- スーツの破れは自分で修理できるの?
- スーツの破れをプロに依頼するといくらかかる?
- 自分でできる一番目立たない修理方法とは?
スーツが破れてしまった経験のある人は多いのではないでしょうか。
少しの破れでスーツを捨ててしまうのはもったいないのですがそのままにしておくと、さらなるダメージにつながり、見た目も悪いものです。
その破れたスーツ、自分で修理できるかもしれません。
この記事では、スーツ・ビジネススーツの「破れ」「裂け」を自分で修理する方法をくわしく解説します。
スーツ破れの主な修理方法
- アイロン補修シートを使う
- 補強布+糸で縫う
- 共布(スーツと同じ生地)を使う
外出先で敗れた場合の応急処置から本格的な修理まで解説していますので、ぜひ補修の参考にしてください。
スーツの破れ修理「自分で補修」or「プロに依頼」値段の違いは?
スーツは身体にフィットしたものが多く、フォーマルシーン・ビジネスシーンでも着るものなので、より目立ちにくい修理がポイントになります。
自分で修理する場合とプロに依頼した場合、どのような違いがあるのでしょうか。
スーツ・ズボンの修理を販売店に相談する
- 大手販売店や量販店では修理はできないことが多い
- オーダースーツでは修理を行うこともある
スーツに破れが生じた場合、販売店に相談してみることもいいかもしれませんが、一般的なスーツ販売店では修理を受けていないことが多いです。
すべてのお店で受けていないわけではないので、まずは問い合わせしてみることをオススメします。
洋服の仕立て・お直し店で依頼する
- 洋服のお直し業を行う店ではスーツの修理も受けている
- 1000円~20,000円前後と価格は見積次第
- 補修に日数がかかり、1ヶ月程度かかることも
洋服の裾上げなどを行う「仕立て・お直し店」はデパート、ショッピングモールなどに店舗をかまえていることも多く、手軽に相談できます。
プロに依頼することで、技術もあり安心感が得られますが、新品同様とまではキレイにできない場合もあります。
お店によって修理の価格設定が異なり、破れの大きさ・修理方法によって価格が変わりますが、小さな破れは1000円前後~4000円ほどの価格設定が一般的です。
破れが大きい場合は15,000円ほどかかることもあります。
修理期間も1週間~1ヶ月程度と変わるので、検討するためには見積依頼は必要です。
スーツの破れ修理は自分でもできる
- 500円程度で必要な材料が用意でき、1日あれば修理できることが多い
- デメリットは、補修部分の仕上がりが目立つことがある
引っ掛けでの「かぎ裂き」や、身体動作に伴った「破れ」「裂け」は自分でも修理ができます。
自分で修理をする場合の一番の問題は、うまく修理できても仕上がりが目立つことがある点です。
どのような修理をすると、破れが目立ちにくくなるのでしょうか。
この記事でくわしく解説するので、ぜひ参考にしてください。
スーツの破れは保険で修理できる場合も
- 偶然の事故が起因となったスーツの破れは保険で修理費用がでる場合もある
うっかり転んでしまい、ケガは無くてもスーツが破れてしまった。そんなとき加入条件によっては火災保険でスーツの修理費が補償されることがあります。
自身で加入している保険の加入条件を確認をしましょう。
スーツの破れ修理を自分で【簡単な方法】
スーツの破れ修理をしようと考えたとき、どのような手順で、どのような道具が必要になるのでしょうか。
手芸店では、裁縫が苦手な方でもできる道具も市販されています。
くわしく解説するので修理に挑戦してみましょう!
修理に使う道具について解説
修理に必要な裁縫道具は多いのですが、すべて揃える必要はありません。
必要なものや用途にあったものを選びましょう。
全く持っていないという方も裁縫道具があれば、スーツのボタンがとれた時などでも自分で直すことができるので、修理をきっかけに少し道具をそろえてみるといいかもしれません。
共布(補修布)とは
スーツにを購入する時についてくるスーツと同素材の『はぎれ」
紛失している場合は、すその折り返し部分やポケットから切って使用しますが、必要なサイズがとれないことがあります。切った後の処理も必要になるため修理の難易度が上がります。
共布について詳しく解説した記事≫共布とはも参考にしてみてください。
アイロン接着テープと便利グッズ
破れ修理にはアイロン接着テープ(接着シート)を使うことが多く、手芸店で購入することができます。
生地の厚みによって種類が変わり、テープタイプ・シートタイプ・粉末タイプなどもあります。
補修布は白・黒・濃グレー・グレーなどのカラーバリエーションがあるので、修理したいスーツを持参して色合わせをして選ぶと失敗が少なくなります。
手芸店には針を使わずに裁縫ができる便利な道具も品添えしています。
針を使うのが苦手という方にもおすすめです。
アイロン補修テープ(シート)
生地の裏からアイロンで接着する補修テープや補修シートを貼る修理方法です。
表からは手を加えないので、破れ方によってはキレイな仕上がりにならないこともあります。
アイロン補修シートの作業手順
- 切れた糸・ほつれた糸を切って整える
- 生地の目を整えて両面にアイロンをかける
- 破れ部分よりひと回り大きく切った補修テープ(補修シート)を裏からアイロンで接着する
角を丸く切っておくとはがれにくい - アイロン加熱の温度が下がってから表に返す
補強布+コの字縫い【応急処置】
アイロンも共布も使わずに簡単に破れを目立たなくする方法です。
破れた生地のまわりはほつれやすいため、補強布と一緒に縫い込むことで破れの広がりを防ぐことができます。
手軽ではありますが、突っ張りが出たり補強布の色によってはうまくカバーできないこともあるため、応急処置として考えましょう。
補強布+コの字縫いの作業手順
- 破れ部分から1㎝程度のところの裏面に接着テープを貼る
- カットした補強布(共布でなくてもよい)を裏面に貼る
- 破れやほつれで記事が弱くなっているところから5mm程度の位置の表面にチャコペンなどで直線を引く
- 糸が細ければ2本取りで糸を通し、裏からコの字になるように真っすぐ縫う
「真っすぐ刺して真っすぐ抜く」作業をくりかえす - 縫い終わったら糸を強く引き、生地を寄せてから表で玉どめする
- 玉どめの近くに再度針を刺し、玉どめを裏に引き込む
共布+かがり縫い
共布を裏から貼り、かがり縫いで固定する方法です。
柄合わせをすれば目立たなくなり、破れや虫食いの修理方法として一般的です。
共布+かがり縫いの作業手順
- 破れ・ほつれ部分をすべてカットする
- 共布の柄を合わせてアイロン接着シートを使って裏面に接着する
- 修理部分と似た色の糸を1本取りで針に通し、裏から針を通して穴の縁をかがり縫いする
- 1周縫い終わったら少し離れたところをもう1周縫う
縫い方は「星どめ」にすると生地がより密着する - 全て縫い終わったら裏で玉どめして仕上げる
100均材料を使って
現代では、手芸店より100円ショップのほうが多く、急ぎの時はとても便利です。
ここまで解説してきた修理方法は、100円ショップの材料を使って同じように作業をすることができます。
アイロン補修テープ
100円ショップでも品揃えがあります。
薄地~普通地対応が多いため、厚手のスーツを修理する場合は商品説明を確認しましょう。
補強布+かがり縫い
ソーイングセットやアイロン接着テープなども購入できるので、手縫いでの修理もできます。
共布が用意できない場、市販の布を使うこともありますが、100円ショップは手芸店と違って生地の品揃えは少ないため、色合わせは難しくなります。
補強布+コの字縫い
はぎれはサイズが大きいので、ハンカチなどの他の布を切って使ってもかまいません。
スーツの破れ修理を自分で【難易度の高い方法】
難易度は高いですが、耐久性が高く自然な仕上がりになる方法を解説します。
時間も材料も多く必要になりますが、試してみてはいかかでしょうか。
かけつぎ(かけはぎ)
スーツを購入した際についてくる「共布」を使用する方法です。
うまくいけば一番自然な仕上がりになりますが、かけつぎの専門店ほどキレイに仕上げることは困難です。
時間もかかりますが、根気よく挑戦したい方にはいいかもしれません。
かけつぎができる事例
- 破れが小さい
- 破れ部分に柄がある
- 時間がかかってもキレイなお直しに挑戦したい
- 共布があり、共布の大きさにも余裕がある(破れ+4㎝四方程度)
かけつぎは、虫食いの修理でよく使われる方法です。
「虫食い」と「破れ」「裂け」、引っ掛けでの「かぎ裂き」は似ているようで修理という面からは違いがあります。
破れ・裂け・かぎ裂きは、繊維のほつれ・ダメージが大きくなるため、広い範囲で修理が必要となり、細かい作業の「かけつぎ」での修理は難しくなります。
かけつぎのくわしい手順は虫食いの修理で解説しています。参考にして修理を検討してください。
ミシン刺し
「共布」をミシンで縫込みながら固定する方法で、自分で直すのには一番おすすめの方法です。
ミシンの操作ができることが前提で、スーツに合った色の糸を選ぶことがポイントです。
ミシン刺しをオススメする事例
- 細かい作業が苦手
- 修理に時間をかけられない
- 共布が手元に無い、共布のサイズに余裕がない(破れ部分+1㎝四方程度)
ミシン刺しの作業手順
- 破れ・ほつれ部分をすべてカットする
- 共布の柄を合わせてアイロン接着シートを使って裏面に接着する
- 表に穴から5mm程度の位置にチャコペンなどで印をつける
- ミシンの針目を1.5くらいの小さい縫い目に設定して、穴の近くを補強としてミシンにかける
- 印を目印にしながら、コの字になるようにミシンをかけていく
- 上糸を裏に引き出し下糸を結んで処理する(難しければ返し縫いでもOK)
スーツのズボン「ポケット」の修理を自分でする
スーツのなかでも、ズボン・スラックスの「ポケット」は破れることが多い箇所です。
後ろのポケットに携帯電話や財布を入れている男性は多く、ポケット入口の破れにつながります。
ポケットの内部も破れやすく、少しの破れであっても物が落ちて使えなくなってしまうことがあります。
ポケットの修理も自分でできるのですが、スーツの外側と違い、携帯電話や財布・カギなど重さがある貴重品を入れることがあり、しっかりと強度のある補修をする必要があります。
くわしくは、ズボンのポケットが破れたときの縫い方で解説しているので、参考にしてください。
早めの修理・補修は、さらなるダメージの予防にもなる
スーツの破れや裂け目は、小さなうちに修理することで、さらなるダメージの予防になります。
破れに気づいたら、できるだけ早めに修理しましょう。
- 簡単に修理するには「アイロン補修テープ」
- アイロンが無い時にできる応急処置は「コの字縫い」
- 手縫いで目立たなくするには「かがり縫い」
- 自然な仕上がりを目指すには「かけつぎ(かけはぎ)」
- 失敗が少ないオススメは「ミシン刺し」
自分で修理したスーツにはいっそう愛着がわきます。
お財布にやさしいだけでなく、買い替えの頻度を減らすことで環境配慮にもつながります。
これまで修理した経験が無くても、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。