- タキシードとは、どんなもの?おしゃれなアレンジはOK?
- タキシードとスーツは違うもの?
- ちょっとしたパーティーにタキシードを着ても大丈夫?
タキシードとはどんなものか、おしゃれなタキシードの着こなしがネットでも多く見られるようになった近年、装いルールがあいまいになってきていると感じます。
本来、タキシードとは夜のメンズフォーマルとして長い歴史があり、アイテムや素材が決められているものです。
近年アレンジして楽しまれているタキシードの多くは、正式なタキシードの装いではなく、カジュアルダウンされたタキシードであり、正式な場では着られない場合があることを知っておきましょう。
この記事では、フォーマルウェアとしてのタキシードを中心に、あらゆるシーンでのタキシードの基本ルールをくわしく解説します。
これまでタキシードを着たことがない方も、この記事を読んでタキシードを楽しむための参考にしてください。
タキシードとは
タキシードとは夜の正礼装で、おしゃれのために着るものではなく、礼儀として着ることが求められるものです。
特徴や着るべきシーンについて、くわしく解説します。
タキシードをイラスト解説!後ろ姿が燕尾服・モーニングとは違う
タキシードは後ろ姿が他のフォーマルウェアとは大きく違っており、燕尾服とタキシード、モーニングの違いで解説したような長い裾がありません。
タキシードは燕尾服のデザインを簡略化して作られた経緯から、裾以外では燕尾服とよく似た特徴があり、素材や形状が決められています。
ジャケットの形状やウエストコートなどに選択肢があり、多少アレンジができるという点で燕尾服ほど厳格なルールではありませんが、フォーマルな場では決められていることは守る必要があります。
タキシードの主な特徴
- 黒・ミッドナイトブルーのドスキン・モヘア・タキシードクロスなどの生地を使ったもの
- ジャケットの襟に拝絹地(ハイケン地)がつき、襟の形状はショールカラー型かピークドラペル型
- ジャケットはシングルブレステッドもダブルブレステッドもある
- スラックスには1本の側章(飾りのテープ)が付く
ジャケットの下(中)は、ジャケットと同色のベストかカマーバンドを着用し、必ず黒の蝶ネクタイをつけることがルールとされています。
※夏場や熱帯の地域では白のタキシードが正式なフォーマルウェアとされることもあります
タキシードは英語でなんという?意味や歴史を解説
タキシードは、アメリカ英語で「タキシード(tuxedo)」、イギリスでは「ディナースーツ(dinner suit)」と呼ばれています
フォーマルウェアのルールがイギリス発祥であるため、日本以外ではディナースーツのほうが伝わることもあるので覚えておきましょう。(この記事では「タキシード」に統一して解説します)
前章で解説したようにタキシードは燕尾服の簡易版として生まれた歴史があり、西洋では1850年ごろに礼装として定着しました。
日本では1900年代はじめごろに定着したといわれており、日本だけでも100年以上変わらずに着られている歴史のある礼装です。
タキシードを着るのはどんな時?
タキシードを着る機会は一般的には多くはないのですが、実際にどのような場合に着るものなのでしょうか。
タキシードが着られてるのは
- 欧米の公式行事(ダンスパーティーなど)
- 表彰パーティー
- 記念式典
- レセプション
- 祝賀会
- 結婚式の主催者(規模によっては参列者が着ることも)
- 一流レストランのウェイター
- ホテルマン
などで、公式な式典や大きなパーティーのほか、相手に敬意を示すシーンでも着られています。
欧米では気軽に着られるパーティー用の衣類としてタキシードを持っている人も多く、日本よりタキシードを着るイベントも多くなっています。
では、日本において、タキシードを着るべきシーンの判断はどうすればよいのでしょうか。
タキシードはいつ着るべきか
タキシードをいつ着るかと考える時、フォーマルウェアの基本ルールを知る必要があります。
フォーマルウェア(礼装)とは、あらたまった場でシーンに合わせて着分ける衣装のことです。
本人の”たしなみとして”着ることも大切ですが、相手(主催者)や出会う人すべてに対して敬意やおもてなしの心を伝えるための手段でもあることを覚えておきましょう。
タキシードは夜の正装(正礼装)
タキシードは正装で、メンズフォーマルの中では燕尾服・モーニングに続いて”格の高い”もので、正式には夜(18時以降)に着用します。
タキシードを着用する一般的なシーン
- 夜(午後)の結婚式や披露宴の新郎、新郎新婦の父親、主賓
- 夕方から開催されるパーティーに出席する方
- ドレスコードにブラックタイ(Black tie)と指定のあるパーティーに出席する方
もともとは燕尾服のデザインを簡略化してつくられたことから「準礼装」として扱われることもありますが、国際プロトコールにも定められているフォーマルウェアです。
他のフォーマルウェアと同じく、着ることが礼儀・ルールとして決められているシーンがあります。
- 準正式晩餐会
- 舞踏会
- 伝統的な観劇・音楽会
- 国際的な表彰パーティー・レセプション
招待状のドレスコードに“Black tie”とつく場合はタキシードを着ますが、日本の一般市民に求めるられる機会は多くありません。
燕尾服の簡易版として扱われるタキシードですが、燕尾服を着る機会のない一般市民にとってはタキシードが夜の第一礼装とも言える位置づけになると認識しておきましょう。
衣装としてのタキシード
タキシードは衣装のように着られることもあります。
- ホテルマン
- 一流レストランのウェイター
- ダンス競技
- 楽器演奏者
- ステージに立つ演者
など、蝶ネクタイをするかしこまった衣装として着る例は多くあります。
日本ではホテルマンやウェイターのイメージが強いかもしれませんが、この場合は制服として着られているため、ネクタイの色が違う・装飾が違うなどといった細かいルールはあてはまりません。
相手に敬意を払うためやおもてなしの衣装としてタキシードが活躍しています。
タキシードは葬儀の場ではNG
タキシードは「夜の正礼装」ではありますが、葬儀・葬式(通夜)の場にはNGです
タキシードとは、慶事(祝儀)のみで着用できる正礼装です。
私たち一般庶民が正礼装で葬儀に出席する機会はありませんが、礼装ではモーニングのみお別れの場に認められていることは知識として知っておきましょう。
タキシードの結婚式での位置づけ
タキシードは結婚式でよく着られています。
以前は、結婚式といえば新婦の着るドレスがメインであり、新郎はパターン化された衣装から新婦のドレスに合ったもの選ぶ傾向にありました。
近年は、色や生地を変えたおしゃれなタキシードも人気があり、結婚式のテイストを決める重要なものになってきています。
- 結婚式でのタキシードの着分け方
- 父親の着るフォーマルウェア
- おしゃれなタキシードとマナーについて
- 参列者、アッシャー(グルームズマン)の衣装とは
など、結婚式で年々自由度を増すタキシードのくわしい解説は結婚式のタキシードで紹介しています。
タキシードとスーツの違いや種類を解説
タキシードとスーツの違いについて、蝶ネクタイの違いだけと認識している方もいるかもしれませんが、タキシードとスーツは違うものです。
- タキシードとスーツの見分け方
- スーツはタキシードに流用できるか
- タキシードの種類と着分けるべきシーンとは
など、くわしくはタキシードとスーツの違いで解説しています。ぜひ参考にしてください。
カジュアルに着るタキシード(ファンシータキシード)
この記事では、フォーマルウェア(正礼装)としてのタキシードを解説してきましたが、タキシードの中にも”格”があり
- くだけた場にも着られる「ファンシータキシード(準礼装)」
- 自由な色柄で気軽に着られる「カジュアルなタキシード」
など、着崩しの許されない正礼装とはまったく違うカジュアルダウンされたタキシードもあり、近年着られる機会が増えてきています。
くわしくはカジュアルにも着られるタキシードで解説しています。
タキシードの着方・フォーマルシーンの着用ルールを解説
ブラック系タキシードの着方、シャツ・ベストなどのアイテムについて
- タキシードは別名「ブラックタイ」と呼ばれ、黒い蝶ネクタイをするルールがある
- ネクタイ・ベスト・装飾品はすべて黒で統一する
- ウエストコートはベストかカマーバンド
- シャツはイカ胸かヒダ胸の白色
- 燕尾服と違ってアイテムやジャケットデザインに選択肢があり、ルール内で選ぶことができる
(着崩し・ルール違反はNG)
タキシードの正しい着方と基本アイテムを解説します。
ベスト(ウエストコート)
- ジャケットと同素材の衿付きベストor拝絹地(ハイケン地)と同素材のカマーバンド
シャツ
- 白のスティッフブザムシャツ(別名:燕尾服シャツ・イカ胸シャツ)orプリーテッドボザム(別名:ヒダ胸)
- 襟元はウィングカラーorダブルカラー
- 手元はダブルカフスorシングルカフス
ネクタイ
- 黒い蝶ネクタイのみ
ポケットチーフ
- 白やシルバーグレーのシルク素材のポケットチーフを使用する
※白いタキシードには黒いポケットチーフ
靴・靴下
- 靴は黒のエナメルorサテン素材で、紐靴(オックスフォードシューズ)かオペラパンプス
- 靴下は黒のハイソックス(薄手)
カフスボタン(宝石類)
- 黒真珠・黒蝶貝・オニキスなど、黒×シルバーのもの
- パールなどの白い装飾品でも良く、基本的に金や色のある装飾品は避ける
手袋
- 白い革製が基本だが、手袋をつけないことも多い
タキシードは購入?レンタル?どちらにするべきか
タキシードはレンタルを利用する人が多いのですが、購入と比較してどのように違うのでしょうか。
タキシードのレンタル
レンタルは購入するより金額が安く保管の心配もないという点で、タキシードを着る機会の少ない日本では一般的なことです。
しかし、レンタルの相場は一度のレンタルで1.5万円~10万円ほどと価格差も大きく、体の大きい人や特殊体型の人にはレンタルでは品揃えが無い場合もあり、レンタルがいいとは一概には言いにくいものです。
身体にあったジャストサイズのタキシードを着られるという利点も考えると、2回以上着る場合には購入(オーダー)も検討することをオススメします。
GINZA SAKAEYAのオーダータキシードがおすすめ
タキシードをオーダーで作るとどのようなメリットがあるのでしょうか。
既製品やレンタルのタキシードは、サイズ感やデザイン面でニーズに添えないことがあります。
- レンタル品は大きめなシルエットで作られていることが多く、スマートに見えない
- 好みの形状(デザイン)のタキシードがない
- フォーマル感が強すぎて気楽なパーティーに着られない
GINZA SAKAEYAのオーダータキシードは、
- 素材
- シルエット
- デザイン(襟の形状など)
- カフス・ボタン
などを選び、体に合わせて仮縫いをして作る正統派オーダータキシードです。
ニーズに合わせて、気楽なパーティの席でも着用できるようデザイン変更を加えることも可能です。
厳選されたウールを使用した滑らかな肌触りが特徴のCloth Ermenegildo Zegna生地で作るタキシードは、VIPや国家元首も好む素材とシルエットで、最上級クラスのクオリティでありながら、お求めやすい価格であることもオススメのポイントです。
GINZA SAKAEYAのオーダータキシードプライス
タキシード165,000円(+税)〜
※タキシード基本料金
タキシードを初めて着る方も、フォーマル・セミフォーマルに使えるタキシードの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
くわしくはこちら≫ゼニア認定 フルオーダータキシードをご確認ください。
現代の正装となったタキシード、コーディネートに取り入れてみては
若い世代を中心に結婚式のゲストなどでもタキシードを着用する人がふえています。
クラシック回帰の影響(SNS、映え文化も影響しているかもしれません)もあり、伝統的な服装に抵抗がなくなったことや、グループで衣装を合わせるためのドレスコードにしていることが散見されます。
しかし、フォーマルウェアには守るべきルールがあり、着崩しが許されないシーンがあることを知っておきましょう。
- タキシードは正礼装であり、国際プロトコールに従ったフォーマルウェア
- とくに欧米では着ることが礼儀・ルールとして決められているシーンが多い
- ドレスコードに“Black tie”とつく場合はタキシードを着る
- ネクタイ・ベストなどは黒でまとめる(白いタキシードの場合は除く)
- ファンシータキシード・カジュアルなタキシードとフォーマルタキシードは別物
一般市民には、正礼装とされるフォーマルウェアを着る機会はほとんどありませんが、礼装のマナーを知っておくことは重要です。
悩んだ時は流行のファッション誌ではなく、信頼できるマナーBOOKやホームページを確認し、ルールの範囲内で伝統のあるフォーマルウェアの装いを楽しみましょう。