- ネクタイは自分で洗濯できる?
- 洗濯機でネクタイがしわしわになった場合は?
- 洗えるネクタイはどうやって見分ければいい?
ネクタイは肌に直接触れるものではないため、肌着やシャツと比べると汚れにくいのですが、使っているうちに少しずつ汚れてきます。
仕事などで毎日ネクタイを付けている場合、汚れが気になってくるタイミングも早く、自宅で洗濯できればと感じている人もいるのではないでしょうか。
ネクタイには素材によって洗濯できるものとできないものがあります。洗濯可能な素材であれば、自宅で手洗いできるので洗えるネクタイの見分け方や洗い方を覚えておきましょう。
ネクタイの選び方や着こなしについては≫ネクタイの使い方についてで紹介しております。ぜひそちらもあわせてご覧ください。
ネクタイを洗濯機で洗うのは絶対ダメ!
ネクタイの素材によっては自分で洗濯できますが、絶対にやってはいけない行為が「洗濯機で洗うこと」です。
ネクタイはただの細長い布ではなく、内側には形を保つための芯地が貼ってあります。ネクタイを洗濯機で洗うと水流や脱水時の遠心力で芯地がねじれてしまい、シワや型崩れの原因になります。
洗濯用のネットを使用すれば大丈夫という声も聞きますが、洗濯ネットに入れても他の洗濯物とぶつかったり絡まったりしてダメージを受ける可能性があります。
型崩れしてしまったネクタイをもとの状態に戻すのは難しいので、洗濯機の使用は避けましょう。
ネクタイの洗濯に失敗してしまった場合はお店で修理してもらおう
ネクタイを洗濯機で洗ってしまって型崩れした場合は、クリーニングしても元通りにはならない場合がほとんどです。そのため、クリーニングを断られることもあります。
洗ってしまったネクタイの型崩れを直すには「修理」が必要なので、衣類のリフォームも行っているクリーニング店や補修の専門店、補修を請け負っている洋服店やメーカーなどに依頼しましょう。
ネクタイを自分で修理するのは難しい
ネクタイの補修はクリーニングの価格とは違い、3,000円~5,000円と高額で期間も3週間程度かかるため、安いネクタイの場合は自分で修理にチャレンジしたい方もいるかと思います。
ネクタイを自分で修理する場合は、縫い目をほどき中の芯地を取り出し、芯地を整えてネクタイの中にもどして縫い閉じればOKなのですが、実際は簡単にできるものではありません。
ネクタイの芯地が折れていたり、アイロンがけしても元に戻らないほどのダメージがあったりすると新しい芯地が必要になりますが、芯地だけを販売している店舗はほとんどないのです。
また、ネクタイの芯地は縫い付けてあるものが一般的なので、初心者には交換が難しいかと思います。
ネクタイを洗濯してしまったときは、専門店に依頼するか買い替えを検討した方がいいでしょう。
ネクタイ修理に対応してくれるお店について
ネクタイの洗濯に失敗して、しわしわになってしまったときは、自分で洗い直したりせずにすぐに修理を依頼しましょう。
クリーニングしなおせば直ると思いがちですが、一度形が崩れてしまったネクタイは通常のクリーニングでは元に戻りません。ネクタイの型崩れを直すのは「修理」や「補修」という作業になります。
そのため、洗濯だけを請け負うクリーニング店では対応してもらえないことがあります。ネクタイを修理する場合は、リフォームを行っている店舗を選んでください。
《ネクタイの修理に対応してくれる店舗》
- 洋服のリフォームも行っているクリーニング店
- リフォーム専門店
- 補修やリペアに対応している洋服店
- 修理にも対応しているメーカー
補修できるかどうかや価格、修理までの日数は店舗によって違うので修理を頼む前には電話などで店舗に確認してからネクタイを持ち込んでください。
シルク以外のネクタイは洗濯できる場合がある
ネクタイは自宅で洗濯できるものもありますが、シルクなど自宅での洗濯は難しくクリーニングに出した方がいい素材もあります。
絹(シルク)のネクタイは取り扱いが難しいので、手洗いであっても自宅の洗濯は行わないでください。
自宅で洗濯できるネクタイは洗濯表示でチェック
一般的には化学繊維(ポリエステルやレーヨン)や綿、ウール、麻のネクタイはクリーニング可能です。しかしながら、デザインによっては柄のプリントがはがれてきたり刺繍がほつれてきたりというトラブルが起こることがあります。
洗えるネクタイかどうかは見た目で判断せずに洗濯表示(品質表示)をチェックしてください。
洗濯表示タグは、ネクタイの小剣(細くなっている方の先)についていることが多いのですが、メーカーによっては大剣(太い方の先)についている場合もあります。
また、ネクタイには洗濯表示を付けずに紙の洗濯表示(取り扱い表示)が同梱されているだけの場合もあるので、購入時には洗濯表示を確認する習慣をつけるようにしましょう。
洗濯表示で桶のようなマークに数字がついていれば、その温度のお湯で洗えるということになります。バツ印がついている場合は水洗いできないということです。
アイロンにバツ印はアイロンがけできないということになります。表示内容をすべて覚えるのは大変ですが、バツの表示が多いネクタイの洗濯は難しいと思った方がいいでしょう。
また、バツ印以外でも「ドライ」という表示や「P」「F」「W」という記号がある場合は「ドライクリーニング」という水を使わないクリーニング方法での洗濯のみ可能という意味ですので、自宅での洗濯はできません。
《自宅で洗えるネクタイの見分け方》
- 桶のようなマークにバツがついていない
- 「ドライ」という文字がない
- 「P」「F」「W」の表示がない
絹(シルク)で作られているネクタイは、自己流で洗濯してしまうとせっかくの光沢が失われてしまう可能性が高いので、素材が分からない場合はクリーニングに出した方が安全です。
ネクタイを自宅で洗う場合は人肌のお湯を使う
洗濯可能な素材のネクタイでも、洗濯機を使って洗うことはできません。ネクタイを洗濯機で洗ってしまうと形が崩れてしまうので必ず手洗いしてください。
自分で洗濯をする場合に準備するものは
- 洋服用のブラシ
- 人肌程度(35~40℃)のぬるま湯
- 中性洗剤
- 洗い桶(洗面器など)
- タオル2枚以上(ネクタイの水分を吸わせる)
の5点です。
熱いお湯の方が汚れが取れるイメージがありますが、温度が高いお湯を使うと生地が傷む原因になってしまいます。ネクタイの汚れのほとんどは皮脂や汗なので、人肌程度のお湯でも汚れを取ることができます。
ほこりがついた状態でネクタイを濡らすと、ほこりと繊維が絡まり取れにくくなってしまいます。
ネクタイを洗濯液に入れる前に、全体をブラッシングして表面に付着したほこりを取り除きましょう。
ブラッシングはネクタイの中央から大剣と小剣それぞれの方向に行ってください。
ネクタイを洗うときは、洗い桶にぬるま湯と中性洗剤を入れて洗濯液を作ります。洗剤の量は洗剤の取り扱い説明どおりでOKです。
洗濯液ができたら、洗う前に5分程度洗濯液に浸け置きしてください。洗濯液に浸け置きすることで、ネクタイにしみ込んだ汚れが落ちやすくなります。
5分経過したらネクタイを押し洗いします。洗い桶の底に強しつけるのではなく、ネクタイを水の中で泳がせるイメージで揺らしながら洗ってください。
洗い終わったら洗い桶の中のぬるま湯を入れ替え、押し洗いと同じ要領でネクタイをすすぎます。洗剤の泡が出なくなるまで、ぬるま湯を替えながらすすいでください。
すすぎが終わったら縦長に折ったタオルの上にネクタイをのせ、もう1枚のタオルで挟み水気を取ります。
水気を取るときも強く押したりせず、軽く押さえる程度にしてください。
ネクタイの形を整えて、ハンガーに干します。
ネクタイなどのデリケートな素材の中には、日光に当てると変色してしまうものがあるので、陰干し(日の当たらない場所に干す)で乾かしてください。
ネクタイのアイロンがけはあて布をして行う
洗濯後にネクタイにアイロンをかける場合は、ネクタイに直接アイロンがあたらないようにあて布をして行います。あて布は専用の布も売っていますが、自宅にあるハンカチで代用可能です。
アイロンの温度は、洗濯表示にしたがって設定してください。ネクタイの上にあて布を置き、アイロンを少し浮かせるようにして力を入れずに滑らせながらアイロンをかけてください。
自宅で洗濯できないシルクのネクタイにもアイロンをかけることはできますが、その場合はスチームの熱を利用してアイロンをかけます。
ネクタイにアイロンをかけるくわしい手順についてはネクタイにアイロンをかける方法についてで紹介しております。そちらもあわせてご覧ください。
ネクタイのクリーニングはシーズンごとでOK
自分で洗濯できないネクタイをクリーニングに出す場合は、汚れが目立たなければ衣替えのタイミングを目安にしましょう。
結婚式など、特別なときにしか付けないネクタイも毎回クリーニングに出す必要はありません。2~3回着用したらクリーニングに出す程度で大丈夫です。
ただし、食べこぼしがついてしまったなど明らかに汚してしまった場合は時間をおかずにすぐにクリーニングに出してください。
ネクタイをクリーニングに出す頻度や料金に関してはネクタイのクリーニングについてでくわしく紹介しております。そちらもあわせてご覧ください。
ネクタイの洗濯に関するQ&A
- ネクタイは洗濯できないのでしょうか?
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ネクタイの素材によっては、自宅での洗濯も可能です。ただし、洗濯機は使わず必ず手洗いしてください。洗濯できるかは洗濯表示を見て判断します。
- ネクタイの洗濯表示はどこについていますか?
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ネクタイの洗濯表示は、小剣(細くなっている方)についているのが一般的です。小剣についていない場合は大剣(太い方)も確認してください。
ネクタイはデリケートなので洗濯には細心の注意を!
ネクタイには自分で洗濯できる素材もありますが、洗濯機は使用せず必ず手洗いで行いましょう。洗濯に失敗したネクタイは自分で元に戻すことが難しいのでうっかり洗濯機に入れないように注意してください。
洗濯できるネクタイかどうかの判断は洗濯表示で確認できますが、ネクタイによっては紙の品質表示が同梱されているだけの場合もあります。
絹のネクタイは手洗いもNGなので、素材が分からない場合はクリーニングに出した方がいいでしょう。
- ネクタイの洗濯は手洗いなら可能な場合がある
- 洗濯機で洗ったネクタイを元に戻すには「修理」が必要
- 洗えるネクタイかどうかは洗濯表示で確認
手洗いは少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえばそれほど時間はかかりません。
ネクタイは洗えない素材が多いので、ネクタイを汚しやすい人は洗濯表示を見てネクタイを購入するというのも選び方の一つかと思います。
ネクタイとスーツの着こなしについては≫ネクタイの使い方についてで紹介しておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。