ごとの適正な温度】
- 低 80~120℃(アクリル、ポリウレタン)
- 中 140~160℃(シルク、ウール、ポリエステル、レーヨン)
- 高 180~210℃(綿、麻)
シルクも他のネクタイと同様に「中」でアイロンがけできますが、水分に弱いので蒸気の当てすぎには気を付けてください。
シルクのネクタイでは、結び目のしわを伸ばす場合でも当て布をしてなるべく水分を当てないようにしましょう。
アイロンをかけたネクタイは収納にも気を付けよう
スチームアイロンをかけた後は、生地に湿気が残っています。そのまま収納してしまうとカビの原因になるので気を付けましょう。
また、しっかり乾燥させずにたたむと再度しわがついてしまうこともあります。
アイロンをかけた後にネクタイをタンスや引き出しにしまう場合は、しっかりと乾かしてから収納してください。たたみ方はネクタイを折るのではなくゆるく丸めるか平置きにしましょう。
日常的に使用するネクタイは、引き出しにしまうのではなくハンガーにつるして収納しておくと扱いやすく、ネクタイの湿気を防ぐのにも役立ちます。
ネクタイの収納ついてはネクタイの収納方法についてで詳しく紹介しております。ぜひそちらもあわせてご覧ください。
ネクタイのアイロンがけに関するQ&A
- ネクタイのしわをアイロンなしで取る方法はありますか?
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ネクタイのしわをアイロンなしでとるのは難しいので、アイロンがない場合はクリーニングに出した方がいいでしょう。
スチームアイロン以外の蒸気でもしわが取れるのではと考える人がいるかもしれませんが、風呂場の湯気や鍋で沸かしたお湯の蒸気ではスチームの代わりになりません。
湯気の蒸気では温度が低いので効果的にしわを取ることができませんし、必要以上に湿気を含んでしまう可能性があります。
スチームのないアイロンでしわを伸ばしたい場合は霧吹きで湿らせたタオルを当て布代わりにしてアイロンをかけるとスチーム代わりにすることが可能です。
- スチームアイロンを使えばネクタイの汚れも取れますか?
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スチームアイロンで衣類の染み抜きをする方法もありますが、スチームを当てた後に生地をたたいたり擦ったりする必要があるのでネクタイには不向きな方法です。
汚れは取れませんが、スチームは高温なので雑菌の繁殖を防ぐ効果やにおいを取る効果はあります。
ネクタイへのアイロンはスチームを使い押し当てないように!
ネクタイは立体的に作られているので、直接アイロンを押し当てるとテカリの原因になるだけでなく厚みがなくなり貧相な状態になってしまいます。
ネクタイのしわを伸ばすときはスチームを利用し、ネクタイを押しつぶさないようにしましょう。
ネクタイの生地には適切なアイロンの温度もあります。温度が高い方がしわが取れそうなイメージですが、高温すぎると溶けたり焦げたりする生地もあるため、素材に合った温度で使用してください。
- ネクタイはスチームアイロンを使えば自分でアイロンがけできる
- ネクタイにアイロンをかけるときはアイロンを押し当てないようにする
- アイロンがけしたネクタイはしっかり乾燥させてか収納する
ネクタイはデリケートな素材なので、アイロンがけが難しいように感じますが、スチーム機能を使えば自分で行うことができます。
スチームには布についたにおいを取る効果もあるので、スチームアイロンをうまく使ってネクタイのメンテナンスを行いましょう。
印象良く見えるネクタイの着こなしなどについては≫ネクタイの使い方についてで紹介しております。ぜひそちらもあわせてご覧ください。