【トレンドと情報】合理性の高いナポリのハンドメイド

こんにちは。

榮屋本舗の代表・伊藤です。

日本とは勝手が違って

私たちも戸惑うところがありますが、

ナポリの仕立ては、

工程ごとにメリハリがきいているのが特徴です。

力を抜くところは抜く、

熱を入れるところは入れる、と。

先人たちから受け継いだ知恵であったり、

自らが経験してきたことなどを判断基準とし、

熟練のサルトは工夫しながら

作業にあたっているのだといいます。

つまり、

現在のナポリ仕立ての手法は、

できるだけ無駄がないように追求された結果、

編み出されたものである、といわれています。

なるほど。

たしかにそうかもしれません。

もし型紙までしっかり作成していると、

完成までの時間がさらに必要ですし、

その余波で仮縫いの作業が疎かになる……

場合によっては、そんなこともあるでしょう。

型紙をつくらないというのは、

決して手抜きをしようとしているのではなく、

少しでも簡略化できるところは簡略化し、

逆にどうしても手が抜けない部分、

たとえば仮縫いの工程などに対しては、とことん力を入れよう、と。

そんなふうに調整されていった

非常に合理的に突き詰められた手法なのです。

えー、

マラソンにたとえるとわかりやすいでしょうか。

スタートからゴールまで全力疾走で走ることは不可能ですよね?

勝負どころを見極め、

そこに至るまでにいかに力を温存するか、

そういう経験則に基づいた判断のもと

実践されているのではないかと、私は分析しています。

そうした熟練のサルトの知恵が、

ゆったりとした着心地で気持ちがリラックスでき、

なおかつ曲線的なシルエットが美しい

ナポリ特有のスーツをつくり上げるわけです。

これは、真似できそうでできない

深く研ぎ澄まされた技術なのです……次回に続きます。

チャオ(*^-゚)/~Ciao!

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