- 側章とは一体なに?役割や意味などを知りたい!
- 側章に関する服装マナーなどを知っておきたい!
- 側章は後付けできる?付けなければならない着用シーンとは?
結婚式や式典など、”正装”で出席することが求められる場ではタキシードや燕尾服などを着用しますが、スラックスの側面に1本または2本のラインが入っているのはご存知でしょうか。
タキシードや燕尾服のスラックスに入っているラインが側章(がわしょう)で、英語ではSideStripe(サイドストライプ)とも呼ばれます。
今回は、側章の基本や歴史から気になる疑問までを解説します。
日常生活ではほとんど気にかける機会がない側章ですが、正装をする機会に恵まれたときに向けてこの機会にマナーや意味を知っておきましょう!
側章の由来と役割について
そもそも側章はなぜ付けるようになったのでしょうか。
まずは側章の由来と、その役割から解説します。
側章が誕生したのは18世紀~19世紀ごろ
ズボンの側面にライン状の側章を付けるようになったきっかけは、かの有名なナポレオンが軍服のデザインに採用したことが始まりと言われています。
18世紀末~19世紀にかけて活躍したナポレオンはスーツのデザインに大きな影響を与えたことでも有名です。
側章はナポレオンが兵科を見分けやすくするために色分けしたのが始まり。
ちなみにスーツの袖についているボタンも、その発祥はナポレオンだったと言われています。
ロシアへ攻め入ったときに、鼻水を袖で拭いてしまう兵士が続出したことで、ナポレオンが袖で拭けないように付けたのが始まりだとか。
本来は、兵種を見分けるための”目印”にすぎなかった側章ですが、時代とともにその役割や意味合いが変化していきます。
側章は”縫い目を隠す”という新たな役割を持つように
軍服からスーツへと変化すると共に、側章の役割や意味も大きく変わっていきます。
貴族階層を中心に、19世紀はじめごろから夜の礼装として燕尾服、昼の礼装としてモーニングを着用する文化が生まれます。
同時に正装における服装マナーなども確立され、メンズの場合は”スラックスの縫い目(ステッチ)を隠す”のがエレガントで美しいとされ、側章は兵科を表す目印から見た目を美しくするための装飾へとその役割が変化したのです。
縫い目が見えていると失礼になったり、恥ずかしいという感覚は現代人からすればピンと来ない部分もありますよね。
当時は縫製技術なども現代に比べて洗練されていなかったので、パンツの縫い目が荒く目立っていたり、ほつれたりすることが多かったなどの理由から、正装のパンツは縫い目を側章で隠すという文化が生まれたのかもしれません。
側章の種類とマナーについて
続いては、側章のライン本数の違いやマナーについて解説します。
側章のラインには1本と2本の2種類がある
正装のスラックスには、側章が1本のパンツと2本のパンツの2種類が存在します。
正式な装いである燕尾服などは、確実に縫い目を隠すという理由から側章部分が幅広でラインも2本と多くなっているのが一般的です。
同じ正装でもタキシードの場合は、ややリラックスした服装ということもあり側章は1本と控えめになります。
着用する機会が比較的多いタキシードの基本的なマナーや着こなしについては、過去記事にて詳しく解説していますのでこの機会にぜひ目を通して覚えておくと良いかもしれません。
側章の本数にこだわっているのは日本だけ?
燕尾服やタキシードに側章が付いている理由は、前述の通り「縫い目を隠してエレガントな見た目にする」ためです。
そのため側章が1本であってもしっかり縫い目が隠れていれば問題はなく、実際に国際マナーとしては側章の本数は不問とされています。
実はタキシードは側章が1本、燕尾服なら2本という考え方は日本特有の考え方で、国際的な式典などに出席するときは本数をそこまで気にする必要はありません。
逆に、国内の場合ならドレスコードが正礼装か準礼装かによって側章の本数を意識した方が無難です。
燕尾服はいつ着るのか?フォーマルウェアの基本ルールやマナーを詳しく知りたい方は、過去記事で解説していますのでぜひ参考に役立ててみてください。
側章は後付けできるのかなど気になる疑問や質問まとめ
側章が付いた服(燕尾服やタキシード)を着用する機会は、普通に生活をしている分にはほとんど無いと言えるでしょう。
身近では無いだけに、いざ側章が必要な場に出席するとなると不安や疑問が沸き上がってしまうかもしれません。
側章にまつわる気になる疑問や質問を回答と共にまとめて紹介するのでこの機会にチェックしておきましょう!
- 手持ちのスーツに側章を後付けしても良いのでしょうか?
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燕尾服を着用する場に出席する機会がある人はほとんど居ないと思いますが、タキシードのような準正装での出席が求められる機会は意外に多くあります。
わざわざタキシードを新調するのは・・・と考えて手持ちのパンツに側章を後付けして代用することは可能ですが、おすすめはしません。
おすすめしない理由は以下の通りです。
- セミフォーマル(準礼装)のタキシードと一般的なスーツは別物
- 略式装なら側章が無くても失礼にはあたらない
- 貸衣装などレンタルする方法もあるため
自分が出席する場のドレスコードがホワイトタイ(White Tie)なら燕尾服を準備する必要があり、ブラックタイ(Black Tie)ならタキシードの着用となるため、手持ちのスラックスに側章を付けても上着を準備しなければならず、チグハグなコーデになってしまいます。
手持ちのスーツでも出席できる略礼装がドレスコードになっている場合なら、そもそも側章を付ける必要がありません。
格式の高い式典などに出席する機会は稀で、その日限りということを考えればレンタルなどで済ませた方が楽ですし、頻繁に出席する可能性があるならスーツとは別にお仕立てすることをおすすめします。
燕尾服とタキシード、モーニングの違いなど礼装について詳しく解説した記事がありますので、出席する場のドレスコードに適した服装選びが不安な方は参考に役立ててください。
- タキシード(または燕尾服)を新調しようと思うのですが側章は入れた方が良いですか?
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タキシードや燕尾服を新調する場合は、側章の有無で仕立て料が変わります。
側章無しの方が安く済むこともあり悩む人もいるようですが、着用シーンを考えれば入れておいた方が無難だといえるでしょう。
- 側章が目立つと気恥ずかしいのですが、地味で目立たない側章でも良いのでしょうか?
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タキシードや燕尾服に抵抗を感じる人は多いかもしれません。
側章をあえて目立たない色合いにしたり細くすること自体は可能ですが、実は側章には縫い目を隠すという本来の役割とは別に「足が長く見える」という副次的な効果もあります。
せっかく正装に身を包むのであれば、側章がしっかりと視認できるものにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
側章は格式高い礼装の証!出席する場に合わせてしっかり選ぼう
側章は格式高い礼装であることを証明する上で、タキシードや燕尾服には欠かせない装飾の1つです。
燕尾服の側章は2本という考え方は国内だけですが、国際的な服装マナーでも本数は任意(2本が失礼になる訳では無い)なので、単純にタキシードは1本で燕尾服は2本と覚えておけば間違いありません。
- 側章の役割はパンツの縫い目を隠してエレガントな見た目にすること
- 現代では格式高い服装を証明する装飾という意味合いが強い
- 側章にはスタイルがよく見えるという副次的な効果もある
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