スーツサイズのお直しで理想のフィット感に!補正について解説

  • スーツサイズのお直しはどこまでできる?
  • 古いスーツでもお直しってできるもの?
  • 補正・お直しはどこで頼んだらいい?

スーツサイズのお直しをする場合、どこでするか、いくらかかるか、どこまでできるか…など、分からないことがたくさんあります。

スーツは、素材・縫い代(生地の余り)・シルエットなどで補正の条件がかわるので、正確なことは現品を確認しないと分からないものです。

それでも、お直しを検討にするにあたって知っておきたい知識もあります。

そこで、この記事ではスーツサイズのお直しの一般知識を解説します。

この記事を最後まで読んで、お直し・補正についてぜひ検討してみてくだい。

スーツサイズについてはこちら≫スーツサイズの徹底解説を確認してくださいね。

目次

スーツのサイズ直しは必要か

スーツのサイズ直しについて、考えたことがない人もいるかもしれません。

ジャストサイズがすべてともいえるスーツで、裾上げ以外のサイズ直しを検討しないのは、『だいたい合っている』サイズのスーツをジャストサイズだと思い込んでいるから、かもしれません。

スーツのお直しは重要なものです。

多くの場合、0.5~4㎝ほどしかお直しはできませんが、その数センチで印象も着心地も変わってきます。

スーツのサイズが合っていないNG着こなしとは

スーツのサイズが合っていない場合、どこを見れば分かるのでしょうか。

ジャストサイズのスーツ選びのために解説します。

ジャケット

  1. 肩幅が合っている(指1本でつまめる程度のゆとり)
  2. 肩まわりがキレイ(まっすぐなラインになっている)
  3. Ⅴラインがキレイ
  4. 襟もとに隙間がなくシャツの襟が見える
  5. 背中にシワがない
  6. ボタンを留めた時にシワがない
  7. 脇の下にシワがない
  8. シャツが1~1.5㎝程度見える長さ
ジャケットのチェックポイント
ジャケットのチェックポイント

パンツ

  1. ウエストに指の第二関節程度まで入るゆとり
  2. プリーツがキレイ
  3. ポケットが閉じている
  4. クリースがまっすぐ
  5. 後ろのライン(お尻・太もも・ふくらはぎ)にゆとりがある
  6. 内ももにもたつきがない
  7. 裾は靴にかかる長さ
パンツのチェックポイント
パンツのチェックポイント

サイズ直しで「もう一度着る」

スーツのサイズが合わなくなったと感じるのは、ほとんどが体型が変わった時です。

サイズの合わないスーツのイメージ
サイズの合わないスーツのイメージ

スーツは高価であればいいわけではありませんが、1着は『勝負スーツ』として品質のよいものを持ちたいものです。

品質のよいスーツは長い年月着ることができるので、体型の変化に対応するためにもお直しは重要なのです。

本来、スーツはあまり流行に左右されませんが、トレンドの影響をうけ『長く感じる』『太く感じる』など、なんとなく着なくなるというケースもあります。

体型・トレンドが変わった場合、どちらもスーツを着なくなってしまうのはもったいないことです。

『いつか体型が戻る』『いつかトレンドが戻る』ということもありますが、何年も(場合によっては何十年も)着ないままスーツを保管していて、実際に着たという話をあまり聞きません。

一時的な体型変化が分かっている時を除いて、できる限りスーツをお直しして、もう一度ワードローブ(着回しアイテム)に加えましょう。

スーツサイズのお直し、どこでする?

スーツのお直しイメージ
スーツのお直しイメージ

スーツサイズの直しはどこでできるのか、期間はどの程度かかるかなどを解説します。

まず、スーツのお直しを「自分でする」ことは、裁縫の経験値がよほど高くない限りオススメできません。

プロに依頼することが基本になり

  • 購入した店舗
  • スーツ量販店
  • 洋服のお直し・リフォーム業を行う店舗

などでお直しができます。

洋服のリフォーム専門店では、スーツ量販店では受け付けていないイレギュラーなお直しができることもあるので、数店舗で相談してみてもいいかもしれません。

価格や期間は、店舗によって違います。

お直しする場所によって変わりますが、シンプルなお直しで

  • 価格:500円~7000円ほど(1か所の価格)
  • 期間:0~7日ほど

でできることが多いです。
店舗によって価格設定・期間が違うので見積をとるなど、確認してください

購入時の新品のお直しでは気にしなくていいのですが、一度でも着たスーツは正確な寸法確認のためにも、マナーとしてできる限りクリーニングをしてから店舗に持ち込みましょう。

スーツサイズのお直し、どこまでできる?

スーツサイズのお直しをどこまでできるかを、よくあるお直しを例に解説します。

解説の前に、お直し・補正によく使われる専門的な言い回しがあるので覚えておきましょう。

【衣類のお直し・補正でよく使われる専門用語】
詰める(つめる):小さくする・縮める・短くする
上げる(あげる):短くする
出す(だす):広げる・伸ばす・長くする

スーツサイズを小さくする場合と大きくする場合で、条件が変わってくるので間違わないよう注意しましょう。

大切に着たいスーツは「小さくする」「大きくする」のどちらも、フィッティングのできるスタッフのいるお直し・リフォーム専門のお店で行ったほうがいい場合があります。

納得いくまで相談をしてから決めましょう。

スーツのサイズ直し【小さくする場合】

スーツサイズのお直しで『小さくする』場合はできることが全般的に多く、前向きに検討できます。

小さくするにも限度があり、大幅な変更はシルエットが変わることがあることを理解しておきましょう。

袖上げ(そであげ)袖丈を詰める
短くできます。あきみせ袖(袖の加工)やボタンがあるため、裾上げより価格は上がることが多いです。
左右で腕の長さも違うことがあるので、左右それぞれで長さを決めます。

袖丈を詰める
袖丈を詰める

着丈を詰める
短くできます。自分ではみえにくい位置ですが、ヒップがかくれる程度に調整することでスッキリします。

着丈を詰める
着丈を詰める

肩幅を詰める
スーツ量販店のお直しでは受けていないこともある、難易度の高いお直しです。
洋服やスーツのお直し・リフォームを専門に行うお店では対応できることがあるので、サイズが合わないけれど大切に着たいスーツがあれば、相談してみましょう。

肩幅を詰める
肩幅を詰める

ウエスト(脇)を詰める
3~4㎝程度小さくできます。シルエットが変わりやすいため注意が必要です。
パンツでもジャケットでも、ポケットの位置は変えることができないため、見た目の印象が変わることがあります。

ウエストを詰める
ウエストを詰める

裾上げ(すそあげ)
短くできますが、短くしすぎると膝の想定位置が変わるため、パンツのラインがモデルケースのようにならないことがあります。
裾上したイメージで仮留めしてもらい、シルエットを確認しましょう。
シングルとダブルの処理で価格・短くできる長さが変わるので注意しましょう。
左右の足の長さで違いもあるので、左右それぞれに長さを決めます。

裾上げ
裾上げ
シングルとダブル
シングルとダブル

ヒップ(尻囲)を詰める
3~4㎝程度小さくできます。
ウエストと同じで、ポケットの位置は変えられません。

ヒップを詰める
ヒップを詰める

太もも(ワタリ)を詰める
2㎝程度小さくできます。

太ももまわりを詰める
太ももまわりを詰める

スーツのサイズ直し【大きくする場合】

スーツサイズのお直しで『大きくする』場合は難しいことが多く、断られるケースもあります。

スーツには縫い代といわれる、縫製のときに必要な生地の余白があります。
工作でいうところの「のりしろ」と同じで、表からは見えない部分です。

その縫い代を『出す』ことである程度大きくすることはできるのですが、大きくできる範囲は、縫い代や素材・お直し歴によって変わり、一般的に1~4㎝程度までです。

袖出し(そでだし)
生地の折り返しの状況によって変わりますが、1~3㎝ほど長くできることが一般的です。
つめる時と同じで、左右それぞれで長さを決めます。

袖出し
袖出し

ウエストを出す
パンツでもジャケットでも縫製方法によっては、3~5㎝ほど大きくできる場合があります。
詰める時と同じで、ポケットの位置は変えられないため、印象が変わることもあります。

ウエストを出す
ウエストを出す

裾出し(すそだし)
生地の折り返しの状況によって変わりますが、1~3㎝ほど長くできることが一般的です。
つめる時と同じで、左右それぞれで長さを決めます。

裾出し
裾出し

太もも(ワタリ)を出す
1~2㎝程度大きくできる場合があります。

太ももまわりを出す
太ももまわりを出す

既製品のスーツ購入時に注意するポイントを解説

既製品のスーツをジャストサイズにお直しして着ることは、スマートな着こなしのためにとても重要です。

これから購入する場合は、どのようにスーツを選ぶとお直しがしやすいのでしょうか。

スーツサイズの選び方
スーツサイズの選び方

ジャケットは肩のサイズから

ジャケットはサイズ直しの難しい肩に合わせてスーツを選び、大きければウエストを詰める方法が一般的です。

ウエストが大きい・腕が太いなど体型には個人差があるため、肩以外から合わせ、肩パッドで調整することもありますが、既製品での対応がむずかしい方は、ジャストフィットのスーツを着るためにオーダー・パターンオーダースーツも検討してみてくだい。

パンツはヒップのサイズから

パンツは大きくするサイズ直しが難しいヒップ(尻囲)に合わせてスーツを選び、大きければウエストやふくらはぎ周りを詰める方法が一般的です。

注意が必要なのは、ジャケットとパンツはセット品であるということです。

「ジャケットの肩幅に合わせてスーツを選んだけれど、パンツにプリーツがあってサイズ感がこれまでと違う」といったこともありえます。

サイズだけでなく、スーツ全体のシルエットもよく見て、納得のいくまで試着することがスーツ選びの鉄則です。

ジャストサイズのためにオーダースーツの選択肢も

スーツのお直しは、①購入時のジャストフィットのため②体型の変化に対応するため、の主に2パターンで検討されます。

どちらのお直しも重要で、とくに幅(シルエット)を変えるお直しは、フィッティングのできるスタッフや専門職の人と相談しなければいけないこともあります。

お直しの相談がむずかしいからといって『だいたい合っている』サイズのスーツを着つづけたり、新しいスーツ購入のために捨ててしまうのは、もったいないことです。

おさらい
  • スーツはジャストサイズがすべて。ジャストサイズのためにお直しを検討する。
  • 購入した店舗・洋服のリフォーム専門店などでお直しができる。
  • 小さくすることはできても、大きくすることは難しい
  • お直しを依頼する場合は、できる限りクリーニングに出してから持ち込む。

スーツのサイズが合っているとは、ピッタリ体に密着することではありません。

適度なゆとりがあり、ルールに沿った無駄のないサイズをジャストサイズといいます。

既製品ではどこか合わないと感じたら、お直しのできるお店で相談してみてください。

お直しの箇所が多くなると価格もかかり、思い通りにできない場合もあります。そういった場合はオーダースーツも検討してみましょう。

自分の体のサイズの測り方やスーツサイズの見方など、サイズについては≫スーツサイズの解説記事でご紹介していますので、併せて読んでみてください。

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