- ベストのボタンにも留め方のマナーはあるの?
- ベストのボタンの数が2つ、3つ、5つ、6つ……など種類が多くてどれを選べばいいの?
- スリーピーススーツってどういうときに着たらいい?失礼にならないかな
スーツを着慣れてくると「スリーピーススーツにも挑戦してみたい。でもベストはどう着こなしたらいいのだろう?」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
「スリーピーススーツ」とは、ジャケットとズボンのほかに、それらと同じ色と素材の生地で作られたベストがセットになったスーツのことです。
自分の体型にはどのようなベストが似合うのか、ボタンの個数は何個がいいのか、ボタンのマナーはどうなっているのかなど、着てみようと思うと気になるポイントはたくさんあるものです。
そこで今回は主にベストのボタンマナーについて、ボタンの個数やベストを着用するシチュエーションに合わせた留め方を紹介いたします。
ベストのボタンは基本的にジャケットと同じく、一番下のボタンを開けておくのがマナーです。
そのとき、スーツのジャケットのボタンはすべて開けて着用しましょう。
ベストのボタンマナーを守って着こなす!スリーピーススーツ
現代においてベストを着るのはスリーピーススーツの場合がほとんどではないでしょうか。
スーツの原型がイギリスで誕生したときには、同じ生地で作られたジャケット、ベスト(ウェストコート、ジレとも呼ばれます)、ズボン(トラウザーズ)でひとつのセットとされていました。
つまりスリーピーススーツこそがクラシカルなスーツ本来の姿なのです。
そのような伝統に裏打ちされた紳士的なスタイルが魅力のスリーピーススーツは、見た目のメリットだけではなく体温調節にも活躍します。
暑いときにはジャケットを脱ぎ、ベストだけの着用でもおしゃれに見え、凛とした印象になります。
寒い時期にはベストが重ね着としての役割をもち、温かく過ごすことができます。
重要な商談やフォーマルな場面など、取り入れたほうがいいシチュエーションも多くありますので、ぜひ普段からチャレンジしてみてはいかがでしょう。
ひとくちにベストと言っても、襟があるのかないのか、ボタンの数など実は意外と選択できるデザインのバリエーションが多く、単調になりがちなスーツスタイルを楽しくさせてくれます。
スーツもベストも『一番下のボタンを開ける』のが基本マナー
ベストにもスーツのジャケットと同じようにボタンマナーは存在しており、一番下のボタンを開けるのが基本的なマナーです。
儀礼的な意味もありますが一番の理由は、シワができてしまい相手にとって見苦しく、失礼に当たるという点です。
ベストは着こなしたときのシルエットを綺麗に見せるように体にフィットするサイズを選ぶことが多く、姿勢によって変動が激しい腰回りはシワが出やすくなるためボタンを開けておくのです。
さらに結婚式など着用するシチュエーションやベストの形状、ボタンの数により留め方や開けるボタンの位置が異なります。
時には一番上のボタンを開けてカジュアルに着こなすなど、ファッションを優先したスタイルを楽しむことができるのも、ベストの楽しみのひとつかもしれません。
ベストのボタンの留め方をスリーピーススーツで詳しく解説
それではビジネスシーンなどで着る機会も多いスリーピーススーツのベストの留め方について、具体的に例を挙げて紹介いたします。
ボタンの配置がシングルなのかダブルなのかによっても変化しますが、ジャケットのアンボタンマナーと基本的には同じです。
【シングルベスト】4つ、5つなどボタンの数に限らず一番下のボタンを開ける
一般的なスリーピーススーツのボタンの数は4つ、5つ、6つが多いですが、シングルのベストはボタンの数に限らず一番下のボタンを開けるのがマナーです。
特にボタン位置が左右にずれているものは閉じることができないような作りになっていますので、無理に閉めないようにしましょう。
ちなみに6つボタンの場合は4つ目と5つ目のボタンの間に縦のボタン穴があけられている場合がありますが、これは懐中時計のチェーンを通すための穴です。
懐中時計を組み合わせて、クラシックでかっこいいスーツの着こなしをしてみたい方に試していただきたい組み合わせです。
【ダブルベスト】基本的には左下のボタンを開ける
ダブルベストの場合は、ボタンの数が6つ、8つといったところが主流になります。
ボタンは基本的に一番左下を開けておくのがマナーとされています。
しかし、より格式の高い場やしっかりとした印象を相手に与えたい場合にはすべて閉じてしまってもかまいません。
一番上のボタンは配置によって飾りで留められないデザインになっている場合があります。
礼服の装いではベストのボタンをすべて留め、より礼儀正しい着こなしに
結婚式にスーツで参加するときはフォーマルな印象を与えられるベストを着用するのがおすすめです。
スーツやズボンと同じ生地を使用したベストを着用するのが基本で、ダブルのボタン配置だとシングルのものよりもより重厚感を醸し出すことができます。
礼服を着用するような通常よりもフォーマルな場所では、ベストのボタンはすべて閉じた方がよいでしょう。
そうすることで場の雰囲気にふさわしい、礼儀正しい着こなしになります。
室内や屋外など気温や場所によりジャケットを脱いでもかっこよく上品なスタイルを維持することができるので、ベストの魅力や機能性が大変役に立つシチュエーションですね。
礼服でのボタンマナーについては下記の記事で詳しく紹介しています。
ベスト着用時はスーツ(ジャケット)のボタンはすべて開ける
ベストを着た時に、スーツのボタンの留め方はどうするのが正解なのでしょうか。
基本的にボタンはすべて開けるのがおすすめです。
これはベストを着用する分、ジャケットのボタンをすべて閉めてしまうと着ぶくれた印象になってしまい、スーツの着こなしとしてはいまいちになってしまうためです。
しかし絶対に開けておかないといけないルールというわけではありません。
ボタンを開けることにより、だらしなく見えると感じるようであれば閉めてしまっても構わないのです。
例えば商談の場で、相手の立場が上の方がボタンを留めている場合はどうでしょう。
多少マナーを外れていても相手にあわせるなど、シチュエーションによって調整をするのがおすすめです。
スーツ・ベストの基本的なボタンマナーを考慮して、シーンに合わせた着こなしを
ベストのボタンマナーについて、主にスリーピーススーツを取り上げて紹介しました。
ベストにもスーツと同様にアンボタンマナーがあり、基本的には一番下のボタンを開けておきます。
そしてベストを着るときはジャケットのボタンをすべて開けるとスマートな着こなしになります。
- スーツのベストを着るときは基本的に一番下のボタンを開けるのがマナー
- ベストを着るときはジャケットのボタンをすべて開ける
- 相手の着こなしやシチュエーションによってはマナーを無視して合わせることも
スーツやベストを着こなすうえでボタンのマナーは失礼にならないためにも重要ですが、相手に合わせるということもまた必要なマナーです。
アンボタンマナーを守りつつ、着用するシーンに合わせてスーツやベストを着こなしましょう。
そして、スーツ全般のボタンの留め方やマナーについて解説した記事もあるので気になる方はぜひ読んでみてください。