- スーツのボタンの付け方なんて知らないのに取れてしまった!商談前なのにどうしよう
- スーツのボタンの付け方はどうしたらいい?
- スーツを好みのボタンに変えてみたいけどどこで売ってるの?
外でふと気づくとボタンが取れていたり、糸が取れかけていて困ったという経験をしている方はとても多いことでしょう。
体の前面や袖とボタンは目立つ位置についているため、1つでも割れたり外れてしまうと見栄えが悪くなり、スーツのボタンマナーを気にする以前にだらしない印象になってしまいます。
そこで今回は突然取れてもすぐにボタンが付けられる方法について紹介いたします。
スーツのボタンはコンビニなどで売っている携帯用ソーイングセットでも付けられるほど簡単です。
また日々のチェックをすることにより、外でボタンが取れてしまうといったアクシデントを防ぐことができます。
画像つきで詳しく解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
スーツのボタンを付けるには携帯用ソーイングセットで十分
スーツのボタンが割れたり取れてしまった場合、実は簡単に直すことができます。
店に持ち込んで補修してもらうよりも素早く直すことができますので、ぜひ方法を覚えてみてください。
必要な道具は裁縫道具を売っている専門店ならば必要なものがすべて揃いますが、なかなか買いに行く機会がないですよね。
ボタンの補修程度ならばコンビニでも売っている携帯用のソーイングセットを購入するのがおすすめです。
コンビニならばどこにでも店舗がありますし、外で急に必要になった時に購入でき、なにより針や糸、糸通し、ハサミなど一通りのものが揃っているのでとても便利です。
もしものときに備えて、予備のボタンと一緒にカバンやスーツのポケットに忍ばせておいてはいかがでしょうか。
スーツのボタン縫い方のポイント
ボタンをスーツに縫い付けるのはそんなに難しいことではありません。手順がわかってしまえばその通りに針を動かせば誰にでも付けることができます。
具体的に縫う手順とポイントを見ていきましょう。
まず他のボタンを確認して、穴の数と縫い方を確認します。
糸がクロスして縫われているか、並行に縫われているかのどちらかですので、同じように縫い付けていきます。
ボタンを付けるときに使用する糸は同系色の手縫い糸を
ボタンを縫い付けるのに使う糸は、目立たないようにボタンや生地と同じか、または似た色を使いましょう。
そして手縫い用の糸、特に「ボタン付け糸」を使用するとしっかりボタンを付けることができます。
ボタンは留めたり外したりと一番いじることが多い場所のため、上記のような耐久力のある糸を使うのがおすすめです。
複数の色の糸が少量ずつ巻き付けられているものがネットショップで安価に売られていますので、もしもの時に備える場合はこちらを用意しておくと便利です。
「家にミシン糸ならあるんだけど」という方もいらっしゃると思いますが、ミシン糸は手縫い用やボタン付け糸よりも細いため、せっかくつけても再び取れてしまう可能性が高くなります。
それしかない場合には仕方ないですが、極力使わないほうがいいでしょう。
布とボタンを縫い付ける
それでは針に糸を通してボタンを縫い付けていきます。今回は目立つように白糸を使って縫います。
糸を通したら、その端を玉結びして留めましょう。
今回のスーツは並列に縫われているボタンをつけるので、同じように縫います。
まずは針を裏地まで遠し、すくうようにして表に糸を出します。
ボタンの穴に針を下から通し、今回は横の穴に針を通します。そして表の布をすくうようにして縫います。
通した針はまた最初の穴に下から通し、もう一度同じように縫います。
このとき、布を縫う位置はできるだけ近づけておくと仕上がりが綺麗になります。
そしてボタンと布を密着させるのではなく、5ミリほどゆとりを持たせましょう。これがボタンホールを通すための足になります。
これで片方の2つの穴を縫い終わったので、もう片方の2つのボタン穴も同じように2度縫います。
すべての穴を縫い終わった状態が下の右側の画像です。
5ミリほどゆとりを持たせた部分に糸をグルグルと巻き付けます。ひとつの太い糸のような状態になるようにしっかりと巻き付けましょう。
その後、太い糸の塊に垂直に針を通します。その後、針を出した場所から90度ずらしてもう一度針を刺します。
そうすることにより強度が増します。
最後に太い糸の束の近くから裏地に針を通すと、玉止めをして糸を切ります。
玉止めの仕方は、針に糸を2巻きし指でその部分を抑えてから針を抜き取ります。そうすると小さな玉状になり、糸がほどけなくなります。
下がボタンを付け終わった状態です。筆者は裁縫が苦手ですが、そんな私でも10分ほどでボタンを付けることができました。
ボタンが取れそうなときは付け替えを
スーツを脱いだ後はブラシでホコリを払ったり、日々のお手入れは欠かせません。特にゼニアなどの高級スーツではお手入れが必須です。
そんなときに取れそうなボタンをみつけたら、できるだけすぐに付け替えてしまいましょう。
そのままにしておくと、いつ取れてしまうかわかりませんし、外で取れてしまった場合は元のボタンをなくしてしまう可能性がとても高くなってしまいます。
予備のボタンがあればまだ安心ですが、それもなかった場合には新しくつけたボタンが他のボタンとちぐはぐな印象になってしまったり、すべて付け替えなければならなくなるかもしれません。
外で慌てて応急的に付けるよりも、落ち着いて付け替える方が安心して過ごすことができますので、こまめにボタンもチェックをして不安要素をなくすのがおすすめです。
スーツのボタンが割れてしまったら予備ボタンで付け替え
スーツを購入するとポケットに入っている予備のボタンは、小さなパーツですのでつい無くしてしまいがちですよね。
必要ないだろうと思って捨ててしまうこともあるかもしれません。
しかし予備のボタンはもしもの時に大事なパーツです。ソーイングセットの中に入れておくなど、いざというときに備えてちゃんと保管しておきましょう。
そうすれば、たとえばボタンが割れてしまった時などすぐに対応することが可能です。
それでも予備でついているボタンはたいてい1~2つです。
場合によっては好みのボタンにすべて変えるつもりで別途購入してしまうのもひとつの方法です。
ではスーツのボタンはどこで売っているのでしょうか。次の章で詳しく紹介いたします。
スーツのボタンは通販で売っているものもある(ブランドボタンを除く)
スーツ用のボタンがどこで売っているのか調べてみました。
当然ながら手芸用品店で販売されていますが、現在はネット上でも気軽に多種多様なボタンを購入することが可能です。
既製品ではもっとも一般的なプラスチック製のボタンはもちろん、さまざまな素材で作られたボタンが販売されていますので、主なものを紹介しましょう。
- ホーンボタン
主に本水牛の角から作られたボタンで、丈夫で割れにくく長い期間を経ても変色しにくいのが特徴で、高級スーツ用ボタンの代名詞となっています。
染色ができないため、ベージュ、茶系、黒系の色味で、模様も素材の特徴を生かして1つとして同じものがないところが面白味のあるところではないでしょうか。
- ナットボタン
タグワ椰子という実を加工したボタンです。本来の色は白色で象牙に似ていることから「アイボリーナット」と呼ばれることもあります。
染色が可能なため、多くの場合は後付けで着色をしており、長く使用していると茶色がかった独特の風合いが生まれるため、高級なボタンとして扱われています。
濃い色が付けられているものは濡れたままにしておくと、スーツに色移りしてしまうこともあるため、お手入れには注意しましょう。
- シェルボタン
主に真珠母貝や高瀬貝といった貝の殻を加工したもので、耐久性には少々劣るものの、独特の透明感や光沢が美しいボタンです。
上品でさわやかさを感じられるボタンはサマースーツなどに使用されることがあります。
- プラスチックボタン
プラスチックボタンは色味や種類が豊富で丈夫なのが特徴です。
ホーンボタン、ナットボタン、シェルボタンなど他のボタンに似せたものを作ることができ、現在ではスーツで使用されるボタンの主力となっています。
ほとんどの既製品で使用されていますが、中には生地に合わせてボタンを目立たなくさせることができるという理由から、高級なオーダースーツであっても、あえて採用されることもあります。
- メタルボタン
真鍮などの金属を加工して作られており、ブレザーや学生服、軍服などの制服に使われることの多いボタンです。
ボタンの穴は表にはなく、裏に1つ足となる突起が付けられています。
ボタン表面には紋章や個人のエンブレムなどのデザインを入れることが可能です。ブランドのマークが入っていることもあります。
その他にもエルメネジルド・ゼニア等のブランドボタンがありますが、それらのボタンを入手したい場合にはゼニアオーダーの専門店にお問い合わせください。
ズボンもボタンの付け方はスーツジャケットと同じ
スーツのズボンもジャケットと同じボタンの付け方をします。位置に印をつけて、ボタン穴からずれないようにしてつけましょう。
ボタンサイズがジャケットとは異なる場合がありますので、両方の予備ボタンと同時に用意しておくと安心ですね。
ウェストのサイズが合わなくなってしまったなど、スーツの直しが必要な状況になった場合は、オーダーしたテーラーやお直しの店に持ち込んで補修を行い、あわせてボタンも直してもらいましょう。
ボタンだけを付けなおすのとは異なりさまざまな調整が必要なため、プロに任せた方が綺麗に仕上がります。
ボタンも日々のスーツメンテナンスでチェックを
この記事ではスーツのボタンの付け方について、使用する糸や縫い方を含めて詳しく解説しました。
またスーツで使用されるボタンの種類についても紹介いたしました。
スーツのボタンは一度付け方を覚えてしまえば、簡単に補修や付け替えをすることができるようになります。
そしてスーツを脱いだ時の手入れと同時にボタンの付き具合も確認できれば、取れてしまってから慌てることもなくなりますので、こまめにチェックするようにしましょう。
- スーツのボタンが突然取れた時に備えて携帯用のソーイングセットを常備しよう
- ボタンを付けるときの糸は手縫い用、ボタン付け用の糸を使用する
- 日々のスーツメンテナンスでボタンもチェックし、緩んでいたら付け替える
スーツのボタンは数少ないおしゃれが楽しめる装飾品です。
予備のボタンだけではなく、お気に入りのボタンを探して付け替え、スーツスタイルを楽しんでみてください。