- スーツの上に着るコートの選び方を知りたい!
- スーツで着用するコートの丈(長さ)はどのぐらいのものを選んだらいいの?
- コートはいつまで着ていてもいいの?
スーツの上に着用するコートをいざ購入しようとすると、自分に合ったサイズ感やコートの種類など、わからないことや悩むポイントが多くあります。
この記事ではコートの種類や購入するときのサイズ選びなどの基本的な知識から、ビジネスシーンやフォーマル、就活など着用するシーン別におすすめのコート紹介、その着こなし方など、さまざまな角度からスーツに似合うコートについて徹底解説いたします。
スーツの上に着るコートはシンプルなデザインで、ネイビーやグレーなどのベーシックな色味のものを選ぶと着回しがしやすくておすすめです。
また自分の体型にあわせた適切なゆとりを持たせることで、恰好よく着こなすことができるので、サイズにはこだわってコートを選びましょう。
メンズコート購入時におさえたい!恰好よく見える3つのポイント
メンズコートを購入する際には体にフィットしたサイズのものを購入するのがポイントです。
スーツを下に着るからといって、大きすぎてブカブカなものを選んでしまうと着心地が悪くなるだけではなく、野暮ったく見えてしまいます。
せっかく細部までこだわったスーツを着用していても、コートがブカブカでは恰好がつかないですよね。
逆にスーツに密着してしまうぐらいゆとりのないコートでは、動きにくいですし、摩擦でスーツやコートが傷んでしまう可能性もあります。
ここではスーツの上に着用するメンズコートについて、具体的にどの部分のサイズに気を付けて購入すればいいのか、3つのポイントをご紹介します。
これらを念頭において、購入する前にスーツを着た状態で試着をしてみましょう。
コートの着丈はひざ丈より少し上のものを
スーツの上に着用するコートを選ぶ場合、ジャケットの裾が隠れるものを選ぶのが基本です。
丈の長さについては好みが分かれますが、ひざ上10cmぐらいが絶妙な長さで格好よく見えます。
特にこだわりがなければこのぐらいの長さのものを購入するのがおすすめです。
空調の性能が上がり、ハーフ丈と呼ばれるスーツのジャケットよりも少し長い程度のサイズも人気です。
少しカジュアル寄りになるためビジネス用途では使いづらい可能性もありますが、動きやすいなどの利点も見逃せない点です。
肩のゆとりは指一本分が目安
スーツの肩パットで窮屈になりがちな肩回りはゆとりを持たせたい場所のひとつです。
そのゆとりは「指一本分」が目安で、肩先の少し下を指で押し、指の上と肩先のラインが揃うぐらいのものを選びましょう。
あまりに肩周りにゆとりがありすぎると、古い時代のコートに見えてしまい野暮ったくなってしまうので注意が必要です。
腰回りは+15cm~20cmのゆとりをもたせて
腰回りは適度なゆとり以上にありすぎると太って見えるので、できるだけジャストサイズに近づけたいところです。
その適度なゆとりとは「腰回り+15cm~20cm」が目安です。
両手を広げてみたときに、腰回りにそのぐらいの余裕があるかどうかを確認しましょう。
フォーマルからカジュアルまで……さまざまなコートを紹介
コートと一口に言ってもフォーマルで着用できるもの、カジュアル向けのもの、防寒に特化したもの、ビジネスシーンで活躍するもの……など、さまざまな種類があります。
この項目では、特にスーツの上に着る場合におすすめのコートをピックアップして紹介いたします。
チェスターコート
チェスターコートは正式名称を「チェスターフィールドコート」といい、このコートを愛用していたチェスターフィールド伯爵から命名されたコートです。
その昔、フォーマルウェアの上着だったフロックコートをベースに、防寒用の外套として作られたものが原型とされており、コートの中でも昼夜兼用で着用できる代表的なフォーマルコートとして知られています。
スーツと同じような襟(ラペル)がついた伝統的なコートですが、肩や腰回りを絞ってできるスリムなシルエットが特徴で、シンプルなデザインですが現代的で格好のいいコートです。
ビジネスシーンはもちろん、結婚式などのフォーマルな場面でも着用できる汎用性の高い定番のコートといえるでしょう。
ウールやカシミヤの生地を使用した一生モノの一着はもちろん、コットンや薄手の素材で作るカジュアルに寄せたものなど、着用するシーンに合わせて生地やカラーを選んでコーディネートを楽しむことができます。
ステンカラーコート
ステンカラーコートとはうしろの襟を立て、前の襟を低く折り返すかたちとなっているコートです。
首元までボタンで閉じることができるため防風・防寒性に優れており、第一ボタンを外しても様になるため便利な一着です。
肩回りは襟ぐりから脇の下に向けて生地が切り返されているラグランスリーブとなっており、腕が動かしやすいように作られています。
クラシカルなロング丈のイメージが強いステンカラーコートですが、現在では丈の短めなものも登場しており、ビジネスだけではなく普段の買い物や、街歩きなどカジュアルな場面でも重宝されています。
トレンチコート
トレンチコートとは、第一次世界大戦時のイギリス陸軍で採用されていたコートで、現在ではトラディショナルなファッションコートとして男女問わず人気があります。
肩にかけた装備が落ちないように付けられたベルト(エポレット)、ライフルの銃床を支え撃ったときの衝撃を緩和するために付けられた胸の当て布(ガンフラップ)など、さまざまな部分に軍用としての名残が意匠として残されています。
スーツの上に着るコートとしても重宝されていますが、チェスターコートやステンカラーコートと比べるとカジュアル寄りのデザインのため、フォーマルな場面で着用するには少し注意が必要です。
薄い生地で作られたものは春や秋など、肌寒さを感じるぐらいの時期に着用するのにも便利です。
カジュアルコート
これまで紹介してきたコート以外にも、モッズコート、ダッフルコート、Pコートなど多くの種類があります。
これらのカジュアルなコートは商談先などに着ていくことは避けたほうが無難ですが、通勤時などでは機能性が高く便利だったり、リラックスしたファッションを楽しむことができるものもあります。
例えば「ダウンコート(ダウンジャケット)」は防寒着として最も優秀なコートです。
雪国の冬は気温が氷点下近くなることも多く、厚手のコートを羽織っても寒さをしのげない日が多くありますが、そういった時でも冷たい空気を遮断してくれるダウンコートは大変心強い存在です。
最近はスリムなデザインのダウンコートも多く売られているため、ビジネスシーンで着用できるものも増えてきています。
購入するときはスーツのジャケットの裾が出ないようなものを選びましょう。
ピーコート
ピーコートは厚手のメルトンウールを使用したダブルボタンのコートです。
19世紀末から海軍が艦上で着用していた外套がルーツで、前身ごろが二重になっているため防寒性に優れ、手袋をはめたまま着脱できるようにボタンが大きめになっています。
海軍で使用されていたため、胸を張ったような威厳のあるシルエットになっていて、ビジネスシーンでもしっかりした印象を与えてくれますが、動きやすいように裾が短めのものが多いです。
スーツの上に着用する場合は裾がはみ出さないように着丈に注意しましょう。
気温が10℃程度になったら厚手コートの出番
ウールやカシミヤなどで作られた厚手のコートが活躍するのはもちろん冬の季節、だいたい12月中旬~3月中旬にかけてです。
しかし近年は天候が急激に変わりやすく、これまでのように季節や時期で判断をするのが難しくなっています。
目安がハッキリしないと「今日は寒いけど、コートを着ると時期的に周囲から浮いてしまうかも」と不安な気持ちになることもあるでしょう。
コートの着用については「気温10℃」をひとつの目安として考えるのがおすすめです。
気温10℃付近はちょうど冬の季節らしい、寒さが感じられる気温です。
特に最高気温が10℃となるような日や強い風が吹いている場合は、日中でも凍えることが予想されますので、カシミヤやウールを使った暖かなコートを着用しましょう。
最高気温が10℃を上回る場合でも、寒暖差が激しい11月~3月ぐらいは天候や風によって体感温度が気温以下に感じられるときもあります。
万が一を考えてコートを持ち歩き、寒いと感じたら着用するのをおすすめします。
また、「肌寒いけれど厚手のコートでは暑いかも……」といった微妙な気温の場合には、薄手の生地で作成したコートが活躍します。
スーツとの組み合わせでは薄手のチェスターコートやステンカラーコートを一着用意しておくと大変便利です。
オーダーコートはビジネスシーンで活躍する一生モノの一着
スーツだけではなくコートもオーダーメイドで仕立てることができます。
その利点は完全に自分の体型に合わせたコートを作ることができることでしょう。
特にチェスターコートやステンカラーコートは、自分の体型に合わせたサイズのものを選ばなければ逆にみっともなく見えてしまいますが、既製品では気の利いた細かな調整ができません。
それに比べてオーダーコートの場合、特に仮縫い付きのものであれば理想のサイズに仕立てることが可能です。
自分好みに丈の長さや肩・腰回りのしぼりの調整を細かく指定することや、使用する生地や裏地、ボタンなどのカスタマイズをすることもできます。
またコートに関する悩みや疑問を直接仕立てのプロに相談できるところも大きな強みです。
オーダーコートについてはこちらの≫オーダーコートの失敗しない注文方法とポイントで詳しく紹介しています。
リクルートスーツにあわせるコートは就職後も着用できるものを選ぶ
新卒者の就職活動は一般的に3月ごろから会社訪問が始まります。
その前に始まるインターンシップなども含めると秋~冬の寒い季節に重なるため、スーツにあわせたコートを準備しておくとよいでしょう。
リクルートスーツの色はブラック、暗めのネイビー、チャコールグレイが一般的です。
コートに関してもチェスターコートやステンカラーコートでベーシックな無地のものを選べば、就職してからでも使うことができるため、どちらか一着を購入するのがおすすめです。
コートは会社の外で脱いでから入り、外に出てから着用するのが基本的なマナーですので、選ぶ際にはあまり神経質になる必要はないかもしれません。
しかし奇抜すぎる色や、モッズコートやダウンコートなどカジュアルな印象になってしまうものは避けましょう。
リクルートスーツに似合うコートの選び方については≫リクルートスーツの選び方と着用マナーにて紹介していますので参考にしてみてください。
フォーマルな場面ではスーツ同様に礼服用のコートを準備
結婚式や葬式などのフォーマルな場面で着用する場合は、スーツほどではありませんが気を遣う必要があります。
カジュアルな印象となるコートは避け、フォーマル度の高いコートを着用しましょう。
冠婚葬祭に関する場であればチェスターコート、ステンカラーコートのいずれかがおすすめです。
結婚式の二次会などではドレスコードが厳しくないため、トレンチコートでも構いません。
色に関しては特に葬式や告別式などの弔事では注意が必要です。スーツ同様、ブラックで無地のものを着用します。
光沢ができるだけないものを選ぶのも重要です。
結婚式で招待された側であれば、着用するスーツにあわせてコーディネートを考えるのがおすすめです。
大抵の場合はスリーピーススーツを着用することが多いため、ベストが見栄えだけではなく防寒にも一役買ってくれます。
フォーマルシーンで着用するコートについては、≫フォーマルコートの着用マナーと失敗しない選び方で詳しく紹介しています。
スーツとコートの組み合わせはベーシックな色味を選ぶのがベスト
スーツとあわせるコートを選ぶときには色も重要なポイントです。
どのようなスーツとも合わせやすいのはベーシックなダークグレー、ネイビー、ベージュなどでしょう。
チェスターコート、ステンカラーコートでベーシックカラーのものを一着持っていれば、安心してさまざまなスーツや服とのコーディネートを楽しむことができます。
ビジネスで着用するスーツは濃い色や暗めの色が多いため、コートまでそれに合わせると暗い印象になりがちです。
そのためネクタイなどのアクセントで使用しているカラーと同系色にするのもおすすめです。
ベージュ、カーキ、ブラウンなどの落ち着いたアースカラーのものであれば、明るすぎることなく華やかな印象を与えることができます。
ブラックやネイビー、チャコールグレイなどスーツの定番色にも苦労なく合わせることができる点も大きなポイントです。
また柄物のコートを着るときには、中に着るスーツとの組み合わせにも注意が必要です。
異なる柄の組み合わせや、同じ柄でも両方とも主張をするような状態ではコーディネートとして見栄えがよくありません。
片方は無地や織り柄のような控えめなものを選ぶのがおすすめです。
スーツの上に着るコートはサイズとデザインが重要
今回はスーツの上に着るコートについて、その種類や選ぶときのポイントについて詳しく紹介いたしました。
スーツに合わせるコートとしてはチェスターコートやステンカラーコートが汎用性が高くおすすめです。
フォーマルやカジュアル、ビジネスシーンを問わず着用することができます。
グレーやネイビーなどのベーシックなカラーで無地のコートを一着準備しておけば、秋や冬の寒い季節を安心して過ごすことができるでしょう。
- スーツの上に着るコートはサイズを重視して選ぶ
- チェスターコート、ステンカラーコートはシーンを問わず着用することができて便利
- コートのカラーは定番のグレー、ネイビー、ベージュがおすすめ
コート選びは防寒対策はもちろん、見た目の印象を左右するためデザインやカラーも選ぶときの大事なポイントです。
この記事を参考に、自分に似合う最高のコートを購入しましょう。