- ビジネスカジュアルはどんな服装を意味するのか
- ビジネスカジュアルでスーツを着用するのはマナー違反?
- ビジネスカジュアルで失敗しない方法を教えて!
ビジネスカジュアルとは、ビジネスシーンにおける比較的カジュアルなドレスコード(服装の規定)を意味します。
しかし”比較的カジュアルな”がどの程度なのか、服装選びが判らないときはスーツを着用しても良いのかなど、ビジネスカジュアルOKと言われて逆に困ってしまう人も多いのではないでしょうか。
また、ビジネスカジュアルだからとラフな服装で出勤して上司に注意されたり、大事な取引先の印象を悪くしてしまうのも避けたいものです。
そこで今回は、ビジネスカジュアルの基本やポイントを男性向けの内容を中心に詳しく解説します。
曖昧な理解や服装選びに不安を感じている人は、ぜひこの機会にビジネスカジュアルのメンズコーデをマスターしてみてください!
ビジネスカジュアルの基本的なルールについて
まずは冒頭でも説明していますが、ビジネスカジュアルの基本的なルールから確認していきましょう。
ビジネスカジュアルの定義は【ビジネスシーンを想定した比較的カジュアルな服装】となっています。
ビジネスカジュアルの基本ルールを把握しておこう
では、具体的にビジネスシーンでの着用を前提としつつカジュアルダウンした服装とはどのようなものなのでしょうか。
ビジネスカジュアルの基本ルールは以下の通りです。
- ”お客様”や”取引先”など【社外の人】との応対で失礼にならない服装であることが大前提
- 社風や業種など企業によってはビジネスカジュアルの許容範囲が異なる場合もある
ビジネスカジュアルに適した服装を紹介するサイトや雑誌は数多くありますが、カジュアル加減にバラつきがあり「結局どこまでなら許されるのか」と悩む人も少なくありません。
同じビジネスカジュアルなのに許容範囲が曖昧な理由は、職種や企業の社風の違いにあります。
例えばIT関連企業やゲーム・アニメ制作などを請け負う企業の場合、従業員の服装に寛大な社風が多かったり取引先もラフな服装だったりすることが多いため、ビジネスカジュアルで許される服装の範囲が広くなる傾向が見られます。
逆に、少し前まで「男性は職場でのスーツ着用が当たり前」だった一般企業がビジネスカジュアルを新たに取り入れた場合は、許される服装の範囲が狭くなると考えた方が無難です。
スーツ文化が色濃く残っている企業や業種の場合は、取引先と応対するときに相手がスーツスタイルというケースも多くなります。
そのため、ビジネスカジュアルであっても基本のスーツスタイルから大きく外れた服装が許されないこともあるのです。
ビジネスカジュアルは万人共通ではなく、働いている企業や職種によって服装の基準にバラつきが生じるので、自分を取り巻く環境や周囲の服装を確認して”許される範囲内”でコーデを考えるのがポイントです。
ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルの違いと使い分け
ビジネスカジュアルと混同しやすい言葉にオフィスカジュアルがあります。
ビジネスカジュアルが”社外の人との応対”を意識した服装であるのに対し、オフィスカジュアルは”社内で過ごすことを前提”としたカジュアルダウンした服装全般を指します。
一般的にオフィスカジュアルを採用している企業や団体は、接客や応対の機会が無いか極端に少ないケースがほとんどです。
そのため”仕事着”を極端に逸脱しなければかなりラフな服装も許されていて、企業によってはジーパンやTシャツで働くことを許可していることさえあります。
企業がビジネスカジュアルとオフィスカジュアルのどちらを推奨するのかは、以下の条件で決定されると言えます。
- 【接客や応対】の可能性が極めて少なく社内の人間だけで業務が遂行できるならオフィスカジュアル
- 【接客や応対】など社外の人と接する機会が頻発するならビジネスカジュアル
しかし、ビジネスカジュアルを推奨している場合でも”常に接客や応対”で社外の人と接している訳ではありません。
つまりビジネスカジュアルの場合でも【オフィスで過ごす時間】が存在し、社内なら少しラフな服装でも良いのです。
ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルは全くの別物と考えがちですが、ビジネスカジュアルが推奨されている場合でもオフィスの内と外で服装を切り替えるという柔軟な思考が持てるとコーデの幅が広がります。
逆にオフィスカジュアルが推奨されている職場でも、自分の立場や状況によってはビジネスカジュアルを意識した服装選びが求められるケースもあると言えます。
オフィスカジュアルについて詳しく知りたい方は、注意点やポイントを詳しくまとめた記事もあるので目を通してみてください。
ビジネスカジュアルのポイント①オンオフの切り替えを意識しよう!
ここからは、ビジネスカジュアルで失敗しない服装選びに役立つポイントを紹介します。
1つ目のポイントは、前項でも触れたビジネスカジュアルでも【オフィス内】と【社外の人への応対】での切り替えを意識した服装選びです。
ビジネスカジュアルでは襟付きシャツを選びたい
ビジネスカジュアルでオンオフの切り替えを意識するなら、襟付きのシャツを選ぶのがベターです。
襟付きのシャツなら、ジャケットやネクタイの着脱でオンオフを切り替えやすくなります。
ただし、襟付きでもポロシャツの着用は社内の服装規定などを事前に確認してから決めるようにしましょう。
オフィスカジュアルなら問題無く着用できるポロシャツですが、ビジネスカジュアルでも服装の規定が厳しい企業や職種の場合は不可としていることもあるからです。
襟なしを着用する際はジャケットとの相性を意識しよう
ビジネスカジュアルでも服装の自由度が比較的高い職場なら、セーターやTシャツなどを着用できるケースもあります。
ビジネスカジュアルで襟なしの可否を判断する基準は
- 同じ職場の同僚や上司が着用しているかどうか
- 取引先など自分が応対する可能性のある【社外の人】がどんな服装をするのか
上記の2点を意識して見極めるようにしましょう。
襟なしのインナーを着用できる場合は、ジャケットと組み合わせることを意識して色や組合せの相性を考えながら服を選ぶのがポイントです。
接客や応対時にジャッケットを羽織ることを想定するため、襟なしのインナーを着用するなら無地でシンプルな服を選ぶのが基本となります。
持っているジャケットの色や季節によってインナーの色を決めるようにしましょう。
スーツのインナーにTシャツを着る場合や、スーツのインナーにニットを着る場合のそれぞれについて詳しく解説した記事がありますのでコーデに不安がある方は参考に役立ててください!
ビジネスカジュアルのポイント②悩みのタネになりがちな靴の選択
ビジネスカジュアルで、「どんな靴を履くか」という問題に直面して悩む人は多いようです。
せっかくビジネスカジュアルが許されるなら、窮屈な革靴をスニーカーなど動きやすく疲れにくい靴に替えたいと思うのは当然ですが、結論から言うと避けた方が無難です。
ビジネスカジュアルでスニーカーやスポーツシューズが絶対にダメという訳ではありませんが、ローファーや革靴を選んだ方が良いと言えるでしょう。
「おしゃれは足元から」という言葉を良く耳にしますが、実際に靴のセレクトでコーデ全体の印象がガラリと変わってしまうことも多いので、ビジネスカジュアルにおける靴選びは重要なポイントの1つです。
スポーティーなデザインや色のスニーカーは、カジュアルな印象がかなり強くなってしまうので、ビジネスカジュアルとの相性は悪いと言えます。
どうしてもビジネスカジュアルで楽な靴を履きたいときは、紳士服売り場や靴屋で見かける「カジュアルシューズ」がおすすめです。
ローファー風のデザインなので、ビジネスカジュアルの”しっかり感”を損なわずに楽な履き心地で働くことができます。
スニーカーを履くことを会社が許可している場合でも、明るすぎる色や凝ったデザインは避けて、無地でシンプルな色合いを選ぶようにしましょう。
やや上級コーデになりますが、スタイリッシュで高級感のあるビジネスカジュアルが求められる立場や職種の人なら、統一感を意識すればスニーカーをコーデに取り入れるコーデも一考の余地はあるかもしれません。
濃紺やグレーなどの一般的なスラックスやパンツにスニーカーを組み合わせると、足元のカジュアル感が悪目立ちしてしまいますが、白を基調とした統一感のあるコーデなら違和感が無くなります。
白で統一したコーデに抵抗がある人には、ワントーン明るめのジャケットに高級感のある自然な光沢と滑らかさを持つパンツを合わせたコーデなどもおすすめです。
こうしたコーデはIT企業やベンチャー企業など服装に自由な業種で、尚且つ会社での地位がある程度高い人に限定されてしまいますが、ビジネスカジュアルでも個性やセンスを発揮したい人は是非ともトライしてみましょう!
上記画像のコーデは、最高級スーツブランド”ゼニア”の生地を使いオーダーメイドしたジャケット&パンツとなっています。
高品質なジャケパンスタイルを検討している方は、弊社GINZA SAKAEYAのHPから上記以外の商品ラインナップを是非ともご覧ください。
ゼニア公認店舗だからこそ他店には無いゼニア生地を選べるだけでなく、オーダーメイドで自分好みの色やデザインのジャケット&パンツをお仕立てすることが可能となっております!
ビジネスカジュアルのポイント③判断に迷ったらジャケパン!
ビジネスカジュアルの服装選びは、基本的に自分が勤める企業の服装規定を順守していれば間違いありません。
しかし、例えば会議やプレゼンなどで他社へと赴く機会があったとき【ビジネスカジュアルでお越しください】と言われた場合はどうでしょうか。
足を運ぶ企業のドレスコードや服装の基準を事前に知っているなら服装選びは難しくありませんが、事前情報が無いときは判断に困ってしまうものです。
服装をビジネスカジュアルと指定されていたり、服装の規定が曖昧で何が正解か判断しかねるような状況なら、ジャケット&パンツの王道スタイルを選べば失敗する可能性は限りなく低くなります。
ジャケットやシャツの色を普段よりワントーン明るくするなどカジュアル感の演出方法は色々ありますが、基本となるジャケパンスタイルなら相手に不快感や失礼だと思われるリスクは少なくなります。
大事な取引先だったり、先方が自分より立場が上の場合はカジュアル感を極力抑えて、念のためにネクタイも準備しておいて相手の服装次第ではスーツスタイルにすぐ替えられる服装だと安心できます。
ビジネスカジュアルでよくある悩みと解決法まとめ
ビジネスカジュアルで大きな失敗をしないためのポイントとして以下の3つを紹介してきました。
- オンとオフの切り替えを意識した服装選び
- スニーカーではなくローファーやカジュアルシューズを選ぶ
- 困った時はジャケパンスタイルでコーデを考える
基本的には上記を意識すればビジネスカジュアルで大失敗をすることはありませんが、他にも細かい悩みや不安を感じることはあると思います。
そこで、ビジネスカジュアルの服装選びで起こりがちな問題や不安をQ&A方式でまとめたので、気になっている項目などがあればチェックしてみてください。
- ビジネスカジュアルで個性を出したいけどバランスが難しいと感じる
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ビジネスカジュアルの場合、大前提が”社外の人”に応対したときに失礼だと思われない服装となります。そのため、個性よりもしっかり感やきちんと感に重きを置くのが正解です。個性とフォーマル感の両立は、全体のシルエットや色の組合せ、他には高品質な素材が使われた服を選ぶなどの方法があります。
- ビジネスカジュアルに慣れないので普通にスーツで出勤したい
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ビジネスカジュアルの場合、オフィスカジュアルとは違い「スーツ着用が基本」ではあるものの、失礼の無い程度のカジュアルダウンが”許されている”という認識となります。そのため、スーツで出勤しても問題はありません。ただし、職場における自分の立場が高い場合はスーツを避けた方がよいかもしれません。上司である自分がスーツだと部下がカジュアルダウンした服装を着用しづらくなってしまう恐れがあるためです。
- スーツだと気にならなかったけど毎日同じような服だと思われそうで不安
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毎日同じスーツを着ていても、ネクタイやシャツは変わるため意外に気付かれませんが、ビジネスカジュアルの場合は同じ服を毎日着るのはNGです。相手や周囲に失礼の無い服装という定義には、清潔感も含まれていますので毎日しっかりと違う服を選ぶようにしましょう。服装のパターンやコーデが限定化されてしまう場合は、色のバリエーションを増やしたりジャケットの有無などで変化をつけるのがおすすめです。
ビジネスカジュアルのメンズコーデにおける悩みや不安は
- 服装選びが正しいかどうか不安
- 似合っているかどうか不安
- 個性や差別化など着こなし方やコーデに自信が持てない
上記のいずれかに該当するケースが大多数を占めています。
それ以外の悩みとして多いのが、真夏や真冬など季節に応じたビジネスカジュアルの服装選びに関する問題です。
真夏や真冬のビジネスカジュアルはどうする?
夏と冬ではビジネスカジュアルの服装は異なりますが、ベースとなる考え方自体は同じです。
あくまでもビジネスカジュアルは、社外の人に対して失礼にならない服装という前提は真夏でも真冬でも変わりません。
ただし、季節が変わればビジネスカジュアルで注意すべきポイントにも変化があるので注意しましょう。
例えば、真夏など暑い季節は以下のような部分にも気を配る必要があります。
- 汗や汚れが衣服に付いていないかどうか
- ニオイ対策
- 肌の露出(腕まくりや裾の丈など)
汗やニオイのケアは服装というよりはマナーの問題になりますが、ビジネスカジュアルだからと胸元のボタンを必要以上に開けたり腕まくりをするのは控えましょう。
暑い季節でも快適に仕事ができるようにとクールビズを採用している企業や団体は多いですが、クールビズとビジネスカジュアルは同じ意味ではありません。
クールビズとは、あくまでも暑さ対策を個人が軽装などで行い快適に仕事が行える服装なので、社外の人に対して失礼かどうかは判断基準に含まれていないからです。
クールビズについては過去記事にて詳しく解説していますので、違いや服装マナーをチェックしてみてください。
真冬のビジネスカジュアルも基本は全く同じです。
寒さ対策としてYシャツに合わせやすいジレ(ベスト)やカーディガンなどを合わせると良いでしょう。
寒い時期に各自が服装で防寒対策を行うことを推奨するウォームビズについても、別記事で詳しく解説していますので気になる方はチェックしてみてください。
年代や立場に合ったビジネスカジュアルとは
ビジネスカジュアルのメンズコーデは、年齢や会社での立場で意識すべきポイントが異なります。
ビジネスカジュアルで年代や立場に関係なく共通して気を付けるべきポイントは清潔感です。
若い世代(20代~30代)なら
- 清潔感と同じくらい”しっかり感”や”きちんと感”を意識した服装だと好印象
- 基本的には控えめの色やデザインでシンプルな服装を意識したい
- 例外として夏場は爽やかで涼しげな色合いを意識するのがおすすめ
ビジネスカジュアルでは、なるべくシンプル且つ控えめな服装を心がけた方が周囲に好印象を与えやすくなります。
20代のビジネスカジュアルについては、具体的なアイテム選びや注意点をまとめた別記事がありますので、もっと詳しく知りたいという方はぜひ目を通してみてください。
40代や50代など落ち着いた年齢の方は、会社での立場などを加味しながら服装選びをしたいものです。
- 高級感を感じさせるキレイめアイテムを取り入れたい
- スタイルに自信があるならスマートな印象のコーデが◎
- シンプルの中に遊び心を少し足すと大人の余裕が演出できる
若い世代よりも、アイテム選びやコーデにこだった服装の方が良いでしょう。
40代のビジネスカジュアルについても、ハイブランドの取り入れ方やコーデのポイントなどを詳しく解説した記事があるので参考に役立ててみてください。
ビジネスカジュアルは失敗しない服装選びを最優先で!
ビジネスの場で着用するビジネスカジュアルは、服装選びで失敗してしまうと大切なお客様や取引先を怒らせることに直結する恐れがあります。
そのため、個性やオリジナリティよりも失敗しない服装選びを重視するようにしましょう。
- 社外の人に応対して”失礼にならないかどうか”を基準に考えよう
- 過度なカジュアルダウンにならないように注意しよう
- ジャケパンスタイルをベースに周囲や応対する相手に合わせた服装でおしゃれを楽しもう
せっかくカジュアルダウンできるなら、なるべくラクな服装でおしゃれを楽しみたくなりますが、”仕事着”として着用することを忘れないようにしてください。
ビジネスカジュアルで個性を発揮するのは、自分が勤める企業がどこまでカジュアルな服装に寛容なのかを見極めてから試すのがおすすめです。
ぜひ、自分なりのコーデを見つけてビジネスカジュアルを楽しんでみてください。