- カフスボタンは持っているけど使い方がよく判らない
- カフスボタンを付けるのはマナー的にどうなのか不安がある
- カフスボタンの種類や付け方を詳しく知りたい!
カフスボタンは、Yシャツの袖を留めるボタンでスーツをおしゃれに着こなすためのアイテムとして人気があります。
しかし、実際にはカフスボタンは持っているけど使ったことがない人や使いたいけどマナー的に大丈夫か不安だという人が多いのではないでしょうか。
せっかくカフスボタンを持っているのに使わないのは勿体ないです!
そこで、この記事ではカフスボタンを上手にスーツスタイルへ組み込むために役立つ情報を詳しく紹介します。
ぜひこの機会に、カフスボタンを活用したおしゃれな着こなしに挑戦してみましょう。
カフスボタンの由来と役割について
まずはカフスボタンの歴史とその役割について簡単に解説します。
日本では”カフスボタン”や”カフス”という呼び方が一般的ですが、正式には”カフリンク”(cufflink)で袖が2つということから複数形の”カフリンクス”(cufflinks)と呼称する場合もあります。
国内ならカフスボタンで通用しますが、和製英語なので海外では通じません。
海外旅行や海外のネットショップを利用する際は、正式名称の「カフリンク(ス)」を使うようにしましょう。
カフスボタンが初めて登場したのは17世紀のフランス社交界
カフスボタンの歴史は古く、1840年ごろにフランスの社交界で袖をエレガントにあしらう装飾品として登場したのがはじまりと言われています。
17世紀ごろのフランスといえば、芸術や美術が擁護され貴族の宮廷文化もエレガントさを追求した時代でした。
服の装飾にもこだわりを持つ貴族が多かったこともあり、袖口にも美しいアクセントをとボタンを金属製のチェーンで繋いで取りつけたのがカフスボタンの起源です。
カフスボタンの役割と付け方
元々は貴族たちが社交界で袖口を華やかに演出するために誕生したカフスボタンですが、現代でもその役割は変わっていません。
カフスボタンの役割は現代でも”袖を飾る装飾品”に過ぎませんが、スーツスタイルでアクセントや個性を出したい方にはおすすめのおしゃれアイテムです。
カフスボタンの取り付け方ですが、付け慣れていないと間違いやすいのでこの機会にぜひ覚えておきましょう。
通常の袖ボタンと同じように、袖を重ねた状態でカフスボタンを付けるのは間違いとなります。
カフスボタンを取りつけるときは、袖口は【巻かずにボタンホール同士を重ねる】ようにするのが正解です。
ボタンホール(ボタン穴)同士を合わせた状態で袖を重ね、カフスボタンの装飾部分が手の甲側になるように付けるのが正しい付け方となります。
せっかくのカフスボタンも付け方が間違っていては台無しなので気を付けましょう。
また、カフスボタンは全てのシャツに取り付けられる訳ではありません。
カフスボタンを使うときはシャツの種類に要注意!
カフスボタンには種類が色々ありますが、その構造上「ボタンホールが2つ付いている袖」にしか取りつけることができません。
まずは自分が持っているシャツの袖を確認して、カフスボタンが付けられるかどうかをチェックしてみましょう。
カフスボタンが付けられるシャツ
前述の通り、カフスボタンが付けられるかどうかはボタンホールが2つあるかどうか?をチェックすれば簡単に見極めることができます。
カフスボタンが付けられるシャツの袖部分には以下のようなタイプがあります。
コンバーチブルカフスタイプの袖口
コンバーチブルカフスとは、普通にボタンで袖を留めることができる上に、ボタンホールも両側に付いていてカフスボタンにも対応している袖口です。
最も一般的で普通に見かけるタイプの袖口なので、普段から使っているYシャツの袖が実はコンバーチブルカフスだったという人も多いかもしれません。
詳しくは後述しますが、汎用性が高くボタン留めとボタンカフスのどちらにも対応できる反面、カフスボタンのデザインや種類によってはボタンが邪魔になってしまうこともあります。
袖にボタンが2つ付いていて(ボタンが1つしか無くてもボタン側に穴があればOK)、その間にボタンホールがあればコンバーチブルカフスです。
ダブルカフス(フレンチカフス)タイプの袖口
袖口を折り返して厚みを持たせるタイプはダブルカフスやフレンチカフスと呼ばれます。
ボタンがついていないためカフスボタンで袖を留めることが前提となっていて、結婚式用や式典用など普段着というよりは晴れ着に多くみられる袖口のタイプです。
袖自体に重厚感や存在感があるため華やかな場で映える袖口ですが、図の通り折り重ねた4つのボタンホールを通す必要があるので、慣れていないとカフスボタンが付けにくいと感じるかもしれません。
テニスカフスタイプの袖口
ダブルカフスと同じように、ボタンカフス専用の袖口でボタンが付いていません。
ボタンが無く袖に折り返しもないテニスカフスタイプは、カフスボタンを付けるときの袖口としてはもっとも正式なタイプと言われていますが、現在ではほとんど使われていないデザインでもあります。
カフスボタンが付けられないシャツ
一般的なYシャツの袖は、1つのボタンを1つのボタンホールで留めるシングルカフスが採用されています。
カフスボタンの取りつけにはボタンホールが2つ必要なので、袖の片側にしか穴が開いていないタイプのシャツは基本的にカフスボタンが付けられないシャツとなります。
カフスボタンの種類を知っておこう!
装飾品としてカフスボタンを上手に活用する準備が整ったら、いよいよカフスボタンを選んでいきましょう。
カフスボタンにはいくつかの種類があり、それぞれ取り付け方や特徴が異なります。
主流はスウィヴル式のカフスボタン
カフスボタンを購入する場合、もっとも多く見かけるタイプがスウィヴル式と呼ばれる種類です。
可動式の留め具はボタンホールを通しやすく、T字型にすれば簡単に袖口を留めることができるため、初心者にも扱いやすいカフスボタンといえるでしょう。
スウィブル式のカフスボタンを付けるときは、装飾が周囲から見えるように注意しましょう。
手の甲側からカフスボタンを差し込んで留めるのがスウィヴル式カフスの正しい付け方です。(逆に付けてしまうとせっかくの装飾が内側に隠れてしまいます)
カフスボタンの原型と言われるチェーン式
カフスボタンの原型とも言われているのが、ボタン同士を金属製のチェーンで繋いだタイプです。
お洒落な印象や個性を演出したい方にはおすすめですが、チェーン式を採用したカフスボタンは少ないので、アンティークやヴィンテージ品などがメインになります。
デザインによってはボタンホールが通らないなどのトラブルも考えられますので、製作年代が古い商品を購入するときは特に気を付けましょう。
スナップ式のカフスボタン
スナップ式のカフスボタンは、1920年ごろに登場して流行したと言われるタイプ。
スナップとは1組のボタンに凸凹があり、合わせて押し込むことで固定できる機構を意味します。
聞き馴染みの無い言葉かもしれませんが、簡単に言うと赤ちゃん用の服やジャンパーなどに採用されている”パッチン式”のボタンをイメージすると判りやすいのではないでしょうか。
取り付けが簡単なスナップ式のカフスボタンですが、1950年代以降はほとんど採用されなくなり、現在ではかなり珍しいタイプで販売されている商品の多くがヴィンテージ品となっています。
古い商品の中には、凸凹のスナップ部分が硬い・緩いなどの不具合がある場合や、不意に外れてしまい紛失する恐れもあるので購入するときは慎重に検討するようにしましょう。
固定式のカフスボタンもある
ボタン同士が繋がっていて固定されているタイプのカフスボタンもあります。
構造自体はチェーン式の鎖が棒に変わっただけなので、慣れないと使いにくいと感じるかもしれません。
固定式のカフスボタンには、全く同じデザインのボタンが両面に使われた”ダブルフェイス”もあるため、付け間違いが気にならず袖の裏表が華やかになるというメリットがあります。
一体型なので紛失の恐れは少ないですが、テニスカフスやダブルかフルのような”カフスボタンを前提とした袖”に合わせたデザインが多くなっています。
そのため、購入してもボタンホールを通らない恐れもあるのでチェーン式と同じように、大きさに問題が無いかをチェックしておくのがおすすめです。
カフスボタンの基本的なマナーと注意点について
ポケットチーフが胸元を華やかにしてくれるように、カフスボタンの役割は袖周りの装飾品となっています。
あくまでも装飾品なので、【カフスボタンを付けて良いかどうか】を見極めてTPOに応じた使い分けをすることこそが基本的なマナーと言えるでしょう。
カフスボタンが失礼となる可能性があるシーンとは
華やかに着飾る必要性が無く、接する相手を立てる必要があるシーンではカフスボタンを外すようにしましょう。
カフスボタンが相手に失礼となってしまう恐れがある具体的なシーンとして以下のような場面が考えられます。
- ビジネスシーンで目上や年上の人と接するとき
- ビジネスシーンで重要な取引先と接するときや会議に出席するとき
- 儀式的な催しに出席するとき(地鎮祭など)
- 葬儀に参列するときなど(派手な服装は控えた方がよい場面)
厳密に言えばカフスボタンで袖を留めていることが重大なマナー違反になることはありませんが、袖だけでなく相手の心情や場面にも気を配ることが大切です。
ビジネスシーンこそカフスボタンでおしゃれを
日常的にスーツを着用することが多いビジネスマンの方は、仕事のときにカフスボタンを付けるのはマナー的にどうなのか気になりますよね。
結論から言うと、スーツの袖にカフスボタンを使うこと自体はビジネスマナー的には問題ありません。
もちろん、前述の通り”相手”や”場面”に応じて外した方が無難なシーンもありますが、個性やおしゃれを演出しにくいスーツスタイルだからこそ、カフスボタンは積極的に取り入れたいアイテムの1つといえるでしょう。
例えば50代のカフスボタンなら、重厚さを感じさせる黒や紫などをベースとしたデザインなどがおすすめ。
結婚式もカフスボタンで周囲に差をつけるチャンス!
カフスボタンでお洒落な袖口を楽しむ絶好の機会は結婚式です。
結婚式に出席するゲストが華やかな服装をする理由は、幸せな二人を祝う場を盛り上げるためでもあるので、カフスボタンやポケットチーフなどの小物を積極的に使ってみましょう。
結婚式におけるカフスボタンのマナーや選び方については、別記事で詳しく解説していますが、特に重要なポイントは以下の通りです。
- 結婚式を行う時間帯(日中なのか夜なのか)に合ったデザインを意識する
- 二次会ではカフスボタンも替えるのがおすすめ!
- 主役は新郎(新婦)なので悪目立ちしすぎないデザインや色を選ぶ
日常的にカフスボタンを使うのは抵抗がある・・・と言う人も、結婚式やパーティーなど【華やかな場】では自分自身も華やかな服装で臨むのがマナーです。
カフスボタンを上手に活用して、華やかな袖口のコーデを楽しんでみましょう!
カフスボタンに関連した疑問や質問まとめ
最後に、カフスボタンに関連した疑問や質問についてまとめたQ&Aを紹介するので参考に役立ててください。
- お世話になっている上司にカフスボタンをプレゼントしようと思っています。どんなデザインが良いでしょうか?
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カフスボタンをプレゼントする場合、相手の年齢や着用シーンを具体的に想定してデザインを選ぶのがおすすめです。
例えば普段使い用のカフスボタンなら、装飾は控えめでシルバーなどの落ち着いたデザインが良いでしょう。
ちなみに「カフスボタンを贈る」という行為には、特別な意味があるので個人的にプレゼントをする場合は注意が必要です。
カフスボタンを贈るに隠された特別な意味合いは、【私を抱きしめて】なので、男性の上司に女性が贈るのは避けた方が良いでしょう。
カフスボタンをプレゼントする意味については、別記事でも詳しく解説しています。
- カフスボタンに合うシャツやおすすめを教えてください。
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基本的に、どんなカフスボタンにも合わせられる白のYシャツがおすすめです。
色や柄のついたシャツの場合、カフスボタンが目立たなかったり逆に袖周りが賑やかになりすぎてしまう恐れがあります。
特にビジネスシーンなど普段使いを想定しているなら、白のYシャツでコンバーチブルカフスタイプの袖口になっているものを選びましょう。
コンバーチブルカフスタイプの袖口なら、状況に応じてカフスボタンと通常のボタン留めを簡単に切り替えられるので普段使いに最適です。
- シングルカフスのシャツしかありません。カフスボタンは絶対に付けられないのでしょうか・・・
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カフスボタンを取りつけるには、ボタンホールが2つ必要です。
どうしてもカフスボタンを付けたいのであれば、ボタン側に切れ込みを入れてボタンホールを作るしかありませんが、おすすめできません。
カフスボタンの役割はあくまでも”装飾”なので、シャツを傷つけてまで付ける必要は無いといえます。
類似のケースで、コンバーチブルカフスタイプについているボタンがカフスボタンを付けるときに邪魔だからという理由で取ってしまうのもやめましょう。
装飾品のために、シャツ本来の機能性や美しさを損なってしっては本末転倒です。
カフスボタンを上手に取り入れてお洒落なスーツコーデを楽しもう!
スーツの袖をさりげなくお洒落に彩ってくれるカフスボタンは、ビジネスシーンなど普段使いにも取り入れやすいアイテムです。
ポケットチーフやネクタイピンなど、他の小物と上手に組み合わせてスーツコーデをお洒落に楽しんでみましょう。
- カフスボタンが深刻なマナー違反になることは無いがTPOは考慮しよう
- カフスボタンを付けるためにはボタンホールが2つあるシャツが必要
- 年齢や着用シーンに応じてカフスボタンを選ぼう
- カフスボタンをプレゼントするときは意味合いに注意しよう
たかが装飾品ですが、されど装飾品です。
カフスボタンを上手に活用すると、いつものスーツを手軽に低価格でお洒落な気分で楽しむことができるはず。
これを機に、カフスボタンをスーツコーデに取り入れてみてはいかがでしょうか。