- 20代でオーダースーツを作るのと、既製品を買うのはどっちがお得なの?
- 20代だからこそ気を付けたいオーダースーツ注文時のポイントについて知りたい
- テーラーおすすめの20代向けスーツを教えて!
20代にとって社会人らしくオーダースーツをバシッと着こなすことは憧れであると共に、いざ仕立てるとなれば悩みや不安も多いのではないでしょうか。
「若いのにオーダースーツを着てたら生意気に思われないだろうか・・・」
「いつまでも既製品だと周囲に舐められてしまうのではないか・・・」
他にも、そもそもオーダースーツにすべきか既製服で我慢すべきかなど、20代ならではの悩みが原因でオーダースーツに気後れしてしまう人は少なくありません。
そこで今回は20代がオーダースーツを仕立てる上での悩みや気になるポイントについて解説すると共に、予算やどんなスーツを選ぶのが良いのかについてもテーラー目線で詳しく紹介していきます!
オーダースーツについて、基本的なお店選びや仕上がりまでの期間などを詳しく知りたい方は、過去記事も合わせて目を通してみてくださいね。
20代はオーダースーツと既製品のどっちを選ぶべきか
まず、大前提として20代がスーツを新調するときに「オーダースーツ」と「既製服(既製品)」のどちらを選ぶべきかという問題から解決していきましょう。
結論から言うと「無理の無い範囲であれば、どちらを選んでも良い」のですが、後述する予算などの関係から20代は安易に既製服を選んでしまいがちです。
もちろん、収入に見合わないオーダースーツを無理に注文する必要はありません。
しかし、単純に”安いから”という理由だけで既製服1択!と決めつけると損をしてしまうことも。
一般的に【オーダースーツ=高い】というイメージを抱きがちですが、コスパを考えると既製服よりもオーダースーツの方がお得なケースが多く、目先の金額だけでスーツを選んで失敗している人は少なくありません。
オーダースーツと既製品、それぞれの特徴とメリット・デメリットを確認していきましょう。
20代のスーツ選び:既製品の特徴を知ろう
大手紳士服メーカーなどが、春先になると大々的に行う「フレッシュマンスーツ」は20代前半の社会人ならお世話になる機会が多いのではないでしょうか。
新卒でスーツを初めて準備する段階なら、お財布にも優しい既製品スーツの存在は心強いものです。
既製品スーツの特徴
- その場ですぐに購入できる(急にスーツを準備するときでも安心)
- 決められたサイズから選ぶ必要がある(裾直しなど簡単なサイズ調整のみ)
- 金額は安価な設定となっている(ブランドやメーカーに金額は依存)
入社前に慌ててスーツを準備する人は少ないと思いますが(就職活動の段階でスーツは準備しているのが普通)、お金が無い20代前半の社会人なら既製品のスーツを最初に購入する人が大半だと思います。
既製品最大のメリットは、安くてその場で購入できるという手軽さにあります。
デメリットとしては、段階的なサイズが決められているので着心地という点ではオーダースーツに大きく劣る点です。
日本人の一般体型を想定して作られる既製品スーツですが、実際に多くのオーダースーツを手掛けてきたテーラーとしての経験上、皆さんが想像している以上に”体型の個人差”が既製品ではカバーできないケースは多くあります。
実際にオーダースーツを作りに来たお客様のご意見として
- 首回りで合わせると袖の長さが合わない
- 着丈で合わせると胸元が苦しいが、胸元に余裕を持たせるとオーバーサイズになってしまう
- 肩幅が広い(狭い)ため、既製品で自分にピッタリなサイズ感に出会ったことがない
このように、既製品が体型に合わないことを理由にオーダースーツを検討する人は多いものです。
20代のスーツ選び:オーダースーツの特徴を知ろう
予算的な問題から安価な既製品を選びがちな20代ですが、先に少し触れたようにオーダースーツのすべてが高額という訳ではありません。
まずオーダースーツは既製品と何が異なるのかを知っておきましょう。
オーダースーツの特徴
- 注文してから手元に届くまでに期間がかかる(2週間~3か月)
- 自分の体型に合わせたサイズ感でスーツを仕立てることが可能
- ボタンや裏地など、細かい部分まで自分の好みを反映させることが可能
- 金額はピンからキリまでさまざま(3万円台~100万円以上まで)
オーダースーツが既製品に比べて優れている点は、自分の体型に合ったサイズ感のスーツが作れることや、仕立てるスーツに自分の趣味や好みを反映できることです。
デメリットは費用が高くなりがちな点と、注文してから手元に届くまでにタイムラグが生じてしまう点にあります。
例えば季節の変わり目などを意識して、春先の間に”夏用”のスーツを仕立てるなどオーダースーツの場合は、タイミングや時期を意識して計画的に購入することが大切です。
また、オーダースーツには種類がありオーダーシステムによっては既製品とほとんど変わらない値段で仕立てることも可能です。
- パターンオーダー(既製品よりはサイズ調整の範囲が広い)※平均相場は3万円~7万円
- イージーオーダー(主要部分を採寸して仕立てるので着心地が良くなる)平均相場は10万円前後~
- フルオーダー(細部に渡り採寸、仮縫いで再調整をするため最良の着心地)平均相場は20万円前後~
※料金はブランドや店舗によって変動するのであくまでも参考目安として考えましょう。
上記の通り、パターンオーダーと呼ばれる既製品を作るための”型紙”を用いたオーダーシステムなら、金額的な負担はほとんど変わらずに着心地の向上が見込めるので20代の方にもおすすめです。
ただし、パターンオーダーはあくまでも既製品で使用される型紙をベースとしているため、極端に腕が長い・胸板が厚いなどの悩みを持っている方ならイージーオーダーかフルオーダーで仕立てるべきでしょう。
オーダーシステムや生地の違いによる値段の比較については、下記記事で詳しく解説していますので気になる方は合わせて目を通して参考に役立ててみてくださいね。
「かっこいいスーツの着こなし方」を強く意識する20代の方は多いと思いますが、テーラーの立場から言うとブランドやスーツラインの美しさはもちろんですが、スーツをかっこよく着こなす上で重要なのは【適切なサイズ感】で着ているかどうかです。
全くサイズ感の合っていない高級ブランドのスーツを無理して着ている人よりも、安物であっても自分の体型に適したサイズ感のスーツを着ている人の方が着こなしとしては美しく見えます。
冒頭でオーダースーツが高いからと敬遠すると損をするかもしれないと言った理由もサイズ感にあります。
収入に見合わない高額なイージーオーダーやフルオーダーを無理して購入する必要はありませんが、金額を見比べて大差が無いのであれば既製品よりはパターンオーダーを選択した方が結果的には満足いく買い物になる可能性が高いと言えるでしょう。
もちろん、着心地や見栄えを意識するならイージーオーダーやフルオーダーの方がが良いのは言うまでもありません。
続いては、実際に20代がオーダースーツを検討する場合の【予算の算出方法】と【気にすべきポイント】について解説します。
20代におすすめなオーダースーツの予算と考え方
既製品よりもオーダースーツの方が着心地や見栄えが良いのは、なんとなくのイメージだけでも判りそうなものです。
それでも20代の人がオーダースーツに対して気後れを感じてしまうのは、【費用面の不安】と【人間関係や周囲の反応】が気になるからだと思います。
それぞれの悩みについて、詳しく解説していきましょう。
20代のスーツ費用はいくらが適正なのか
国税庁が発表によると20代前半(男性)の平均年収は284万円で、20代後半(男性)では平均年収404万円とされています。
一般的にスーツにかける費用は「年収の1~2%」が無理のない適正範囲と言われていることから
- 20代前半の男性なら2万8千円~5万6千円
- 20代後半の男性なら4万円~8万円
上記が20代のスーツ1着を仕立てる費用の目安となります。
もちろん年収が多ければ適正なスーツ費用予算も増えていきますが、基本的には年収の1~2%を意識した金額設定が「無理の無い範囲」となるので、自分の適性費用はいくらになるのかを計算してみるとよいでしょう。
特に社会人1年目~3年目など20代前半の方は、所持しているスーツの数自体が少ないはずです。
スーツを長持ちさせる秘訣の1つは【同じスーツを着続けないこと】なので、最低でも各シーズン(夏・冬)で3~4着が揃うまではパターンオーダーや既製品などで我慢するのも1つの選択肢です。
逆に、シーズンごとのスーツにある程度の余裕が出てくる20代半ば~後半ならイージーオーダーやフルオーダーのスーツを検討してみても良いでしょう。
奮発して高級スーツをフルオーダーで仕立てても、同じスーツをヘビロテすれば傷むのも早くなってしまいます。
高級ブランドを扱う当店としては、是非とも高級スーツを・・・とおすすめしたいところではありますが、20代の方なら費用とスーツの枚数が揃ってから高級スーツを検討する方が結果的には良い買い物になるのです。
20代ならではの悩み!オーダースーツを仕立てるときの注意点
20代の社会人がオーダースーツに憧れるけど躊躇してしまう理由は予算の問題だけではありません。
もうひとつの大きな理由として
「若いくせにオーダースーツなんて生意気だ!」
「ロクに仕事もできないのにスーツだけは一人前だな!」
上記のように20代でオーダースーツを作ってしまうと、先輩や上司から「何か言われてしまうのではないか」という不安を感じてしまう人も少なくないようです。
一般的に言えば、20代の企業における立ち位置は「新人」や「若手」であり、身の丈に合わないオーダースーツは控えた方が良い面があるのは事実ですが、仕立て方を工夫すれば波風を立てずに着心地の良いスーツを仕立てることも可能です。
テーラーとしての経験と20代のお客様からの体験談を踏まえて、まずは20代がオーダースーツを仕立てるときの注意点をいくつか紹介するので参考に役立ててみてください!
ファッションに疎い職場なら気にしなくてOK!
20代でオーダースーツを仕立てるお客様が意外に多く口にするのが、「気にしすぎだった」という言葉です。
特に先輩や上司がファッションに精通していない職場の場合、スーツの良し悪しに気付くことは少なく、20代で高級オーダースーツを仕立てても大きな問題にはならなかったという意見が多くあります。
自分から「このスーツはオーダースーツで〇〇万円もしたんだ!」と吹聴でもしない限り、20代で良いスーツを着ているからと言って生意気だと言われることは無いので安心して作りましょう。
営業職やファッション関連企業は要注意!
逆に、20代が目立つオーダースーツを仕立てるのは控えた方がよい職場もあるようです。
営業職やファッション関連企業など、身だしなみに気を使う職場の場合は20代があまりにも高価なオーダースーツを着用していると良い顔をされないことも。
しかし、こうした職場は一般企業に比べて良質なスーツを着ること自体への理解度は高く、「20代らしいオーダースーツ」を仕立ててさえいれば逆に評価が上がるきっかけにもなるでしょう。
それでは、20代らしいオーダースーツを仕立てるにはどうすればよいのでしょうか。
20代らしいオーダースーツを仕立てるポイントとは
若くして会社を興して大成功した!という方は例外ですが、いわゆる「若手」として企業に属している20代なら、オーダースーツを仕立てるときのポイントがあります。
20代らしいオーダースーツのポイントは、【スーツの色】と【スーツの価格】です。
それぞれを詳しく解説していきましょう。
20代におすすめのオーダースーツの色はネイビーやグレー
オーダースーツを仕立てる上で、自分の好みや個性を反映させることは醍醐味の1つでもあります。
しかし、立場上まだまだ「若手」として扱われることが多い20代はスーツで個性を出しすぎると「生意気だ」と思われる原因にもなりかねません。
そのため20代がオーダースーツの色選びをするときは「無難な色合い」がおすすめです。
20代前半ならフレッシュで誠実な印象を与えやすいネイビー、20代後半~30代前半なら落ち着きを感じさせるグレーや濃いネイビーなどが無難でしょう。
せっかくオーダースーツを作るなら柄のあるスーツを・・と考える気持ちは判りますが、20代なら無地を選ぶことをおすすめします。
高級すぎるスーツや有名すぎるブランドは避けた方が無難
20代がオーダースーツを仕立てるときは、スーツの価格やブランドにも気を配るのがポイントです。
まず、高額すぎるスーツを仕立てるのは避けた方が無難だと言えるでしょう。
例えば、上司や先輩がセール販売で購入した1万5千円のスーツを着ている中で、自分の後輩や部下にあたる人間が30万円のスーツを着ていると知ったらどう思うでしょうか。
大多数の人が決して良い気分にはならないですし、下手をすれば風当たりが強くなってしまう恐れまであります。
またファッションに詳しくない人でも聞き馴染みのあるような高級スーツブランドは避けた方がよいかもしれません。
例えばイブサンローランやグッチ、アルマーニのように国内で名を聞いただけで「高い!」と連想するようなブランドですね。
20代でも高級スーツを仕立てたいなら、世界的には超有名でも国内では「知る人ぞ知る」ようなハイブランドがおすすめ。
例えば当店が取り扱う「ゼニア」などは、国内での認知度は低くとも世界水準で言えばトップクラスという高級スーツブランドですから、20代の方がこっそり高級スーツを仕立てるなら検討の余地ありですよ!
専門店が20代におすすめしたいゼニアのオーダースーツ
当店GINZA SAKAEYAは、高級イタリアスーツブランドの”ゼニア”を取り扱う国内有数の認定店舗です。
ゼニアは国内での知名度こそ高くはありませんが、世界では歴史ある老舗の高級スーツブランドとして人気があり、20代後半~30代前半の若い世代から50代以上の紳士まで幅広い年代に愛されています。
当店が取り扱うゼニアスーツの中でも、20代の方に自信をもっておすすめできる商品を最後にいくつか紹介しておきましょう。
是非とも高級スーツに袖を通してみたい!という20代の方は、オーダースーツを検討する上で参考に役立ててみてください。
時代にマッチしたリーズナブルなゼニア生地「ループ」
ゼニアが世界的に有名となった大きな要因は、他の有名ブランドにも卸している生地の素晴らしさにあります。
安くて丈夫な化学繊維を否定するつもりはありませんが、ゼニア生地を実際に手に取ってみると「手触り」や「光沢」などが全く別次元であることに気付くはずです。
とはいえ、最高品質の天然素材を使用したゼニア生地はお値段も最高級なので、20代の方には手が届きにくい価格設定となっているのも確かです。
そこでおすすめしたいのが、ゼニア社がSDG’sの一環として発表した「ループ」という生地。
実はこのループという生地は、縫製する工程で発生する余剰の原料を”再利用”して作られたサステナブル(持続可能)な時代にマッチした商品となっています。
余剰原料を使っているとはいえ、元々が最高品質のゼニア生地ですから手触りや光沢は1級品な上に、価格がリーズナブルという夢のような生地です。
それでは、20代におすすめしたい当店が取り扱うループ生地商品をいくつか紹介していきましょう。
20代におすすめ!高級ゼニアスーツのループ(ネイビー)
最初に紹介するのはループ生地(ネイビー)で仕立てるオーダースーツです。
20代らしいフレッシュで誠実な印象を与えるループのネイビーは、若い世代のお客様に人気となっています。
もちろん当店では仮縫い付のオーダーメイドなので、詳細な採寸と調整で最高の着心地をお約束いたします!
サステナブル生地のループだからこそ実現できる驚きの価格は、※90,000円~(税抜)となっています。
※オプション無しの場合
ゼニア生地をただ使っただけのスーツではなく、認定店舗による最高品質のゼニアスーツとしては破格です。
当店HPの商品紹介ページから、くわしい商品説明をみることが可能となっています。
20代後半~30代前半におすすめ!ループのミディアムグレー(無地)
同じくゼニアのループ生地から、落ち着いた印象のスーツが似合ってくる20代後半~30代前半におすすめの商品がミディアムグレー(無地)です。
前項で紹介したループのネイビーと同じく、当店なら最高級のゼニアスーツを90,000円~(税抜)というリーズナブルな価格でお仕立て可能です。
同じループ生地でも、色味が変わるだけで周囲に与える印象は大きく異なります。
ミディアムグレーは、落ち着いた印象を与えたい20代後半~30代前半の方が多く選ぶ人気カラーとなっています。
当店HPの商品ページから、くわしい商品説明をみれますので気になる方は是非ともご覧の上でご検討してみてくださいね。
20代は無理のない予算で賢くオーダースーツを仕立てよう!
20代~30代前半の若い世代の方には、収入に応じた無理の無い予算と着用シーズンを意識した計画的なオーダースーツの仕立て方がおすすめです。
ブランドにこだわりすぎて高い既製品を購入するより、パターンオーダーでも良いのでサイズ感を重視してスーツをかっこよく着こなした方が周囲からの印象も良くなります。
- 年収の1~2%を目安に予算を決めておきましょう
- サイズ感を重視して、予算が許すならイージーオーダーやフルオーダーにも挑戦しよう
- 柄物よりは無地の方が無難、色もネイビーやグレーなど王道カラーがおすすめ
- 20代でも高級スーツを着ても問題になることは少ないので安心して仕立てよう!
スーツを各シーズンで着まわせる枚数が揃ってきて、収入にも余裕がでてきたら是非とも高級スーツのオーダーメイドも検討してみてください。
ゼニアをお求めの際には、国内有数のゼニア公認店舗「GINZA SAKAEYA」へ気軽に問い合わせていただけければ、自分史上最高のスーツをお仕立ていたします!
また、オーダースーツについてもっと詳しく知りたい方は、過去記事も合わせて読んでいただくと参考に役立つのでおすすめです。