- ダークスーツは喪服の代わりに着用しても大丈夫なの?
- 結婚式にダークスーツは着用できる?
- ダークスーツをビジネスと冠婚葬祭で賢く兼用する方法を知りたい!
ダークスーツを喪服代わりに着用して葬儀に出席しても良いのか気になったことはないでしょうか。
もちろん常識的に考えれば、目立つストライプ柄のダークグレースーツが喪服の代用品にならないことは想像できますよね。
しかし、ダークスーツでも無地の黒スーツなら別に失礼にはならないのでは?と考える人もいるのではないでしょうか。
年に数回しか着用しない喪服(礼服)をわざわざ準備するのは勿体ない、どうせなら普段使いできるスーツを1着増やしたいという人は、ビジネス用のブラックスーツなら兼用できるのか気になりますよね。
そこで今回は、冠婚葬祭でビジネス用のダークスーツを着用する際のマナーや注意点について詳しく解説します。
ダークスーツとブラックスーツの違いについてなど、基本的な部分からしっかり理解をしたい!という方は、詳しく解説している過去記事があるので是非合わせて目を通してみてくださいね!
ダークスーツを喪服代わりに着用するときの注意点
ダークスーツとは、一般に「暗い色合いの生地で仕立てたスーツ全般」を意味する言葉です。
その範囲は意外に広く、黒のスーツはもちろんダークネイビーやダークグレーなどもすべて”ダークスーツ”となります。
暗い色の中でも特に黒いビジネス用スーツを別称で”ブラックスーツ”と呼ぶ場合もありますが、本来は「ブラックフォーマルスーツ」つまりは礼服を表す意味で使われている言葉です。
2つの意味を持つブラックスーツですが、一般的には礼服(喪服)という意味で使われるケースがほとんどです。
「葬儀があるからブラックスーツを準備しておけよ!」
こんなセリフを上司から言われた場合は、「黒いスーツを用意しろ」ではなく「礼服を着て来なさい」という意味なので勘違いしないようにしましょう。
言葉の意味は判っていても、礼服を持っていない人やタイミング悪くクリーニング中で準備できない・・なんてときは、ビジネス用のダークスーツでも「無地で黒いスーツ」なら喪服の代わりに着用できるのか気になりますよね。
結論から言うと、【ときと場合によっては代用できるが、基本的には喪服を準備した方が良い】といえるでしょう。
ビジネス用のダークスーツ(黒)を喪服の代用品として着用できるケースとはどんな場合なのか、喪服とは何が違うのかなどを詳しく解説していきます。
ダークスーツ(黒・無地)を喪服で着用できるシーンとは
故人を偲ぶ場に出席する場合、基本的に喪服を着用するべきですが”立場”と”シーン”次第ではダークスーツを着用できるケースもあります。
ダークスーツを喪服の代用として着用できるシーンは限定的で
- お通夜であること
- 一般弔問客であること
つまり故人の親族など近しい立場ではなく、自分の立場が「一般弔問客」であり尚且つ「お通夜」に行く場合に限っては、ダークスーツに黒のネクタイや靴(靴下)を合わせた服装でもマナー違反にはなりません。
これは葬儀における服装のマナーと関係していて、一般弔問客がお通夜に参列するときは”略喪服”でも良いとされているからです。
略喪服とは、ネクタイや靴(靴下)などを黒で統一した上でダークスーツを着用する装いのことで、マナー上では黒にこだわらずともダーク系のスーツで参列しても良いとされています。
正喪服 | 準喪服 | 略喪服 | |
---|---|---|---|
スーツの種類 | モーニングコート スリーピースの喪服 | 一般的な喪服 | 平服(通常のスーツでも可) |
スーツの色 | 漆黒 | 漆黒 | ダーク系かモノトーン |
ネクタイや靴(靴下) | 黒で統一 | 黒で統一 | 黒で統一 |
着用者 | 遺族・親族 | 一般弔問客 | 一般弔問客(お通夜) |
お通夜に限定している理由も葬儀マナーに関係していて、葬儀や告別式に参列するときは準喪服(一般的な喪服)が正式とされていますので、ダークスーツですべての葬儀に参列しないように注意してください。
ちなみに、正喪服や準喪服でスリーピース(ベストを含めた正装)着用のマナーもあります。
白襟は外す、親族や遺族よりも目立たないように気を付けるなど知らないと恥をかいてしまうこともありますので、気になるという方は礼服でのスリーピーススーツを徹底解説した過去記事にも目を通しておきましょう!
葬儀や告別式はダークスーツだと悪目立ちする恐れがあるので注意!
前述の通り、お通夜はダークスーツであってもネクタイや靴などを黒で統一した略式的な喪服でも許されますが、葬儀や告別式に同じ黒だからという理由で黒いスーツで参列するのは控えた方が良いでしょう。
喪服とビジネス用の黒いスーツを並べて比較すると、光沢やスーツラインが異なるので違いがすぐに判ります。
冠婚葬祭など特別な日に着用することを想定した喪服は、光沢の無い漆黒(墨黒とも呼ばれる)が特徴的で着用頻度も低いことから、体型が崩れても着れるようにとゆったりしたサイズ感で仕立てることが多くなっています。
一方、ビジネス用に仕立てられたスーツはどうでしょうか。
ビジネスシーンでの着用を想定していることから、身体にフィットするサイズ感で仕立てるのが普通で、使われる生地の色も真っ黒ではなく光沢や艶のある黒になっています。(ビジネスシーンで漆黒は逆に”喪服”を想起させることから使わないのが普通)
お通夜でダークスーツがマナー的に許されている理由には、急な訃報などで職場から直接駆けつける可能性など弔問客に配慮して服装については厳しく言及していないという一面もあります。
しかし葬儀や告別式の場合は「準備する時間」が弔問客側にも十分あるため、わざわざ準喪服ではなく略喪服(ダークスーツ)で足を運んだという悪い印象を周囲に与えてしまう恐れがあるのです。
見比べれば明らかに「喪服じゃない」ことが判るので、故人の遺族や親族に不快な想いを抱かせないためにも、葬儀や告別式への参列はマナーに沿って準喪服を着用していくようにしましょう。
ボタンマナーについて詳しく解説している記事もありますので、冠婚葬祭などでスーツのボタンはどうすれば良いのか気になる方は合わせて目を通してみてください。
ダークスーツは結婚式との相性がバツグン!
葬儀の場合はファッション性よりも「故人を偲ぶ気持ちを表す服装」が求められるため、ダークスーツを着用しづらいケースが多いと言えますが、冠婚葬祭の中で最も華やかな結婚式との相性はバツグンです。
結婚式に呼ばれた側はあくまでも来賓(ゲスト)なので、服装に対するマナーやルールはさほど厳しくありません。
しかし、幸せな二人の門出を祝う場ですからダークスーツを着用して出席する際は、水を差したり常識を疑われるような着こなしは避けたいものです。
この機会にしっかりと着用マナーを覚えておいて、おしゃれにダークスーツを着こなして結婚式へ出席しましょう!
葬儀とは逆?ダークスーツで結婚式に出席するときの注意点
最初に覚えておきたいダークスーツで結婚式に出席するときの基本マナーは、着用するスーツの色についてです。
お通夜にダークスーツを着用して出席する場合は「黒かモノトーン」が望ましいのですが、結婚式に出席する場合は可能なら避けたい色合いになるので注意しましょう。
ブラックスーツ(礼服or黒いスーツ)を着用して結婚式に出席するのは基本的に「親族」であることが多く、友人や同僚などの立場で呼ばれているときは避けた方が無難だと言えるでしょう。(着用することが絶対にダメという訳ではありません)
友人や同僚など気軽な立場で結婚式に出席するときは、なるべく「華やかな装い」を意識した服装で場を盛り上げてお祝いの気持ちを表現した方が喜ばれます。
この「華やかな装い」を意識しすぎるあまり、派手なドレスやスーツで主賓よりも目立ってしまうと逆に顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまうので注意しましょう。
派手すぎず、華やかさや上品さを演出できるダークスーツは結婚式との相性がとても良いと言えるのです。
結婚式にダークスーツで出席するなら高品質な仕立てを!
華やかな結婚式に出席するときは、来賓にも上品な装いが求められます。
冠婚葬祭用として仕立てられているブラックフォールスーツ(礼服)が、ビジネススーツに比べて光沢が少なく品が良く見えるのも、一般的なビジネススーツとは異なり天然生地(ウールなど)を使用しているからです。
ダークスーツは確かに結婚式へ出席する装いとしては相性の良いスーツですが、普段使いをしている安物のスーツに袖を通して行くのは考え物かもしれません。
普段使いのスーツ(平服)は着用頻度も高いこともあり、なるべく安くて丈夫な化学繊維が混紡された物を選んでしまいがちですが、結婚式に出席しても恥ずかしくない「高級仕立のダークスーツ」を準備しておくと重宝します。
いわゆる”勝負スーツ”として、他のスーツよりもワンランク品質の高いダークスーツを仕立てておくのがおすすめです!
ダークスーツで冠婚葬祭を乗り切る着こなしテクニック
結婚式に呼ばれたけど地味な安物のダークスーツしか持っていない!というときも、慌ててスーツを購入する必要はありません。
安物ダークスーツでも、着こなしや小物を工夫することで上品な装いに見せることは十分可能です。
基本中の基本!ダークスーツにアイロンがけをしておこう!
当たり前のことですが、冠婚葬祭に限らず「よれよれのスーツ」は周囲から白い目で見られる原因となります。
どんなに高級なスーツでも、シワだらけのままなら品が無い着こなしに見えてしまいますし、逆に安物であっても折り目がしっかりとした綺麗なスーツなら品のある着こなしに見えます。
事前にクリーニングへ出しておくなどの準備をしてこくことが望ましいですが、時間が無くても自分でアイロンをかけておくなどの手間は惜しまないようにしましょう!
スーツのアイロンがけについては、過去記事で部位ごとに詳しく解説していますので参考にしながらトライしてみてください。
ダークスーツで結婚式に出席するなら小物は必須!
落ち着いた雰囲気と上品な印象を与えてくれるダークスーツは結婚式と相性が良いことは確かですが、華やかな場を盛り上げるという意味では”やや地味な服装”でもあります。
目立ちすぎるような派手な色のスーツを着用するよりは断然良いのですが、ダークスーツで結婚式に出席するときは小物を上手に使って華やかさを演出する着こなしがおすすめです。
顔周りに近いネクタイやシャツをワントーン明るい色合いにしたり、ポケットチーフで胸元を彩るだけでも上品で華やかな印象がグッとアップします。
ブラックスーツやダークスーツの着こなしやコーデを、スーツの色別やシャツの合わせ方など具体的に詳しく知りたい!という方は、下記記事が参考に役立ちますのでおすすめです!
喪服や結婚式にダークスーツを着るなら高品質な1着がおすすめ!
ダークスーツは喪服や結婚式に出席する装いとしてビジネススーツと兼用することも可能ですが、ルールやマナーを良く知っておかないと恥をかいてしまう恐れもあります。
ブラックスーツ(いわゆる礼服)は高品質な仕立てになっていることが多いため、化学繊維が使用された光沢のあるビジネススーツではなく天然素材を使った高級スーツを1着持っておくと安心です。
- 葬儀でダークスーツを着て良いのは「一般弔問客」で「お通夜」のとき
- 結婚式なら安心してダークスーツの着用はできるが「華やかさ」や「上品さ」を忘れずに!
- 高品質なスーツならさまざまなシーンで兼用できるので重宝する
お通夜や結婚式で兼用できるダークスーツですが、葬儀や告別式に出席する場合や結婚式に「親族」として参加する場合など、正喪服や準喪服が必要となるシーンに向けて礼服はしっかりと準備しておきましょう。
ブラックスーツとダークスーツについて、相違点や基本的なマナーや注意点を詳しく知りたい方は下記記事もおすすめです!
礼服に見劣りすることがなく、結婚式など華やかなシーンでも上品な装いで活躍するスーツを仕立てるなら、オーダーメイドスーツがおすすめです!
当店「GINZA SAKAEYA」では、世界トップクラスの高級スーツブランド”ゼニア”のダークスーツをフルオーダーで、リーズナブルにお仕立てすることが可能となっております。
冠婚葬祭に兼用できる高品質なダークスーツの新調の際には、是非当店のご利用を検討してみてくださいね!