- クールビズは廃止になったって聞いたけど本当はどうなの?
- クールビズの服装マナーを教えて!
- クールビズの注意点やオシャレに着こなすポイントが知りたい!
ビジネスシーンにおける服装には誰でも気を配るものですが、暑い季節になると”クールビズ”を推奨する企業や職場は多いのではないでしょうか。
環境問題対策の一環として真夏でもエアコンの設定温度が高くなりがちな昨今は、クールビズで涼しく快適に仕事をするための準備がとても大切になってきます。
その一方でクールビズと言われても、服装のマナーやルールが判らないから毎年暑くても我慢をしているという人も少なからずいるかもしれません。
また2021年から「クールビズ廃止」というニュースが話題になりましたが、「真夏にクールビズが廃止されたら、どんな服装で過ごせばよいの!」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回はクールビズ廃止の真偽を解説すると共に、クールビズで注意すべきポイントやマナーについて紹介します。
この機会にビジネスシーンにおけるクールビズをしっかり理解して、真夏でも快適で過ごしやすい服装をする準備を整えておきましょう!
クールビズ廃止の真相と注意点!
まずは、クールビズ廃止のニュースを詳しく解説しておきましょう。
環境省は2020年(令和2年)に、クールビズの実施期間の廃止を2021年4月1日から実施すると発表しました。
文字だけを見ると、クールビズそのものが終了しているように思えますが、実は環境省の正しい発表は以下の通りです。
【2021年4月1日以降、環境省からのクールビズ実施期間の呼びかけを廃止】
”廃止”という言葉の印象が強すぎることから、クールビズそのものが無くなったと間違った解釈をしてしまう人も居るようですが、実際には「政府から積極的に呼び掛けることを廃止」しただけです。
クールビズ廃止の真相と注意点
- クールビズ廃止は「環境省が企業に向けて実施期間の積極的な呼びかけ」を廃止しただけ
- クールビズ自体は無くなっていないため、実施するかどうかは個人や企業の判断
- 各自判断に変わったことで服装マナーやルールの基準が曖昧になった点に注意!
令和5年現在は環境省からの推奨や呼びかけが無くなっているため、クールビズを実施するかどうかは、各自(個人や企業)に判断が委ねられています。
つまり、今後も夏の暑い時期を快適に過ごす上でクールビズを意識した服装が必要なことに変わりはなく、むしろ物価や電気料金の高騰を考えれば、今まで以上にクールビズで温度調整することが各自に求められる可能性さえあります。
また、環境省の主導から各自判断に委ねられるように変わったことで、クールビズの服装マナーや基準も多様化をみせているので、より自由でカジュアルな服装が許されるケースも増えてきました。
クールビズという制度そのものが廃止された訳ではないので、これまで興味をあまり持てなかった方もこの機会にポイントやルールをしっかり知っておくようにしましょう!
クールビズとはどんな服装なのか基本をおさらいしよう!
現在では、認知度が95%をこえるほどに定着したクールビズですが、元々は環境省が2005年に打ち出した冷房節約に繋がる夏場の軽装を推奨したことが始まりでした。
環境省主導で行われていたことから、クールビズには基本となる服装のルールや基準が設けられています。
前述の通り、現在は環境省が主導ではなく個人や企業の判断で実施できるため、クールビズで許容される範囲やルールも多様化しつつありますが、まずは基本となる服装の可否を知っておきましょう。
クールビズ基本の服装(環境省における基準)とは
クールビズの服装マナーやルールは、実施する企業によって許容範囲が大きく異なる場合があります。
もし、企業独自の服装ルールがある場合は従うようにしましょう。
逆に、クールビズは推奨しているのにルールや服装の基準が曖昧な場合なら、環境省が定めていた服装の可否を参考にするのがおすすめです。
基本的にクールビズという名称が決まる前は、「ノーネクタイ・ノージャケットキャンペーン」と呼ばれていたこともあり、クールビズではネクタイやジャケットが※不要とされています。
※ただし、接客業や取引相手と会う場合はネクタイ・ジャケットの着用が求められるケースもあるので注意しましょう。
上半身は襟付きのシャツ(Yシャツなど)が推奨され、パンツもスラックス以外にチノパンなどが認められています。
環境省におけるクールビズの服装基準は以下の通りです。
衣服の種類 | クールビズの場合 |
---|---|
ネクタイ | ノーネクタイでもOK |
ジャケット | ノージャケットでもOK |
シャツ(半袖) | OK |
シャツ(長袖) | OK |
ポロシャツやアロハシャツ | NG |
Tシャツやタンクトップ | NG |
チノパン | OK |
ジーンズ | NG |
短パンやハーフパンツ | NG |
スニーカー | OK |
サンダル履き | NG |
表をみても判るように、クールビズは基本的にノーネクタイ・ノージャケットが許されていますが、「ラフすぎる服装」は避けた方が無難となっています。
ビジネスシーンでタンクトップに短パン、サンダルという服装をセレクトする人は居ないと思いますが、クールビズだからと言ってカジュアルになりすぎないように注意しましょう。
スーパークールビズに準じた服装を採用している企業もある
2012年に電力不足などを理由に環境省が新たに提唱した「スーパークールビズ」では、服装の可否における判断基準がより緩やかになっています。
具体的には、ポロシャツやアロハシャツなどの軽装がOKになっていたり、職種や業務内容によってはジーンズやサンダル履きなども許されるなど、かなりカジュアルな服装も許されています。
ただし、当然ながらTPOに応じた節度を持った着用をする必要があるので、勤続している職場の方針や周囲の服装を見ながら軽装を選ぶようにしましょう。
クールビズとノーネクタイは同じ意味なのか
クールビズ=ノーネクタイの印象が強いと思いますが、「ノーネクタイ」はクールビズだけに限定される訳ではありません。
近年、ネクタイの存在意義に疑問を抱く人も増えてきており、季節を問わずノーネクタイを認めている企業も少なくありません。
そのため、ノーネクタイは夏季限定のクールビズと同義ではなく、ネクタイを付けないビジネスファッション全般を表す言葉として捉えた方が良いでしょう。
ノーネクタイのビジネスファッションについては、季節や立場・年代に合わせた着こなしのポイントや注意点を詳しく解説した記事がありますので、気になる方は合わせて目を通してみてください!
オフィスカジュアル推奨の職場におけるクールビズとは
働き方や経営方針などに多様化がみられる現代ビジネスでは、ノーネクタイだけでなく”オフィスカジュアル”や”ビジネスカジュアル”を認める企業や職場も増えてきました。
オフィスカジュアルとは、従来の「職場ではスーツ」という常識を覆し、リラックスできる服装で勤務できるスタイルを意味します。
動きやすく過ごしやすい快適な服装で仕事をすることで、モチベーションや作業効率を向上させる目的で導入されているケースが多いため、常識的な範囲内であればクールビズ期間中は涼しさを優先したラフな服装を選びやすい環境だと言えるでしょう。
もちろん、いくらオフィスカジュアルが推奨されていても服装のマナーやルールは企業によって異なるので、不安な場合は上司や同僚に相談した上でクールビズの服装を決めるようにしてください。
オフィスカジュアルについては、概要から年代別の着こなしや注意点まで詳しく解説している記事がありますので、そちらもぜひ読んでみてくださいね。
ビジネスカジュアル推奨の職場におけるクールビズとは
ノーネクタイやオフィスカジュアルなど、職場でラフな服装を推奨している企業が増えている一方で【礼節やマナーを重要視する職場】では”ビジネスカジュアル”が推奨されているのが一般的です。
ビジネスカジュアルとは、接客や外部の人間に応対することを前提としながらカジュアルダウンした服装全般を意味しています。
ビジネスカジュアルの特徴は以下の通りです。
- 社外の人間と応対する場合は原則”ネクタイ”と”ジャケット”を着用
- 社内で過ごす場合に限り、若干のカジュアルダウンが許されている
- 原則スーツスタイルで、シャツも襟付きを選ぶのが基本
クールビズ期間中であっても、ビジネスカジュアルが推奨されている職場の場合は、「いつでもネクタイやジャケットを着用できる服装」で過ごすことになります。
そのため、基本的にはYシャツにスラックスのような一般的なスーツスタイルに近しい服装になりやすく、社内で過ごす場合に限ってノーネクタイが許される程度と理解しておくと良いでしょう。
ビジネスカジュアルについても、別記事にてポイントから注意点まで詳しく解説している記事がありますので、気になる方は合わせてチェックしてみてください。
クールビズで知っておきたいポイント3選!
クールビズとしてビジネスシーンで許される軽装の範囲は、前述の通り【属している企業の方針や職種】によって大きく変わります。
基本的に許される服装の自由度は、オフィスカジュアル>一般的なクールビズ>ビジネスカジュアルとなっているので、自分が勤めている職場や業務内容に応じて適切な服装を選択することが重要です。
しかし、企業の方針が曖昧だったり上司が厳密な判断基準を持ち合わせていないケースなどもあるため、クールビズで「失礼にならないためのポイント」をこの機会に覚えておきましょう。
クールビズのポイント①上半身(ジャケット・シャツなど)
クールビズで軽装をするとき、上半身で悩む人は多いと思います。
ジャケット・ネクタイの有無やシャツの種類に袖の長さなど、クールビズと言っても上半身の軽装には選択肢がとても多いからです。
難しく考えてしまいがちですが、クールビズで軽装をするときの上着は以下の2パターンに分けて考えるのがおすすめです。
- お客様や取引先など社外の人と会う機会がある
- 就業中に社外の人と会う機会は無い
クールビズにおける基本マナーは、「相手に失礼と思われるかどうか」が大きな判断基準となります。
そのため、社外の人と会う可能性が少しでもあるなら襟付きのシャツを選んだり、ネクタイやジャケットを念のために準備しておくと安心できます。
社外の人と会う可能性:有 | 社外の人と会う可能性:無 | |
---|---|---|
ネクタイ | 社内では付けなくて良いが準備はしておく | 必要無し |
ジャケット | 社内では着なくて良いが準備はしておく | 必要なし |
シャツ | 襟ありを選ぶのが無難 | 会社が許す範囲なら何でもOK |
シャツの袖 | ※長袖・半袖どちらでも良い | 長袖・半袖どちらでも良い |
接客や社外の人と会う機会があるなら、襟付きのシャツが基本でネクタイやジャケットも念のため準備しておくことをおすすめします。
また、シャツの袖は長袖・半袖のどちらを選んでも問題はありませんが、接客や応対をする際に”腕まくり”をするのは印象が良くないので避けるようにしましょう。
ビジネスカジュアル寄りのクールビズスタイルで重宝するのが”ボタンダウンシャツ”です。
襟元にボタンが付いているボタンダウンシャツを普段から着用している人は多いと思いますが、意外にこのボタンの意味を知られていません。
ボタンダウンシャツについているボタンは、ネクタイを外しても「襟元の形が崩れない」ために付いているので、クールビズでノーネクタイなら是非とも選びたいシャツとなっています。
ちなみにボタンダウンシャツを着用する場合は、第一ボタンを外していても相手に対して失礼にはなりません。
普段、何げなくボタンダウンシャツにネクタイを締めている人も多いと思いますが、クールビズ期間中のノーネクタイでこそ真価を発揮するマストアイテムなので夏場に向けて最低でも1~2着は準備しておくことをおすすめします。
クールビズのポイント②下半身や靴について
夏場に大量の汗をかいて、スラックスが肌に張りついたり靴がムレて不快感を感じる人が多い割に、下半身や靴の対策をほとんどしない人が多いのではないでしょうか。
- 面倒くさい
- スラックスの代用品が思いつかない
- ローファー以外の靴は怒られそう
- etc
クールビズで体感温度を下げて快適に仕事をするには、下半身や靴でもしっかりと暑さ対策をするのがおすすめです。
ウォッシャブルタイプの夏用スラックスに履き替えたり、吸水速乾性の高い生地が使用されたチノパンやスラックスを選ぶようにしましょう。
靴についても同じで、仕事柄どうしてもローファーを履かなければならない場合でも通気性の高い靴を選んだり、職場で許されるならスニーカーを検討するのも良いでしょう。
クールビズで快適に過ごすためのポイントは、上半身だけでなく下半身や靴にもしっかりと目を向けることが大切です。
クールビズのポイント③清潔感には特に気を配りたい!
暑い夏のビジネスシーンでは、清潔感を損なわないことを強く意識した服装を心がけることも大切です。
例えば、せっかく暑い中でも我慢してネクタイやジャケットを着用していたとしても、だらしなく着こなしてしまうと全く意味が無くなってしまいます。
クールビズの軽装は快適に過ごしやすく周囲にも爽やかな印象を与えてくれますが、その一方で普段以上に気を配らなければならないことも増えるので注意しましょう。
特に気を付けたいのが”汗染み”や”におい”など、清潔感に関する問題です。
外回りが多い人や多汗症の人なら、自分では目が届かない背中や脇に大量の汗をかいてしまい、周囲や応対する相手に不快感を与えてしまう恐れがあります。
クールビズ期間中は、服装に気を配るだけでなく清潔感を保つために「替えのシャツを準備」したり、制汗剤や脇汗パットなどを使うなどの対処を忘れずに行うようにしましょう。
クールビズ期間中は適切な服装で快適に乗り切ろう!
クールビズで許される服装やマナーは、「所属する企業の方針」を順守して許される範囲内で行うようにしましょう。
厳密なルールやドレスコードが定まっていない場合は、「周囲や相手に失礼かどうか」を判断基準にしながら、暑さを乗り切れる快適な服装を選んでいれば大きな失敗やマナー違反になることはありません。
- クールビズ廃止は「環境省の呼びかけ」が無くなっただけ
- クールビズ対策は上半身ばかりになりがちだが、下半身や靴にも気を配ろう
- 服装選びだけでなく、替えのシャツや汗対策など清潔感を保つことも重要なポイント!
物価の高騰や電気料金の値上げなど、2023年以降も真夏のビジネスシーンを快適に乗り切るためにクールビズが重要になってくることが予想されます。
務めている企業や職種によって、クールビズで許される服装の範囲は異なりますが、大切なことは「失礼にならない服装」を保ちつつも「自分が快適に過ごせるかどうか」にあります。
お伝えしたクールビズの基本マナーを意識した上で、適切な服装を選んで真夏のビジネスシーンを賢く乗り切りましょう!
また、真夏とは逆に真冬のビジネスシーンにおける服装”ウォームビズ”も、服装のマナーやルールがいまいち把握できずに悩むこともあるかと思います。
真冬の寒い時期に推奨されるウォームビズについても、別記事にて詳しく解説していますので、ビジネスシーンにおける防寒対策を知りたい方は合わせて目を通してみてくださいね!