- ネクタイを結ぶときは長さはどれくらいにすればいい?
- 初心者に向いている結び方は何?
- おしゃれな結び方で簡単に結べるものは?
ネクタイには色々な結び方があるため、どんなシーンでどの結び方をすればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
ネクタイは結び方によってノット(結び目)の形に違いがあり、見た目の印象が変わります。
ネクタイを締めるのが苦手な人は、複雑な結び方ができないと失礼になるのではと心配かもしれませんが、シンプルな結び方でも結び目が整っていれば気にしなくても大丈夫です。
今回は、初心者でも結びやすいシンプルな結び方から上級者向けのおしゃれな結び方まで、比較的結びやすいものを紹介していきます。
スーツとネクタイの着こなしについては≫ネクタイの使い方についてで紹介しております。ぜひそちらもあわせてご覧ください。
ネクタイを結ぶための基礎知識を覚えよう
ネクタイを結ぶときは、結び方の名称やネクタイ部位の名前の知識があった方がイメージしやすくなります。
まずは簡単にネクタイの結び方や名称などの知識を取り入れておきましょう。
代表的なネクタイの結び方と特徴
ネクタイの結び方は多数ありますが、普段使いしやすい実用的な結び方5種類が代表的な結び方です。
おしゃれな結び方の中で比較的簡単な5種類と合わせて紹介していきます。
呼び方 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
プレーンノット | ビジネス、就活、結婚式、葬儀 | 初心者でも結びやすい基本の結び方 場面を選ばずオールマイティーに使える |
ダブルノット | ビジネス、就活、結婚式、葬儀 | プレーンノットよりボリュームが出る結び方 細身のネクタイ向き |
スモールノット | ビジネス、就活、結婚式、葬儀 | 結び目が小さくなる結び方 厚手のネクタイや幅の広いネクタイ向き |
ウインザーノット | 就活、面接、商談、結婚式 | 結び目が正三角形になる結び方 相手にインパクトを与えたい場合に使用 |
セミウインザーノット | 就活、面接、商談、結婚式 | ウインザーノットより結び目が小さい きちんとした印象を与える |
トリニティノット | 結婚式、パーティー | 結び目が三つに分割されている結び方 無地のネクタイで結ぶと結び目が引き立つ |
クロスノット | 結婚式、パーティー | おしゃれな結び方の中では結び目が小さめ 初心者でもチャレンジしやすい |
エルドリッジノット | 結婚式、パーティー | 編み込んだような結び目が特徴 結び目が大きくなるので薄手のネクタイ向き |
ノンノット | パーティー、レストラン | 結び目が裏返ったような結び方 カジュアルに見える |
ブラインドフォールドノット | 結婚式 | 結び目が見えない結び方 フォーマルシーンで利用される |
シンプルな結び方は慶事(結婚などの祝い事)から弔事(葬式や法事)まで幅広いシーンに活用できますが、おしゃれな結び方は着用できる場が限られているので気を付けましょう。
ネクタイ各部の呼び方について
ネクタイの各部には呼び名があります。結び方は「太い方」や「細い方」ではなく「大剣」や「小剣」などの名称で説明されていることが多いので、ネクタイ各部の名称を覚えておいた方がスムーズに結ぶことができます。
《ネクタイ各部の名称》
- 大剣 ネクタイの太い部分で「ブレイド」「エプロン」と呼ぶこともあります
- 小剣 ネクタイの細い部分で「スモールチップ」と呼ぶこともあります
- ノット ネクタイの結び目のこと
- ディンプル 結び目の下に立体感を出すために作るくぼみ(葬式などの弔事ではNG)
ディンプルは必ず作らなければならないわけではないので、ネクタイの厚さやノットの大きさによって調整してください。
ネクタイを結んだ長さはベルトにかかるくらいが理想
ネクタイは長すぎても短すぎてもだらしない印象になってしまいます。ネクタイを結んだときの最適な長さは、ベルトにかかるくらいです。
上着を着る場合でも、長すぎると裾から出てしまいますし、短すぎると上着の中に納まらず動いているうちにはみ出すかもしれません。
ネクタイは身長によって必要な長さが変わってきます。販売されているネクタイの長さは140~150cmが主流なので、色や柄だけを見て購入すると、身長の高い人には短いことがあります。
背が高い人の場合は色や柄だけでなく長さにも注目してネクタイを選びましょう。
身長 | ネクタイの長さの目安 |
---|---|
165cm | 140〜145cm |
170cm | 145~155cm |
175cm | 155〜165cm |
180cm | 160〜170cm |
ネクタイが身長と比較して長かったり短かったりする場合は、ネクタイの結び方でも長さ調節ができます。長い場合には、結び目が大きくなるデザインを、短い場合は結び目が小さいデザインを選んでください。
初心者でも簡単なネクタイの結び方はプレーンノット
初心者でも結びやすいプレーンノットは手順が少ないので覚えやすい結び方です。ネクタイが長い場合はダブルノットに、逆に短い場合はスモールノットにするとバランスがよくなります。
プレーンノットの結び方
プレーンノットは、普段使いから冠婚葬祭まで使える基本の結び方です。簡単ですが結び目がきれいになるよう1つ1つの工程を丁寧に行いましょう。
大剣を長く、小剣を短くした状態でネクタイを肩にかけてください。
ネクタイの縫い目を目安に交差するという解説もありますが、プレーンノットでは最後に小剣を引っ張ってネクタイを締めるので、結んでいるときよりも長めに小剣が残ります。
おすすめの長さは、ネクタイの縫い目が肩のラインに来る程度です。
身長やネクタイの長さも影響するので、縫い目がどの位置にあればバランスよく結べるか自分でも確認してみてください。
大剣を小剣の表側から巻き付け、ぐるっと1周させます。
このとき、ネクタイがねじれないように右→左と折るようなイメージでネクタイを持って行ってください。
大剣を輪になった部分の裏側から中央に向かって通し、さらに中央にできた輪に上から下に向かって通します。
首の方に通すときはネクタイの裏側が表に見えるのが正しい向きなので、ねじらないよう気を付けましょう。
中央の輪に通したら、結び目が小さくなるまで大剣を下に引っ張ってください。
最後に結び目を整えながら小剣を引っ張り、首のサイズに合わせて引きしぼり完成です。
ダブルノットの結び方
結び目にネクタイを二重に巻くことでプレーンノットより大きな結び目になります。プレーンノットとほぼ同じ手順なので結び目を大きくしたいときにはぜひチャレンジしてみてください。
プレーンノットの時と同様に小剣を短くした状態でネクタイを肩にかけて、大剣をぐるっと1周巻き付けます。
1周し終わったら、さらにもう1周巻き付けます。(ネクタイが二重に巻きついた状態になります)
巻きつけた大剣は、結び目のループがきれいに重なるように整えてください。
大剣を上からループに差し込みます。
このとき、二重になっているループの1枚だけに差し込まないように注意してください。二重になった部分の中央に通しましょう。
小剣を引き、結び目の形を整えて完成です。
スモールノットの結び方
結び目が小さいので、襟が狭いシャツと合わせやすく、プレーンノットよりさらに手順が少ない超簡単な結び方です。プレーンノットやダブルノットと違い、小剣を動かしていきます。
スモールノットはプレーンノットとは違い小剣を動かすので、肩にかけるときも小剣を長く、大剣を短くしてください。
最後に大剣を引っ張り完成させるので、大剣は引っ張る長さを考えベルトより少し上の長さにしておきましょう。
小剣は、半分ねじった状態(裏面を表に見せる)で大剣に巻き付けます。
大剣に巻き付けたら、裏を見せたままで首に巻いたネクタイに差し込んでください。
小剣を輪になった部分の裏側から中央に通します。
少しわかりにくいのですが、大剣の裏に沿わせるようにして首に巻いたネクタイと大剣の間を通してください。
大剣を引っ張り、ネクタイの結び目を引き締めたら完成です。
ネクタイの結び目がきれいな三角になるのはウインザーノット
ネクタイの結び目が正三角形に近い美しい形になるのがウインザーノットです。ウインザーノットで結び目が大きくなるネクタイの場合は、セミウインザーノットにすると結び目の大きさを抑えることができます。
ウインザーノットの結び方
ウインザーノットは工程が多い結び方です。きれいな三角形に仕上げるために、1回ずつ結び目の形を整えながら進んでいきましょう。
プレーンノットと同様に、大剣を長く小剣を短く(縫い目が肩のラインに来る程度)し、小剣と大剣をクロスします。
そのまま大剣を小剣の裏を通し内側に向かって差し込んでください。
大剣を引き、結び目を整えてください。
結び目が整ったら小剣の下を通り反対側に大剣を持っていきます。
首に巻いてあるネクタイに大剣を差し込みます。大剣はねじらず、裏側が表に見えるように通してください。
通した大剣はしっかり引っ張って、左右の結び目が均等になるようにします。
結び目を包むように大剣を反対側に持っていき、首元のネクタイに通し上側に出してください。
小剣を引っ張ってネクタイの長さと形を整えたら完成です。
セミウインザーノットの結び方
ウインザーノットより少し簡単な結び方で結び目も小さめになります。その分、形が整いにくいので最後は締めすぎずゆるみを持たせて左右のバランスを整えてください。
ウインザーノットと同様に大剣を長く小剣を短くします。
大剣を小剣に絡め、首に巻いたネクタイの表側から裏に向かって差し込んでください。
輪に巻きつけた大剣を引っ張り、結び目を整えたら反対に移動させます。
大剣を結び目にかぶせループを作ったら、裏側から引き出した大剣を通します。
小剣を引っ張り、ネクタイの結び目の形を整えて完成です。
上級者向けのおしゃれなネクタイの結び方5選
結婚式やパーティ、祝賀会などのおめでたい場ではネクタイもアレンジで華やかにすることが可能です。おしゃれな結び方やかっこいい結び方は手順が複雑なので中級~上級者向けですが、比較的結びやすいものを紹介します。
トリニティノットの結び方
トリニティノットは3つの結び目が絡み合ったような結び方です。立体的で遊び心を感じさせる形をしています。
小剣を長めに、大剣を短めにして小剣を大剣に巻き付けるようにし首元に差し込んでください。
小剣を下におろし、大剣の後ろを通し反対側に移動します。
移動した小剣を首側から通し下に出してください。
小剣を引っ張り結び目を整え、結び目をおおうようにしながら小剣を反対側に移動させます。
小剣の裏側が表に見えるように、下から首元のネクタイに差し込んみましょう。
結び目の上にできたループは引きしぼらずに小剣を通します。小剣はねじるように入れて後ろに出してください。
後ろから出した小剣をもう一度反対側に移動させループに通します。
大剣を引き、結び目を整えて完成です。
クロスノットの結び方
クロスノットは結び目に斜めのラインが1本入ったデザインです。あまり派手ではないので、控えめながらワンランク上の結び方がしたいという場合にぴったりです。
結び方も簡単なのでぜひチャレンジしてみてください。
大剣を短く小剣を長くし、大剣の上に小剣を重ねます。
最後に大剣を引っ張って整えるので、大剣は完成より少し短め(ベルトのやや上)にしておくといいでしょう。
もう1周小剣を大剣に巻き付けます。
巻きつけ終わったら、結び目になるループがきれいに重なるよう整えてください。
小剣を、首に巻いたネクタイの裏を通して二重になったループの内側(大剣と沿うように)に差し込みます。
このとき、小剣はねじらず小剣の裏側と大剣の裏側が向き合うように入れてください。
大剣を引っ張り、結び目の形を整えたら完成です。
エルドリッジノットの結び方
エルドリッジノットは複雑な結び方なので上級者向けになります。きれいな結び目を作ることは1つ1つしっかり結び目を整えることです。
大剣を短め小剣を長めにして、小剣を大剣に半周巻き付けます。
エルドリッジノットは小剣を何度も巻きつけるため完成時には小剣がかなり短くなりますが、小剣は下には垂らしません。
小剣の長さは気にせず、大剣は完成時より少し短めを目安にしてください。
巻きつけた小剣を首の中央から裏側に通します。
結び目がゆるまないようにしっかり引きしぼってください。
結び目をおおうように小剣を巻き付け、裏側から中央に出します。
中央から出した小剣を下にひき結び目を整えたら、今度はネクタイの裏側を通り反対側に持っていきます。
輪になった部分に小剣を通します。
小剣を通したらしっかり引き絞ってください。
小剣の裏面が表に出るように、ねじりながら首に泣いたネクタイに差し込みしっかり引っ張ります。
反対側のネクタイにも小剣を通します。
このときも裏面が表側に出るようにし、通した小剣は引っ張らずにループに通してください。
小剣を引っ張り、結び目の形を整えます。
余った小剣は首に沿わせて、ネクタイの内側に隠してください。
大剣を引き、ネクタイを整えたら完成です。
ノンノットの結び方
ノンノットは結び目が小さく、ネクタイの結び目が裏返ったようなデザインです。カジュアルなイメージになるので気軽なパーティーや同窓会などの気さくな集まりに適した結び方です。
小剣を長めにして大剣の上に重ねます。大剣はベルトより少し上の長さにしておきましょう。
小剣を大剣に巻き付けたら、首元の輪から出します。
小剣を引いて結び目を小さくしたら、逆側の首元にも小剣を通します。
小剣をやや外側に引っ張り、結び目を引き締めてください。
小剣を大剣の後ろに隠すようにしながら、結び目を整えましょう。
大剣と小剣、どちらも適度に引っ張り左右のバランスを見ながら結び目の大きさを調整してください。
ブラインドフォールドノットの結び方
ブラインドフォールドノットは結び目を隠したデザインです。結婚式などのフォーマルな場に適していて、プレーンノットを結んだあと結び目を隠すだけなので簡単に結ぶことができます。
ブラインドフォールドノットは、プレーンノットの結び目を隠したスタイルなので、最初にプレーンノットを結んでください。
首元がゆるんでいるとブラインドフォールドノットを結んだときにだらしなくなってしまうので、しっかり結びます。
プレーンノットが完成したら大剣と小剣を一緒に結び目の裏から表へ差し込んでください。
差し込むときは首元がゆるまないように気を付けましょう。
結び目をおおった部分がまっすぐになるように整えます。
裏から小剣や大剣を少しずつ引っ張ると首元を締めることができますが、引っ張りすぎるとしわになってしまうので気を付けてください。
ネクタイの結び方に関するQ&A
- ネクタイの名称でノットというのはどこのことですか?
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「ノット」というのはネクタイの結び目のことです。英語の「knot(ノット)」は結び目や結ぶという意味があります。
- ネクタイの結び方で人気があるのはどれ?
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初心者でも結びやすく場面を問わずに使えるプレーンノットや形の整ったウインザーノットが人気です。
ネクタイの結び方を覚えて使い分けよう!
ネクタイの結び方には多くの種類がりますが、ビジネスシーンや就活ではシンプルなデザインの方が相手に好印象を与えることができます。
結婚式やパーティーなどのお祝いの場ではおしゃれな結び方をすると華やかな雰囲気を出すことができます。逆に葬儀(葬式)ではシンプルなプレーンノットやスモールノットなど結び目が控えなものを選びましょう。
- ネクタイの長さはベルトにかかる程度
- 初心者はプレーンノットから練習していく
- おしゃれな結び方の中でクロスノットが簡単
ネクタイは色や柄だけでなく、結び方でも個性を表現することができます。
おしゃれでかっこいい結び方やは他の人と差をつけた着こなしに役立ちますが、難しい結び方ができないから格が下がるというわけではありません。
単純な結び方でも結び目が美しければ一目置かれるので、まずは丁寧に結ぶことを心がけましょう。
ネクタイの着こなしについては≫ネクタイの使い方についてで詳しく紹介しておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。