- ブラックスーツとダークスーツの違いや定義をちゃんと知りたい!
- ブラックスーツはビジネスで着用しても変じゃない?
- ブラックスーツやダークスーツの購入で気を付けるべき点を教えて!
ブラックスーツやダークスーツに憧れを抱く人は多いですが、両者の違いや定義をちゃんと知っている人は意外に少ないものです。
重厚で大人の雰囲気が漂うブラックスーツやダークスーツは、着用シーンやマナーを事前に知っておかないと思わぬ恥をかいてしまうことも。
この記事ではブラックスーツとダークスーツの違いから、購入前に知っておきたい着用シーンごとの注意点やマナーを詳しく解説しています。
既にブラックスーツやダークスーツを持っている方も、新しく新調しようと検討している方も、この機会に正しいマナーと着用の基礎を知って着こなしに役立ててみてくださいね!
ブラックスーツとダークスーツの違いを知っておこう!
まず、最初に知っておきたいのが「ブラックスーツ」と「ダークスーツ」の明確な違いと定義です。
どこまでがブラックスーツで、どこからがダークスーツなのか。
その線引きが曖昧で、混同していたり間違えて覚えてしまっている人は意外に多いので、この機会に是非とも覚えておきましょう。
ブラックスーツは「礼服」を意味しているのが一般的
ブラックスーツとは葬儀や結婚式で着用する「礼服」を意味する言葉として使われるのが一般的です。
ちなみに礼服を表す場合は、ブラックフォーマルスーツが正式な呼び方となっています。
ただし無地で黒のスーツを総称してブラックスーツと呼ぶこともあるため、厳密に言うと礼服だけを指し示す言葉ではありません。
ブラックスーツと呼ばれるスーツには以下の2種類が存在します。
- 冠婚葬祭で着用することを想定した礼服(一般的なイメージ:強)
- ビジネスシーンでの着用を想定した黒いスーツ(一般的なイメージ:弱)
同じ黒のスーツでも、礼服としてのブラックスーツとビジネス用のブラックスーツは似て非なるものなので注意しましょう。
具体的に礼服とビジネス用のブラックスーツを比較して異なる部分をまとめると
色の違い | 光沢の違い | 見た目の違い | |
礼服としてのブラックスーツ | 漆黒(墨黒) | 艶消し(光沢は無い) | 品質が良くゆったりしている |
ビジネス用のブラックスーツ | バリエーションのある黒 | 光沢あり | 豊富なバリエーション |
上記のように、礼服とビジネス用では同じブラックスーツでも「色あい」や「フォルム」が異なります。
そのため、購入するときや着用時にはどちらのスーツなのかをよく確認してシーンに適したブラックスーツかどうかを確認することが大切です。
ダークスーツは「暗めの色」のビジネス用スーツの総称
ダークスーツの定義とは【暗めの色(濃紺や黒、ダークグレーなど)のスーツ全般】となります。
前述で解説したブラックスーツが一般的に「礼服」を意味する理由もここにあり
- ブラックスーツ(正式にはブラックフォーマルスーツ)は礼服
- ダークスーツ(黒のスーツを含む暗めの色で作られたビジネス用スーツ)
上記のように、ビジネス用で暗い色のスーツは黒も含めてダークスーツと表すのが一般的です。(黒のビジネス用スーツはダークスーツの一種として扱われる)
黒以外にもダークスーツに分類される色の範囲は広く
- ダークネイビー(濃紺)
- ダークグレー
- チャコールグレー
- etc・・・
上記のようにグレーやネイビーを基本色とした暗めの色合いのスーツもダークスーツと呼称されます。
判断が難しいのが「ダークブラウン」や「ダークグリーン」など、本来は明るい色合いのトーンを落として暗い色になっているスーツです。
店舗やファッション雑誌など、見解や解釈の違いによってはダークスーツとして紹介される場合もありますが、カジュアル感の強さからこれらの色はダークスーツには含まないという意見も存在します。
厳密にダークスーツの範囲を決定づけるルールは定まっていないため、基本的には「暗めの色ならダークスーツ」という認識でも問題は無いといえるでしょう。
ブラックスーツはビジネスでも”兼用”できるのか
ブラックスーツを「礼服」としてだけでなく、「ビジネス用」としても兼用したいと考える人は少なくありません。
結論から言うと、ビジネスシーンでブラックスーツは兼用しない方が良いと考えた方が無難です。
ブラックフォーマルスーツ(礼服)をビジネスシーンで着用するのはNG
ブラックスーツには2種類のスーツを意味することから、兼用には下記2つのパターンが考えられます。
- 礼服をビジネスシーンで着用するケース
- ビジネス用の黒スーツを葬儀や結婚式で着用するケース
まずは礼服を普段使いのビジネススーツとして兼用できるかどうかについてですが、詳しく解説するまでもなく「辞めた方がいい」ことは何となく想像がつくのではないでしょうか。
先に触れた通り、礼服としてのブラックスーツはゆったりとしたフォルムであることが多く、その色合いも「真っ黒」なので着用しているとビジネス用ではないことが一目瞭然です。
葬儀をイメージさせる礼服をビジネスシーンで着ることに忌避感を覚える人は多く、社会人としての常識を疑われてしまう恐れがありますので兼用はしないようにしましょう。
ブラックスーツ(ビジネス用)は冠婚葬祭で兼用できるのか
それでは、ビジネス用の黒スーツを葬儀や結婚式で兼用するケースはどうでしょうか。
これも結論から言うと
- 一般弔問客でお通夜に出席するときは着用OK
- 葬儀や告別式で喪服代わりに着用するのはおすすめしない
- 結婚式なら兼用しても問題は無い
ブラックフォーマルスーツ(礼服)とは異なり、ビジネス用の黒スーツは冠婚葬祭の礼服代わりとして兼用することは可能です。
お通夜の場合なら、ビジネス用の黒スーツを喪服代わりに着用してもマナー的にも問題はありません。
ただしお葬式や告別式では、準喪服(いわゆる喪服)の着用がマナーとなっていますので、黒いからバレないだろうとビジネス用のスーツを着るのはおすすめできません。
遺族や周囲の人から”失礼”だと思われる恐れもあるので、喪服としての兼用はあくまでもお通夜までと考えて礼服は別途準備しておくようにしましょう。
結婚式の場合は、ビジネス用の黒スーツを兼用しても失礼やマナー違反だと思われることはありません。
しかし結婚式とは華やかなお祝い事なので、真っ黒なスーツで出席するならポケットチーフなどの小物を上手に活用して、少しでも華やかな雰囲気で祝福の気持ちを表現した方が喜ばれます。
ポケットチーフについては、過去記事で折り方や挿し方などを詳しく解説していますので、合わせて目を通してみてくださいね。
ダークスーツは結婚式や葬儀に”兼用”できるのか
続いては、ビジネスシーンでの着用を目的として仕立てるダークスーツを礼服代わりとして兼用できるかどうかについて解説していきましょう。
結論から言うと
- お通夜ならダークスーツで出席してもマナー違反にはならない
- ダークスーツで葬儀に出席するのはNG
- 結婚式での兼用はOK
ダークスーツの場合は「兼用できる・できない」の判断は明確で、葬儀や告別式はダメでお通夜や結婚式なら兼用可能となっています。
お通夜の場合は、急な訃報で礼服が準備できない弔問客への配慮として略喪服(ネクタイや靴だけは黒で統一)でもマナー違反とはなりませんので、ダークスーツで行ったとしても失礼にはなりません。
しかし葬儀や告別式に、黒以外のダークスーツで出席するのは完全にマナー違反となりますのでNGです。
逆に結婚式なら、ダークスーツで出席しても全く問題ありません。
ダークスーツを喪服として着る、ブラックスーツで結婚式に出席するなど、冠婚葬祭に関連する着用マナーや注意点については別記事にてさらに詳しくケースごとに解説していますので、気になる方は合わせて目を通してみてください。
ブラックスーツやダークスーツを購入するときのポイント!
ブラックスーツやダークスーツを購入するときは、以下のポイントを意識すると失敗が少なくなります。
- 冠婚葬祭とビジネス用で”兼用”する予定の有無
- 年齢や職場環境など
購入前に「着用シーンや目的を明確にする」ことを意識して、具体的にどんなスーツを仕立てるのかを明確にしましょう。
兼用を意識したブラックスーツの選び方
ブラックスーツを礼服として兼用することを前提に選ぶ場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- 無地のスーツにする
- スーツ生地は天然素材100%を選ぶ(化学繊維を避ける)
- 濃い黒を選ぶ(色の濃淡はバランスが重要)
- スーツのフォルムは普段使いを優先したライン選び
まず、礼服として兼用することを想定するなら無地の黒でスーツを仕立てる必要があります。
スーツを仕立てるときの生地は、不自然なテカりを防ぐために化学繊維を避けてウール100%など天然素材を選ぶのがおすすめです。
色の濃さはなるべく深みのある黒が良いですが、比重としては普段使いに重きを置いて不自然にならない色合いを選ぶのがベター。
同じ理由で、スーツラインは礼服のようにゆったりした着心地ではなく、普段使いを優先して自分にフィットするサイズ感で仕立てた方が良いでしょう。
礼服としても使える色合いのブラックスーツを、ビジネスシーンでも違和感なく着こなすためにはコーディネートで少し工夫が必要になります。
ビジネスシーンにおいて、清潔感を感じさせる白のYシャツにスーツを合わせるのは普通ですが、ブラックスーツを着用するときは”礼服っぽさ”が強まるので避けるべきです。
ブラックスーツの着こなしや、喪服っぽさを払拭するためのコーデやテクニックについては別記事にて詳しく解説していますので、かっこよくブラックスーツを着用したい方は是非とも目を通してみてくださいね!
ダークスーツで兼用を意識するのは結婚式だけでOK
ブラックスーツとは違い、ダークスーツの場合は兼用を意識するのは結婚式だけになります。
基本的には普通のスーツ選びで問題ありませんが、結婚式に出席するときにも兼用することを想定するなら「華やかさ」と「重厚さ」を兼ね備えたダークスーツを仕立てましょう。
ブラックスーツ同様、仕立てる生地は天然素材がおすすめ。
スーツの色や柄は自分の好みを優先して問題ありませんが、華やかな場での着用も想定するのであればストライプなどの柄物に挑戦してみても良いかもしれません。
年齢や職場環境も加味して選びたい
ブラックスーツやダークスーツは、基本的に「重厚な印象」や「落ち着いた印象」を周囲に与えます。
若い世代には着こなしが難しく、どちらかといえば30代後半以降など落ち着いた世代におすすめなスーツだといえるでしょう。
また、自分が働く会社の業種や職場環境によっては購入や着用を控えた方が良いケースもあります。
冒頭でも触れたように黒いスーツを普段使いすることに忌避感を覚える人は多く、業種によっては暗い印象を与えるスーツを良しとしないこともあるでしょう。
着こなすことができればカッコいいブラックスーツ(ダークスーツ)ですが、周囲や会社から白い目で見られるリスクがあるなら無難な色合いや世代に合ったスーツを仕立てることをおすすめします。
年代に合ったスーツや兼用を想定したブラックスーツを新調するなら、既製品を購入するよりも色や生地などを細かく指定できるオーダーメイドの方が良いと言えます。
オーダースーツのおすすめ店舗や、年代を意識したスーツの作り方などを過去記事で詳しく解説していますので、この機会にオーダーメイドでスーツを仕立ててみようかなという方は、是非とも目を通してみてください。
目的意識を持って自分に最適なブラックスーツ(ダークスーツ)を選ぼう!
ブラックスーツやダークスーツはその色合いから冠婚葬祭での兼用を考えがちですが、礼服とビジネス用スーツは個別に準備するようにしましょう。
- ブラックスーツとは一般的に「礼服」を意味する
- ダークスーツとは黒を含む暗い色合いのビジネス用スーツ全般を意味する
- 礼服をビジネスシーンで着用するのは避けた方が無難
- 黒のビジネススーツを礼服代わりにするのもオススメはできない
- 結婚式なら兼用しても問題ない
- どうしても兼用したいときはスーツの選び方と着こなしでカバーしよう!
華やかな結婚式にも着用できて、普段使いのビジネススーツとしても兼用できる上質なダークスーツを仕立てるならオーダーメイドがおすすめです!
オーダーメイドなら天然素材の生地を選べるのはもちろんのこと、色合いや着丈などを細かく調整できるので兼用を想定したスーツ作りでも満足できるはずです。
高級スーツブランド「ゼニア」のダークスーツやブラックスーツを検討している方なら、ゼニア公認店舗の当店「GINZA SAKAEYA」を是非ともご検討してみてください。
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