- スーツは寒い時期には冬用にするべきですか?
- 冬用のスーツを着用できるのは何月から何月まで?
- 冬はスーツの足元に何を合わせたらいいでしょうか?
スーツにはオールシーズン着用できるタイプのほかに、季節に合わせて冬用や夏用があります。
スーツを着る機会があまりない人は、オールシーズン用があればいいのでは?と思うかもしれませんが季節に合わせたスーツを選ぶことは意外に重要なのです。
冬用のスーツは寒い季節に適した生地を使ったり、裏地を全体に付けたりと寒さを防ぐ工夫がされています。
寒さを防ぐために重ね着をすると、着ぶくれしてシルエットが崩れたり動きにくくなったりすることがありますよね。
寒い時期には冬用のスーツを着用することで重ね着をしなくても寒さを軽減することができるのです。
この記事では冬用のスーツの特徴や着用時期などについて解説していきます。冬用のスーツは防寒対策だけでなく、温かみを感じさせる色や素材が使われているので、見た目にも季節感を感じることができます。
夏のスーツの特徴については別記事で紹介しておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。
冬用のスーツの特徴
冬用のスーツは風を通さないような厚手の生地が使用されているのはもちろんですが、更に裏地を全体につけることで防寒性を高めています。
機能性だけでなく、生地の素材感でも冬らしさを感じることができるというのも魅力です。
厚みのある生地が使われている
スーツの生地は冬用も夏用もオールシーズン用もウールが主流です。
同じウール生地でも、織り方で目の詰まり方や厚みが変わるという特徴を活かして夏には通気性がよく軽い生地、冬には風を通さない厚みがある生地というように、季節に合わせた生地を作り出しています。
《冬のスーツに使われる主な生地》
- フランネル やわらかい生地で、生地を起毛させているので空気を含みやすく保温性に優れている
- ツイード 長さをそろえない荒い糸で織られた生地で厚みがあり、素朴で温かみのある雰囲気がある
- メルトン 圧力をかけてフェルト状にした生地で、柔らく滑らかで保温性に優れている
冬用のスーツは生地の厚さや防寒性能だけでなく、色や柄でも冬らしい生地になっています。
メンズスーツで定番のグレーやネイビーもほかの季節よりは暗めで重厚感のある色を使うのが特徴です。温かみのあるブラウン系も冬のスーツとして人気です。
また、チェックや千鳥柄は冬の厚みがある生地との相性がいいデザインで、おしゃれで洗練されたスーツスタイルになります。
総裏地のスーツになっている
スーツの裏地には型崩れを防いだり汚れを防いだりする役割がありますが、それ以外に裏地を付ける範囲を変えることで季節に合わせた着心地にすることが可能です。
冬用のスーツは風を通しにくくし、体温が逃げるのを防ぐために「総裏地」になっています。
総裏地とはスーツの上着全体に裏地がついた状態で、背中から下の部分を付けない「背抜き」や裏地を全く付けない「裏地なし」のスーツと比べて寒さを緩和することができます。
着用時期は10月~3月が目安
冬用のスーツの着用時期は一般的には10月~3月ですが、10月になったら必ず冬用のスーツにしなければならないというわけではありません。
衣替えのタイミングは住んでいる地域によっても違うので、10月になっても暑い日が続くようであれば、気温に合わない冬用のスーツは避けたほうがいいでしょう。
周囲の服装が冬の装いになってきたと感じたタイミングや、自分が寒いと感じたタイミングで着用すればOKです。
オールシーズン用や夏用と冬用スーツの違い
わざわざ季節ごとにスーツをかえなくてもいいと思う人もいるかもしれませんが、普段着で季節感を意識して服を選ぶように、冬には冬用のスーツを選んだ方が好印象を与えることができます。
また、冬用とオールシーズン用、夏用のスーツでは色や生地の風合いなど、見た目にも差があるので季節に合わないスーツを着ていると洗練されていないように見えてしまいます。
メンズスーツを購入するときの見分け方としては
- 冬用 暗めの色 総裏地 生地が厚い
- 夏用 明るい色 背抜きor裏地なし 生地が薄い
- オールシーズン用 定番カラーが多い 総裏地or背抜き 冬と夏の中間程度の生地
などがあり、文字で説明すると違いが分かりにくいのですが、3種類のスーツを比べた場合は生地の風合いや色合いが違うため、見分けられないということはありません。
冬用スーツでも寒い場合はインナーで防寒
冬のインナーには2通りの役割があります。1つは冬用スーツでも寒い場合にさらに防寒する役割、もう1つは逆に暖房などで暑い場合に体温調節をする役割です。
会社内でも部屋の中は暑いが廊下に出ると寒いといった場合や、屋内と屋外を移動することが多い場合には吸放湿性に優れたシルクのインナーを着用すると快適に過ごすことができます。
また、いつも寒く感じるという人は吸湿発熱機能や空気を逃がさない機能のあるインナーを選びましょう。
スーツの下に着用する冬のインナーについては冬用スーツのインナーについてで詳しく解説しておりますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。
スーツに合わせる冬のアウターの選び方
冬用スーツはオールシーズン用のスーツよりも暖かい着心地になっていますが、気温によっては外に出るときはアウターが必要になります。
スーツのアウターといえばチェスターコートやステンカラーコートが一般的ですが、色や素材によってはダウンジャケットやモッズコートなどを合わせることも可能です。
ダウンジャケットをスーツに合わせるときは、色は黒や紺などの落ち着いたもので光沢が少ない素材を選んでください。また、シルエットがストレートに見えるデザインでスーツのジャケットが裾から出ない長さにします。
冬用のスーツに合わせるアウターに関しては冬用スーツのアウターについてで詳しく解説しておりますので、そちらも合わせてご覧ください。
冬のスーツの着こなしについて
冬のスーツの着こなしで重要なのは、スーツのシルエットをくずさず着用するということと、季節感のあるカラーを取り入れるということです。
冬にはつい厚着になってしまいがちですが、スーツの下に何枚も重ね着してしまうとサイズが合わないスーツを無理やり着ているように見えてしまいます。サイズ感が変わってしまうような極端な重ね着は避けましょう。
スーツに冬ならではのアイテムを取り入れてみよう
冬のスーツスタイルに取り入れやすいアイテムに「ニットタイ」があります。ニットタイは布を縫い合わせて作られたネクタイではなく、糸を編んで作ったネクタイで、編地が暖かい印象を与えます。
ニットタイは通常のネクタイよりカジュアルなアイテムですが、素材によってはビジネスの場でも着用できます。
ニットというと毛糸で編まれたものをイメージするかもしれませんが、ニットタイはウール(毛糸)で編まれたものだけでなく、シルク(絹糸)やコットン(綿糸)で編まれたものもあります。
仕事で着用するときはシルク素材で無地のものを選びましょう。無地以外に、柄が目立たないように単色の糸を使って柄を編みこんだニットタイもおすすめです。
ニットタイは普通のネクタイと違い幅が一定になっています。また、ボリュームが出やすいので結び方はプレーンノットかスモールノットがいいでしょう。
冬の靴選びで悩んでいる場合はビジネスブーツという革靴のようなデザインのショートブーツがあります。
冬でもスーツの足元には革靴を合わせるのが一般的ですが、革靴は底に滑り止めがないため凍った道や濡れた床で滑りやすくなってしまいます。
雪が降らない地域でショートブーツは必要ない場合でも、冬には中敷きに温かい素材が使われていて靴の裏が滑り止めになっている冬用のビジネスシューズに履き替えたほうがいいでしょう。
ビジネスシーンでは差し色を意識したコーディネートを
冬はスーツだけでなくネクタイも季節感のあるカラーやデザインを取り入れていきましょう。春夏は明るめのカラーでさわやかな印象を目指しますが、秋冬は濃い目の色のネクタイを合わせて重厚感のある印象にしていきます。
濃い目の色合いのネクタイはどうしても全体が暗くなりがちなので、エンジやカーキなど差し色になるようなカラーがおすすめです。
また、ストライプやチェックのネクタイは柄の一部に明るい色が使われているものを選ぶとアクセントになります。
スーツとネクタイが濃い色合いの場合は真っ白なシャツを合わせると浮いてしまうので、薄いグレーや水色などのカラーシャツを合わせてみてください。
濃い色のカラーシャツを着用する場合は、ネクタイの色を少し明るめにすると暗くなりすぎずにバランスが良くなります。
冬にはダークグレーやダークネイビー、ダークブラウンなど暗い色のスーツが人気なので全体が暗くなりがちですが、差し色をうまく取り入れていくことを意識しましょう。
冬の就活でのスーツスタイル
就活では防寒としてスーツの下にニットを重ねたり、スリーピーススーツを着るのはふさわしくないため、冬用のスーツで防寒対策を行った方がいいでしょう。
冬用のスーツは就職した後に仕事でも着用できるため無駄になるということはありません。冬用のスーツでも寒さが心配な場合は、吸湿発熱の機能性インナーを着用してください。
ネクタイは春夏はピンクや水色、クリーム色などの明るい色が人気でしたが、冬はエンジや紺色、グレー系などの落ち着いた色合いを選び落ち着いた雰囲気を目指します。
冬の就職活動では、現地まではコートや手袋の着用も問題ありませんがコートなどは屋内に入る前に脱ぐのがマナーです。
リクルートスーツに合わせるコートやマナーについては別記事で紹介しておりますので、そちらもぜひ参考にご覧いただければと思います。
冬のスーツに関するQ&A
- 冬にスーツで防寒するときに気を付けるべきはマナーはありますか?
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スーツのマナーで注意が必要なのはドレスコードがフォーマルスタイルの場合です。モーニングや燕尾服は冬用がないので間違うことはありませんが、服装に幅がある結婚式ではマナー違反にならないように注意してください。
冬も夏の結婚式のスーツと同じように、季節に関係なくブラックスーツやダークスーツなどを着用します。寒い場合は発熱素材の下着やベストがセットになったスリーピースを着用して防寒対策を行いましょう。
- 冬のスーツは何度から着用できますか?
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気温によってスーツの着用時期が決められているわけではありませんが、冬のスーツを着用するなら気温が15℃程度になってからがいいでしょう。
気温が15℃程度まで下がると、外を歩く場合には薄手のコートが必要になり冬らしい服装の人が増えてきます。
スーツにも冬ならではの季節感を取り入れてみよう!
冬用のスーツは厚みのある生地を使用し、総裏地で作られているため風を通しにくく防寒性能に優れています。また、見た目で季節感を出すという効果もあります。
オールシーズン用のスーツがあれば、冬用のスーツをわざわざ購入しなくても問題ないと考える人もいるかもしれませんが、季節に合わせた着こなしというのは相手に好印象を持ってもらうために大切です。
防寒性に優れ、着るだけで季節感を出すことができる冬用のスーツをうまく活用しましょう。
- 防寒対策できて季節感を感じることもできる冬用のスーツは準備したほうがいい
- 冬用のスーツの着用時期の目安は10月~3月
- 冬はスーツにビジネスブーツや冬用のビジネスシューズを合わせる
夏の暑さと違い寒さは重ね着すれば解消できる可能性もありますが、重ね着するとスーツのシルエットが崩れて不格好に見えてしまうこともあります。
また、寒いのを我慢していると仕事の能率も下がってしまうので、冬には冬用のスーツを選んで快適に過ごしてください。
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