- 冬はスーツのインナーに何を着たらいい?
- ニットをスーツのインナーに重ね着し防寒しても大丈夫?
- スーツのズボンにも冬はインナーを履くべき?
スーツの下に着用する服を「インナー」と呼びますが、実は「インナー」という言葉には2種類の意味があります。
1つは「シャツの下に着用する肌着」で、もう1つは「スーツのジャケットの下に着用する服」です。
この記事では「肌着」と「ジャケットの下に着用する服」の両方について、冬のインナーに関する選び方を紹介していきます。
冬にはどんな点に注目してインナーを選べばいいのかや、ジャケットのインナーとして着用できる服にはどんなものがあるのかについて解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
冬のスーツについては≫冬用スーツのメリットについてで詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧いただければと思います。
スーツを冬にも着用する人はインナーで体温調節を
寒いからといってスーツの下に何枚も重ね着をしてしまうと、衣服の厚みで動きにくくなったり、スーツがきつくなったりしてしまいます。
スーツのインナーには暖かい素材を選び、重ねる服の枚数はできるだけ少なくしましょう。
冬の肌着の役割は防寒だけじゃない
冬の肌着というと、寒さを防ぐためのものをイメージするかもしれませんが、冬の下着の役割は防寒だけではありません。
肌着には寒さを防ぐ役割以外に暖房などで汗をかいてしまった場合に汗を吸う役割もあります。寒さ対策だけを重視して厚手の肌着を身に着けていると、汗を吸った肌着がなかなか乾かないということになってしまいます。
また、冬は乾燥しているため素材によっては肌にかゆみが出る場合や静電気がおきる場合があるので、素材にも気を付けましょう。
《冬の肌着選びのポイント》
- 保温性がある
- 汗をかいた場合にはすぐ乾く
- かゆみや静電気が起きにくい
- シャツの袖から出ない長さ
冬の肌着は長袖でも構いませんが、シャツの袖口から肌着が出ない長さのものにします。身長が低めの人の場合は八分袖や九分袖のシャツを選んでみてください。
冬におすすめのインナー素材
年間を通してシャツのインナーには同じ肌着を着用しているという人もいるかもしれませんが、スーツを着るうえで肌着は意外に重要な役割をしています。
会社内でも部屋の中は暖かいが廊下に出ると寒いといった場合や、屋内と屋外を移動することが多い場合には気温差で汗をかいたり、汗が冷えたりしますよね。
気温差が激しい場所を行き来することが多い人は、吸放湿性に優れたインナーを着用すると汗が気にならず快適に過ごすことが可能です。
また、寒い場所にいることが多い場合は空気を含んで熱を逃がさないような肌着を選ぶと、暖かく過ごすことができます。
《冬におすすめの素材》
- シルク 肌触りがよく保湿性に優れており、吸湿性や放湿性にも優れている。
- コットン 保温性があり汗も吸い、天然素材なので肌にも優しい素材だが、濡れた場合に乾きにくい。
- レーヨン 肌触りがよく、吸湿性に優れていて通気性もあるがやや乾きにくい。
- ウール 繊維に空気を含んでいるので保温性に優れていて暖かいが静電気が起きやすい。
冬のインナーには吸湿発熱機能のある機能性インナーというものもあります。機能性インナーとは接触冷感や消臭、吸湿発熱などの機能をくわえて作られたインナーで、ユニクロの「ヒートテック」や無印良品の「あったか綿」などです。
《吸湿発熱インナー》
- 繊維が汗などの湿気を吸収したときに発生する熱を利用して暖かさを感じられるようにした肌着で、保温効果が長続きするように工夫されている。
- 素材にはいろいろな種類がありレーヨン、ポリエステル、ポリウレタンなどの化学繊維を使用したものが多いが、綿などを混ぜて作られたものもある。
肌が敏感な人や静電気が気になる場合は、シルクや綿などの天然繊維の割合が多い吸湿発熱インナーを選ぶといいでしょう。
冬でもスーツのインナーにニットを着られる場面は限られている
季節に合わせた肌着を着用する以外にもスーツの中にニットを重ねることで寒さ対策ができますが、スーツのインナーにニットを着用するのがマナー違反になる場合もあるので注意してください。
シャツではなくニットをインナーにできるのはオフィスカジュアル
シャツの代わりにニットをスーツのインナーに着用できるのはオフィスカジュアルが許されている職場だけです。スーツにネクタイを着用して仕事をする職場では、寒いからといってシャツの代わりにハイネックのセーターなどを着ることはできません。
オフィスカジュアルの着用が許されている職場であれば、シャツの代わりにVネックや丸首のセーターを着用しても大丈夫です。
ベストやVネックのセーターは許容されている場合もある
ベストやVネックのセーターをシャツの上に着用する「重ね着」はウォームビズになるため、オフィスカジュアル以外の職場でも許容されています。
ただし、ベストやセーターを重ね着する場合は、カジュアルになりすぎないように色やデザインに注意してください。
ニットの首元は詰まったものではなく、ベストのように見える深めのVネックだとカジュアルになりすぎずに着用することができます。色は黒やグレーネイビーの定番カラー以外にエンジや深緑などの差し色になるようなカラーもおすすめです。
スーツのインナーにニットを合わせたコーディネートについては別記事で紹介しておりますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
フォーマルな場ではアレンジはNG
結婚式や式典などのフォーマルな場では、冬でもニットの重ね着はマナー違反になります。フォーマルシーンでのドレスコードは細かく決まっているので、季節に関係なく常に同じ服装をし、アレンジはできません。
冬のドレスコードで季節感があるアレンジが可能なのはスマートカジュアルだけになります。スマートカジュアルのドレスコードではニットの着用もOKです。
冬のドレスコードについては別記事で詳しく解説しておりますので、そちらも参考にしてみてください。
寒い場合はズボンの下にも冬用インナーを
スーツのインナーというと上半身に着用するものばかりに注目しがちですが、ズボンの下にも暖かいインナーを着用することで体感温度が変わってきます。
暖かさとしては足首まであるロングタイプのタイツが優秀ですが、履きなれていないと窮屈に感じる場合があります。
《ズボンの下におすすめの冬インナー》
- ステテコ
夏用のステテコが麻やレーヨンなどの薄地のさらりとした生地で作られているのに対して、冬用は厚みがある生地を使用したものが多い。
夏用のステテコ同様に幅が広めのタイプの他に、タイツに近い細めのデザインのステテコもある。
- タイツ
一般的にはレディースのタイツはつま先まで覆われたものを指すが、メンズ用のタイツはスパッツのように足首あたりまでの長さになっている。「ももひき」や「ズボン下」と呼ばれていた肌着に近いデザイン。
- ロングボクサーパンツ
ボクサーパンツの裾の部分が太ももや膝上あたりまでの長さになったもの。ロングボクサーパンツは発熱素材のものもあるので、あまり履き心地を変えずに防寒したいという場合に向いている。
寒さの感じ方は人それぞれ違うので、足全体をカバーできるタイツじゃないと寒いと感じる人もいればロングタイプのボクサーパンツでちょうどいいと感じる人もいるかと思います。
自分が普段過ごす場所の気温や寒さの感じ方、着用感などで好みのタイプのインナーを選びましょう。
冬のスーツのインナーに関するQ&A
- 冬でもスーツのインナーに黒い肌着を着るのはダメですか?
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冬なら黒などの濃い色の肌着を着ていても気にならないのではないかと思うかもしれませんが、ジャケットをを脱いだときに肌着がシャツから透けるのはNGです。
白いシャツや薄い色のシャツの下には、透けない色の肌着を着用してください。カラーシャツを着用する場合でシャツから肌着の色が透けない場合は黒でも構いません。
- 冬に寒い場合はリクルートスーツのインナーに何を着ればいいのでしょうか?
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リクルートスーツのインナーには、ニットなどの重ね着はしないのがマナーです。ニットを着用すると、どうしてもカジュアルに見えてしまうので、面接や会社訪問では避けた方がいいでしょう。
寒さが心配な場合は、厚手の肌着や発熱機能のあるインナーを着用して防寒対策を行います。
スーツのインナーの役割を理解して冬を快適に過ごそう
スーツで冬を快適に過ごすためには、インナー選びも重要です。冬の肌着には寒さを防ぐ目的と気温の変化での体温調節の意味があるので、季節に合わせた肌着を選びましょう。
寒い場合はニットなどの重ね着をする方法もありますが、上半身だけでなくズボンのインナーにもタイツなどの防寒のための肌着を着用するとさらに暖かく過ごすことができます。
- スーツのインナーには冬は保温性があり乾きやすい素材の肌着を着る
- シャツの上にニットを重ね着しての防寒は大丈夫だがシャツの代わりにニットを着るのはNG
- 冬はスーツのズボンにも防寒のためにインナーを履いた方が良い
スーツのズボンの下に履く肌着も汗を吸ってくれるので、体温調節や汗のべたつきの点から考えてもインナーを履いておいた方が良いかもしれません。
冬のインナーを選ぶときには寒さ対策を中心に考えがちですが、空気が乾燥して静電気がおきやすかったり暖房で汗をかきやすかったりという場面もあるので、寒さ以外にも注目して選んでみましょう。
スーツを冬に着用するときのポイントについては≫冬用スーツのメリットについてで詳しく紹介しております。あわせて参考にしていただければと思います。