- スーツのサイズ感ってなんのこと?
- スーツの肩幅を合わせるときの目安を知りたい。
- スーツのサイズにトレンドがあるって本当?
スーツの「サイズ感」という言葉。よく使われますが、どのようなものかピンとこない方もいるのではないでしょうか。
サイズ感という言葉に決まった意味合いはありませんが、サイズは合っているけれど少しバランスが悪い・シルエットが少しダボついているなど、サイズについての感覚を示すことが多いようです。
多くのスーツを着る人にとって、スーツは一目で印象を左右する最も大切なビジネスツールといっても過言ではありません。
スマートな印象のためにビジネススーツに大切な「サイズ感」について、この記事でくわしく解説します。
スーツを購入するときにチェックするポイントも解説するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
スーツのサイズについてはこちら≫スーツのサイズ表について徹底解説で解説していますので読んでみてくださいね。
スーツのサイズ感について解説
スーツのサイズ感は、同じサイズのスーツを購入し続けていても合わなくなることがあります。
それには、以下のような理由があげられます。
サイズ感が合わなくなる原因
- 同じメーカー・ブランドであっても、トレンドやコンセプトでシルエットが変わる
- 自分の体形や姿勢が変わる
- トレンドの影響で少しサイズが合わないように感じる
サイズがあっているのに「なんとなくしっくりこない」という感覚がサイズ感といえます。
スーツでのサイズ感はとても大切です。
ほんの少しのシルエットや長さの違いが掛け算のように効いて、全身で見たときに「なんとなくダサい」と「なんとなくかっこいい」が分かれてくるものです。
スーツはジャストサイズがすべて
スーツのサイズ感は、見た目にも着心地にも影響する大切なものです。
ビジネススーツではとくに「ジャストサイズがすべて」と言われるほどサイズ感が重要ですが、「ジャストサイズ」とは体にピッタリ密着することが正解ではありません。
適度なゆとりと、ルールに決められた長さを守っていることも重要で、ジャストサイズを選ぶためには知識が必要になってくるのです。
ジャストサイズとは
- 肩幅・ウエスト・腰回りなど、サイズが体にあっているもの
- 適度なゆとりがあり、動きやすいもの
- ルールに決められた長さを守っているもの
体型が変わったからといって、ダボついたり窮屈に見えるようなスーツはNGで、お直しで対応できない場合は買い直す必要があります。
大人のスーツの着こなしは、体に合ったスーツをTPOに応じたマナーで着用することであり、世界共通のマナーともいえます。
スーツのサイズ感にもトレンドがある
本来、ビジネススーツのサイズ感は「ジャストサイズ」であることが重要で、トレンドにほとんど左右されないものですが、カジュアルウェアの影響をうけて少しトレンドがあります。
丈の長さのトレンド
ワンクッションと言われていたパンツ丈はやや短くなり、ハーフクッションがトレンドになってきました。
※カジュアルスタイルでは足首の見えるノークッションが人気ですが、ビジネス・フォーマルシーンではNGです。
シルエットのトレンド
やや細身だったシルエットから、細くもなく太くもない「スタンダード」なシルエットにトレンドが変わってきています。
物価高騰やエコの観点から、長く着るための「スタンダード」が重要視されるようになってきたことがうかがえます。
スーツは素材(生地)が上質であるほど長持ちします。
トレンドを解説してきましたが、トレンドを重視してスーツを購入すると、スーツの寿命より早くトレンドの終わりがきてしまうことがあります。
これから、ますます衣類・スーツを大切に着る時代になってくると言われています。
スーツを購入する場合は、ジャストサイズのスーツを選んで、丈の長さなどで少しトレンドを取り入れる程度にしておくと少しのお直しで着つづけることができるためオススメです。
スーツの前に!シャツのサイズ感をチェック
スーツの下に着るシャツ(ワイシャツ・ドレスシャツ)のサイズ感も、とても重要です。
シャツがジャストサイズであってこそスーツのシルエットが美しく決まるものですが、シャツのジャストサイズを選ぶ目安を知らないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、スーツの解説前に、まずはシャツのサイズ感チェックポイントを解説します。
【シャツ・ワイシャツ】のサイズ感
ボタンを留めて、指が1~2本入るゆとりがある(首まわり+1~3㎝)
ボタンを留めて手をおろした状態で、手首のシワがかくれる程度の長さ
縫い目が肩先に合っている、もしくは肩先から少し内側に入っている
タックインした状態で適度なゆとりがある(胴まわり+10~16㎝程度)
ボタンを留めて、手首まわり+6~7㎝の余裕がある
着丈はおしりが隠れる程度の長さ(多少短くてもOK)
シャツのサイズを選ぶにはヌード寸法が必要です。
店舗でも測ってもらえますが、自分で測ってサイズを知っておくこともおすすめです。
シャツはオーダーもおすすめ
シャツのサイズ感について解説しましたが、シャツは既製品を購入する方が多く、すべての体のパーツサイズが合うことは難しいのが実情です。
サイズが合わない部分をお直しでジャストサイズにする方法がありますが、スーツ量販店ではスーツはOKであっても、シャツのサイズ直しは受けていない場合もあり、気軽にお直しできないことがあります。
シャツのサイズ感は見た目はもちろんですが、着心地にも大きく影響してきます。
合わないサイズのシャツを着るより、細かいニーズに対応できるオーダーシャツがおすすめです。
ビジネススーツ基本のサイズ感
サイズ感を確認するために、実際にどのようなことに注意すればよいのか、目安となるチェックポイントをご紹介します。
スーツ【ジャケット】のサイズ感
肩幅が合い、肩先を指1本でつまめる程度のゆとりがある
襟の後ろは隙間がなく、シャツの襟が少し見えている
前ボタンを留めて、背中・脇の下・腕などにシワがない
襟もとに、こぶしがひとつ入るくらいのゆとりがある
着丈はおしりが隠れる程度の長さ
袖の長さはシャツが1~1.5㎝程度見えている
スーツ【ベスト】サイズ感
立った時にシワが入らず、座った時にシワが入る程度のフィット感
袖まわりにほどよいゆとりがあり、背中が浮いていない
着丈はベルト・シャツが見えない長さ(ヒップのポケットは見える)
スーツ【パンツ】のサイズ感
ウエストはベルトがなくても留まり、指の第二関節くらいまで入るゆとり
お尻・太もも・ふくらはぎに適度なゆとりがある(動いて確認する)
裾の長さは靴にかかる程度(ワンクッション・ハーフクッション)
「着丈」や「裾丈」は近年の流行で、短いものを着用するケースが若い人を中心に増えていますが、短い丈のスーツでは落ち着いた印象にはなりません。
足首・腰(お尻)まわりを見せない程度の長さをとることが、流行に左右されないスーツのマナーであることを覚えておきましょう。
サイズ感を確認したら、最後にスーツの後ろ姿のチェックをします。
販売員(フィッター)さんが確認してくれるはずですが、写真を撮ってもらうなどの工夫をして、必ず自分でも「まっすぐに立ち、前を向いた状態での後ろ姿」をチェックしましょう。
シーン別スーツのサイズ感
スーツ(メンズスーツ)のサイズ感は着用シーンで変わるのでしょうか。
シーン別のサイズ感を解説します。
礼服のサイズ感(メンズ編)
- 礼服のサイズ感(メンズ)は基本的にはビジネススーツと同じ
- スラックスの長さはワンクッションにする
- 格式によっては多少トレンドを取り入れてもマナー違反にならない
フォーマルスーツ・礼服でもサイズ感はビジネススーツと基本的には同じですが、ひとまとめに「礼服」といっても種類があります。
格式の高さ | 昼/儀式的な催し | 夜/社交的な催し | |
---|---|---|---|
正礼装 | ☆☆☆ | モーニングコート | タキシード・燕尾服 |
準礼装 | ☆☆ | ディレクターズスーツ・ブラックスーツ | ファンシースーツ・ファンシータキシード |
略礼装 | ☆ | ダークスーツ・ブレザー&スラックス | ダークスーツ・ジャケット&スラックス |
正礼装の装いには、伝統と格式のあるサイズ感が大切で、トレンドは必要ありません。
準礼装から略礼装になるにつれて、トレンドを取り入れてパンツをやや短めにする程度の調整はしてもいいですが、くれぐれもマナー違反のないように、サイズ感の調整は「少しだけ」にとどめておきましょう。
就活スーツのサイズ感
- 就活スーツのサイズ感はビジネススーツと同じでOK
- サイズを選ぶときに、お直しも選択肢に入れておく
- お直しをする場合、2週間前後かかることもあるので早めに購入しておく
スーツは多くの着用経験を重ねて(時には失敗もして)自分に合ったサイズ感や着こなし術を身に着けていくものです。
就活スーツの多くは新卒採用試験のために購入されています。
つまり、スーツを着慣れていない人が買うケースが多いことになります。
経験がないがゆえに、既製品をそのまま着たような「スーツに着られている」人をよく目にしますが、その要因が「サイズ感」にあるといえます。
サイズ感の調整で「着られている」感が軽減する例をあげます。
- 肩幅が合っているのにダボついて見える場合
-
ウエストを小さくする、袖丈を短くするなどのお直しを検討する
- ウエストに合わせて選ぶと肩幅がやや大きく感じる場合
-
ワンサイズ小さいスーツにしてウエストを大きくする、サイズはそのままで薄い肩パッドを追加するなどのお直しを検討する
初めてのスーツでお直しを依頼するのは勇気がいるかもしれませんが、少しのお直しで印象は変わります。
販売員(フィッター)さんによく相談し、必ず試着をしながら選びましょう。
カジュアルシーンのサイズ感
- ビッグシルエットのスーツなど、カジュアルスーツは自由度が高くなっている
- ノークッションで足首が見えるスーツ、トレンドを取り入れた大胆なシルエットなども、年齢や着用シーンによってはOK
近年、カジュアルなスーツの着こなしを若い世代でも取り入れています。
肩幅をあえて合わせない大きなシルエットのスーツ(セットアップ)を着た人気歌手や俳優をメディアで目にすることも多くなりました。
ストレッチ素材・洗えるスーツ・やさしい着心地などの高機能スーツが販売されたことで、若い世代に限らず、Tシャツやニットと合わせてカジュアルに着る人も増えた印象があります。
カジュアルにも多少TPOがあるので、すべて自由とはいきませんが、年齢や着用シーンに気を付ければ自由な着こなしを楽しめる時代になってきました。
ビジネスシーンではできないようなスタイルにも挑戦してみましょう。
長く着つづけるスーツはオーダーもおすすめ
スーツのサイズ感を重視することで、見た目の印象が良くなるだけではく、着心地がよくなり、仕事のモチベーションUPにつながります
- スーツとシャツはジャストサイズで選ぶ(カジュアルスーツは除く)
- 体の各パーツでサイズ感を確認する
- サイズ感が合わない場合はお直しを検討する
- サイズ感にはトレンドがある
スーツはタグについたサイズだけで選ばず、試着をたくさんして「サイズ感」のあうスーツを選びましょう。
部分的に合わないところをお直しすることもできますが、直す箇所が多くなるとオーダースーツとあまり変わらない価格になることもあります。
オーダースーツは既製品より高価ですが、スタンダードなシルエットのスーツは長い期間着用することができるので、買い替え頻度が減り、環境配慮にもつながります。
ジャストサイズを求める方は細かいニーズに対応できるオーダースーツも検討してみてはいかがでしょうか。
≫スーツのサイズを解説の記事にメンズスーツのサイズを解説していますので、あわせて参考にしてみてください。