- スーツにネクタイを付ける必要性は?
- 使いやすいネクタイの色は?
- ネクタイにも定番の柄がある?
対面で会話をするとき、顔の近くにあるネクタイは自然に目に入るアイテムです。ネクタイに汚れやゆがみがあると、だらしない人に見えてしまいます。
目につきやすい位置にあるネクタイの色や柄も大切ですが、スーツとの組み合わせも印象を左右する重要なポイントです。
ネクタイを選ぶときはネクタイだけに注目して選ぶのではなく、スーツと合わせたときにどんなイメージになるか想像しながら選びましょう。
スーツにネクタイを合わせるのはなぜ?
スーツにネクタイというのはビジネスマンの定番スタイルですが、細長い布を首に巻くことに何の意味があるのか疑問に思う人もいるでしょう。
ネクタイは中世ヨーロッパではおしゃれなアイテムとして広がり、その後、現代までの長い時代改まった場での男性の服装として浸透してきました。
そのため、スーツにネクタイというスタイルには「信頼感」や「安心感」を抱く人が多いのです。
ネクタイのルーツは首元を守る布
ネクタイの起源は17世紀までさかのぼります。クロアチアの兵士が首に巻いていた布を見たルイ13世が、ファッションとして取り入れフランスに広がったのが始まりです。
当時の布は現在のように細長いものではなく、スカーフのような大きな布で「クラヴァット」と呼ばれていました。
クラヴァットの語源は「クロアチアの」のという意味です。
ルイ13世がクロアチア兵士の首の布を指し「あれは何だ?」と側近に問いかけたところ、兵士を指していると誤解して「クラヴァット(クロアチア人です)」と答えたため布自体が「クラヴァット」と呼ばれるようになりました。
ネクタイにはお守りとしての役割があった
クラヴァットには急所である首元を守るという役割がありましたが、同時にお守りとして扱われていました。
クロアチアには女性の衣類を身に着けていると戦場で死ぬことがないというジンクスがあり、恋人や家族がクロアチア兵士の無事を祈り贈ったそうです。
現在でも、男性への贈り物としてネクタイが選ばれることが多いのは当時の名残なのかもしれません。
ネクタイの結び方は意外に重要
ネクタイは色や柄だけでなく、結び方でも印象が変わります。ネクタイの結び目が緩んでいるとだらしない印象になってしまうので、ゆるみがないようにしっかり結びましょう。
ネクタイの結び方は、定番だけでも5種類あります。
- プレーンノット 初心者でも簡単に結べるシンプルな結び方
- ダブルノット プレーンノットと同様シンプルな結び方でプレーンノットより結び目が大きくなる
- ウインザーノット 結び目が正三角形に近く美しい形なのでバランスが良い
- セミウィンザーノット ウインザーノットより結び目が小さいので厚地のネクタイの場合におすすめ
- スモールノット 結び目がコンパクトになる結び方
結び目が整った三角形になるウインザーノットは、ぜひ覚えてほしい結び方ですが、ネクタイを結ぶのが苦手な人はプレーンノットから練習していきましょう。
ネクタイの結び方についてでは初心者にも簡単に結べる定番から上級者向けのおしゃれな結び方までを詳しく紹介しております。ぜひ参考にしてみてください。
ネクタイの色はスーツとのバランスを重視しよう
ネクタイの起源となるクラヴァットはレースを使用した白いものが主流でしたが、現在のネクタイには様々な色や柄があります。
ネクタイの色によって付けた時の印象が変わるのはもちろんですが、スーツとネクタイの色の組み合わせも大切です。
購入するときにはネクタイだけを見て判断するのではなく、手持ちのスーツに合うかを考慮して選びましょう。
リクルートスーツでも使いやすいカラーはブルー・エンジ・グレーの3色
初めてネクタイを買う場合は、ビジネススーツと組み合わせやすいブルー系・エンジ系・グレー系がおすすめです。
ブルー・エンジ・グレーの3色は、ネイビー系・ブラウン系・グレー系どのスーツとも合わせやすいカラーになります。
就活中で着用するリクルートスーツは、ネイビーやダークグレーが多いので、ブルー系・エンジ系・グレー系のネクタイを準備しておけば、就職後も長く使うことが可能です。
クリーム系のイエローも明るい雰囲気になりフレッシャーズにおすすめですが、茶色っぽいスーツと組み合わせるのが難しいので、まずは1本購入するという場合は避けた方が無難です。
同系色のネクタイを合わせると落ち着いた印象になる
ビジネスシーンなど、相手からの信頼を得たい場面ではインパクトのあるネクタイではなく同系色の落ち着いたコーディネートにすると品のある雰囲気になります。
紺色のスーツ×ブルー系のネクタイやダークグレーのスーツに明るめのグレー系ネクタイなど、同系色を組み合わせることで、コーディネートに統一感が生まれ、堅実なイメージを相手に与えることができます。
シャツも白や淡いブルーなど、主張せずコーディネートになじむ色を選びましょう。
礼服の場合はネクタイの色に決まりがある
冠婚葬祭で礼服を着る場合は、ネクタイもドレスコードに合わせた決まりがあります。
葬儀の際は黒というのは知っている方も多いかと思いますが、祝賀会などのおめでたい場では光沢のある白かシルバーのネクタイを締めるのがマナーです。
着る機会は少ないかもしれませんが、燕尾服には白の蝶ネクタイ、モーニングは慶事と弔事で着用できるネクタイが違うなどのルールもあるので注意してください。
ネクタイは柄の大きさでも印象が変わる
ネクタイは色だけでなく、柄でも相手に与える印象が違ってきます。直線的な柄は真面目や堅実というイメージ、ドットなど丸みがある柄は柔らかいイメージになります。
ネクタイの柄で最も使いやすいのはストライプ(レジメンタル)
ネクタイの柄で使い回しやすいのは
- ストライプ(レジメンタル)
- ドット
- チェック
の3種類です。
他にもペイズリーや小紋などの柄がありますが、無難な柄の方が場面を選ばず着回しできます。
斜めにストライプが入った柄を「レジメンタル」と呼びます。レジメンタルタイは古典的な柄なので誠実な印象を与えることができ、ビジネススーツと合わせやすいデザインです。
チェックもストライプと同じく定番の柄ですが、線の色によっては派手になってしまいます。ビジネスシーンでは色の種類が少なく同系色の線のものを、スマートカジュアルのジャケットと合わせる場合は差し色になるカラフルなものを選んでください。
ネクタイの柄が大きいとカジュアルなイメージになる
ネクタイの柄では、ストライプは幅が細いデザインより太いもの、ドットは小さな水玉より大きな水玉がカジュアルに見えます。リクルートスーツやビジネススーツでは柄の小さいものを選びましょう。
柄の大きさ以外にも同系色のカラーでデザインされたネクタイは落ち着いた印象に、多色のデザインは派手な印象になります。
小紋柄やペイズリー柄は派手に感じる人もいるかもしれませんが、下地の色と模様が同系色の場合は柄のインパクトが少ないのでさりげなく個性を出したい人におすすめです。
ネクタイピンの役割と付ける位置について
ネクタイピンはシャツにネクタイを固定するためのものですが、同時にアクセサリーとしての役割もあります。また、ネクタイピンはいつも同じ場所に付ければいいわけではないので、付ける位置にも気を付けましょう。
スーツなど、ジャケットを着たスタイルではネクタイピンが見える程度、脱いだ場合は少し下側に止めるとネクタイのぶらつきを防ぐことができます。
ただし、葬儀ではネクタイピンを付けるのはマナー違反です。葬儀はおしゃれをして出かける場ではないため、女性のアクセサリーも制限されており、アクセサリーとしての役割があるネクタイピンもNGなのです。
ネクタイピンの選び方や付け方についてはネクタイピンの役割についてで詳しく解説しておりますので、ぜひ合わせて参考にしてみてくださいね。
いざというときのためにブランドネクタイを準備しておこう
ネクタイには手ごろな価格からハイブランドの高級品まで様々な種類があります。
普段使いをするなら手ごろな価格帯のネクタイでもいいのですが、お祝いの席や商談などの大事な場面で使用できるハイブランドのネクタイを準備しておくと安心です。
ブランドによって個性があるので、ブランド名だけではなく自分が普段しているスタイルにはどれが合うのかを考えて選びましょう。
- バーバリー 価格帯25,000~30,000円 イギリスの老舗ブランドでバーバリーチェックと呼ばれる定番のデザイン以外にストライプや小紋柄もある
- ゼニア 価格帯20,000~30,000円 高品質のシルク生地で作られており締めやすくビジネスシーンで使いやすい柄が多い
- ポール・スミス 価格帯10,000~20,000円 ハイブランドの中では手ごろな価格帯でイギリスの伝統的なデザインがもとになっている
- グッチ 価格帯20,000~25,000円 イタリアの高級ブランドでインパクトの強い男性的な柄が多いため個性を出したい人におすすめ
- カルバン・クライン 価格帯5,000~10,000円 アメリカ発祥のブランドでスタイリッシュなデザインが多く若い世代でも気負わずにつけられるのが特徴
ネクタイのブランドや選び方についてはおすすめのネクタイブランドで紹介しております。ぜひあわせてご覧ください。
正しい収納方法でネクタイを長持ちさせよう
ネクタイを長時間着用していると、目に見えなくても汗が染みこんでいる場合がありますし、ネクタイを締めたり外したりする際も手の汗や皮脂が付着してしまいます。
外したネクタイはすぐにタンスなどにしまうのではなく、ハンガーなどにかけて1日乾燥させてください。毎日仕事でネクタイを締める場合は、普段の収納もハンガーにかけたままにしておくといいでしょう。
長期間使わない場合は折りたたむのではなく丸めて収納するとしわが防げます。できれば空気が通るように間隔をあけて並べてください。
ネクタイの洗濯や収納などのメンテナンスについてはネクタイの収納方法についてで詳しく紹介しております。ぜひそちらもあわせてご覧ください。
結婚式にふさわしいネクタイの選び方
結婚式といえば以前は礼服での出席が一般的でしたが、現在は招待客はダークスーツなど礼服以外での参加も許容されています。
結婚式にゲストとして参加する場合は、フォーマルなシルバーや晴れやかな雰囲気になる明るいカラーのネクタイを選びましょう。春はピンク系、夏はブルー系など季節を感じさせる色を選ぶのもおすすめです。
結婚式にNGなのが葬儀を連想させる黒、そして殺生を連想させるアニマル柄になります。また、キャラクター柄のネクタイもカジュアルすぎるので控えてください。
結婚式に付けていくネクタイについては結婚式でのネクタイの選び方で詳しく紹介しております。ぜひそちらも参考にしていただければと思います。
ノーネクタイのときは着こなしに注意!
クールビスが浸透し、夏はノーネクタイで過ごす人が多くなりましたが、普段のスーツスタイルからネクタイを外しただけではだらしない印象になってしまいます。
ノーネクタイでも好印象を与えるためには、ボタンダウンなどのネクタイがなくてもすっきり見えるシャツを選んだり、第一ボタンを外して首元にゆとりを持たせたりと工夫が必要です。
クールビズやスマートカジュアルでは、スーツではなくジャケットやベストとノーネクタイというスタイルもOK!
スーツはネクタイを締めるというイメージが強いので、ノーネクタイならジャケパンスタイルの方が洗練されたイメージになります。
ノーネクタイの際に気を付けるポイントについてはノーネクタイでの着こなしについてで詳しく解説しておりますので、そちらも参考にしてみてください。
ネクタイに関するQ&A
- 良いネクタイというのはどんなネクタイのことですか?
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良いネクタイというのは光沢があって丁寧に作られているネクタイのことです。
光沢のあるシルクで作られていてペラペラではなく適度な厚みがあるものを選んでください。また、ネクタイの真ん中を指にかけて持ったとき、うねりなどなくまっすぐな状態のものが良いネクタイです。
- ネクタイは何本くらい持っていれば足りますか?
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ネクタイは同じものを毎日使っていると傷みが早くなります。一度使ったら数日休ませる必要があるので、毎日ネクタイを締める人は最低でも5本準備しておきたいところです。
余裕があれば季節に合わせてネクタイを変えられるよう10本+フォーマル用が2本あればほとんどのシーンで対応できます。
逆に、仕事でネクタイを使用しない場合はタイプの違うネクタイを2~3本準備しておけばいいでしょう。
ネクタイは組み合わせ次第で多彩なコーディネートが可能
ネクタイには実用性がないので付けるのが面倒だと感じる人がいるかもしれませんが、スーツにネクタイという定番スタイルをすることで相手から信頼を得ることができるのです。
ネクタイの色や柄で相手に与えるイメージは変わってきますが、それだけでなくスーツに合っているかどうかも印象を左右する材料になります。
また、同じスーツでもネクタイによって印象が変わるので何通りもの着こなしを楽しむことが可能です。
- ネクタイを付けるのは相手への気持ちを表すため
- 使いやすいネクタイの色はブルー系・エンジ系・グレー系の3色
- ストライプ(レジメンタル)のネクタイは定番の柄の中で最も使い回しがきく
ネクタイには選んだり結んだりという手間がありますが、相手側から見れば手間を惜しまず身なりを整えてくれたということになります。
ネクタイは自分のためではなく周囲への気遣いを示すアイテムなので、相手にどう見えるかを意識して選びましょう。