- スーツにサスペンダーって合わせていいの?
- スーツにあわせるサスペンダーの種類ってどんなものがあるの?
- サスペンダーを使うメリット・デメリットは?
スーツとサスペンダーを合わせるスタイルはクラシックな印象になりますが、現代ではスーツのズボン(スラックス)着用時は、ベルトを付ける方が圧倒的に多くなっています。
実はサスペンダーは、クラシカルな見た目だけではなく、機能的であり、スーツ美しい着こなしを可能にする大人のお洒落アイテムなんです。
おしゃれで実用的なサスペンダーですが、スーツに合わせる場合はいくつかルールがあります。
スーツ+サスペンダーの基本ルール
- サスペンダーは見せない(ベスト・ジャケットの下に着ける)
- ビジネスシーンではシックな色柄
- フォーマルシーンでは白か黒の無地
- ベルトの幅は3~4㎝がオススメ
- ベルトの型、取り付け部分は好みで選んでOK
サスペンダーにどういった種類(型)があり、どのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事ではスーツに合わせるためのサスペンダーの魅力をくわしくご紹介します。
スーツにあうサスペンダーの種類について解説
スーツに合わせるサスペンダーにどのような種類があるのでしょうか。
ビジネスシーンでサスペンダーを使う場合、いくつか決まりがあるのでくわしく解説します。
サスペンダーとは
サスペンダーとは「吊りベルト」「吊りバンド」のことで、ズボンやスカートに装着できるベルトです。
日本で使われる「サスペンダー」はアメリカ英語での表現で、イギリス英語では「ブレイシーズ」とも言います。
イギリスでサスペンダー(正しくはサスペンダーズ)というと、「ガーターベルト」のことを意味するので、両方の言い方があることを知っておくといいでしょう。
スーツにサスペンダーを採用するメリット・デメリット
メリットもデメリットもあるサスペンダーですが、パンツのずり落ちを防ぐ効果は抜群です。
体型が変わった、思ったようなシルエットで維持できないと思ったらぜひサスペンダーを検討してみてください。
サスペンダーは背中と留め具の位置で決まる
サスペンダーには種類がありますが、主に背中からみたデザインで分けています。
Y型
背面がY字になっており、前が2点後ろ1点(計3点)で固定するタイプです。
- 後ろの中心で固定するので、座ったときの腰回りのカバーは一番効果的
- スタンダードなデザインで、カジュアルスタイルにも合わせやすい
後ろは1点で固定するので、クリップ式の場合はベルト通しの上からクリップをつける必要があるため、ベルト通し避けのためにクリップが2つになっているタイプもあります。
X型
背面でベルトが交差してXの形状になっており、前後それぞれ2点(計4点)で固定するタイプです。
- 4点固定なので、スラックスの形が崩れにくい
- 肩紐がずれて落ちにくい
H型
背面でベルトが交差せずパーツで繋いでHの形状になっており、前後それぞれ2点(計4点)で固定するタイプです。
- 4点固定なので、スラックスの形が崩れにくい
- それぞれのベルトが身体の動きに合わせて動くのでフィット感がある
ホルスター(ショルダーホルスター)型
背面でベルトが交差していて、リュックを背負うように「輪」に左右の腕を通し、左右の2点で固定するタイプです。
- 衣類の重みが肩に集中せずに、肩が凝りにくい
- ジャケットから見えにくい
- 2点だけの接続なので脱着しやすい
- 背面のベルトが肩甲骨を自然に押し、背筋が伸びる(個人差があります)
刑事ドラマの俳優やダンスをする歌手の方も着用していたので印象に残っている人もいるかもしれません。
ホルスター型はクラシックというより現代的なサスペンダーです。
スーツに合うサスペンダーの色と幅
スーツ(ビジネスシーン・フォーマルシーン)の場合、サスペンダは基本的に『見せない』ことがマナーとされています。
見えないからといってなんでもいいわけではありません。
シングルスーツの場合はジャケットの隙間から見えるますし、ジャケットを脱いだ時にはもちろん見えます。
ビジネスシーンではどのような色柄・幅を選べばよいのでしょうか。
色
- 白・黒・グレー・紺・茶などの落ち着いた色・柄にする
- ネクタイの色と合わせるコーディネートが一般的(ネクタイと同じ色柄は避ける)
スーツと同系色でもよいですが、ネクタイや靴などの小物と色を合わせるコーディネートもオススメです。
正解はありませんが、目立ちすぎるとカジュアル印象になるので注意しましょう。
初めてスーツにサスペンダーを合わせる場合は、Vゾーンが決定した後に、ネクタイよりやや薄い同系色を選ぶことがオススメです。
素材と幅
- 平織で伸縮性のあるタイプ(ゴムなど)
- 3cm~4cm程度の幅が最適
サスペンダーのベルト部分には皮や組紐など多くの種類がありますが、ビジネスシーンでは、ベストやジャケットを着て存在感が出るタイプは基本的にNGです。
ベルトの幅は腰ベルトと同じで、太すぎても細すぎてもカジュアル要素が強くなってしまうので注意しましょう。
スーツでのサスペンダーの付け方とは
サスペンダーの留め具にはどのようなタイプがあるのでしょうか。
メリット・デメリットもあわせてご紹介します。
スーツのサスペンダーはボタンがおすすめ?
サスペンド(クリップ)タイプ
金属製クリップで挟むタイプです。
子ども用サスペンダーにも使われている、おなじみのタイプです。
簡単に装着できるので、私服との兼用ができます。
ベルト通し避けや生地への負担を減らすためにクリップが2つになっているタイプ(ダブルクリップ)もあります。
ボタンタイプ
ボタンをかけて固定するタイプです。
ボタンタイプになじみがない方もいるかもしれませんが、金属部品がなく伝統的なスタイルなので、おしゃれでスマートな印象になります。
ボタンをつける手間はありますが、一度ボタンをつければ位置に悩むこともなく、とても使いやすくなります。
自分でボタンをつけるのが難しい場合は、購入した店やリフォーム・お直しができる店舗に依頼ができることがあるので、お店に依頼しましょう。
ボタンの位置は内側につけるのがスタンダードですが、外側につけることも可能です。
見た目の問題もありますが、装着感を試しながら位置を決めましょう。
サスペンダーの長さの調節は金具部分で
サスペンダーの長さ調節は金属部分で行います。
腰ベルトの穴タイプと違い、細かい調整が可能です。
「金具がくるべき位置」はおおむね胸よりやや下がいいと言われていますが、自分の体に合わせて調整しましょう。
人間の体は左右対称ではありません。
ゆがみや筋力の違いがあるので、着用してから左右で長さを調整することで体に負担なく着ることができます。
サスペンダーはスーツに相性ピッタリ!その理由とは
サスペンダーはスーツのスマートな着こなしに相性のよいアイテムです。
その理由をくわしく解説します。
サスペンダーとメンズ スーツの着こなし
男性は初めてスーツを買う時から、腰ベルトをつけることがマナーとされてきているので、スーツにサスペンダーを着用することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
しかし、ジャケットを羽織った時にサスペンダーが見えなければ着用してもかまわないのです。
サスペンダーはスリーピースのスーツに相性がよい
特にベストを着るスリーピーススーツにはおすすめです。
【スリーピーススーツにおすすめの理由】
- パンツのずり落ちを防ぎ、ベスト下からのシャツ見えを防止できる
- ベストの下に着用することでサスペンダーが見えない
- ベルトの厚みが無くベストのラインがスッキリ見える
サスペンダーは、イギリス発祥といわれています。
イギリスのスーツの主流は「スリーピース」であり、サスペンダーはベストの下に着用し、基本的に見せないアイテムとして着用されてきました。
現代でも、サスペンダーはビジネス・フォーマルシーンでは『見せない』ことがマナーとされているため、ベストで隠すことのできるスリーピーススーツには取り入れやすいアイテムになります。
スリーピーススーツはベストの下から、ベルト・シャツが見えてしまうことも基本的にはNGとされており、ずり落ちを防ぐ目的のサスペンダーは機能面からいっても相性がいいのです。
もちろんシングルスーツの場合でもサスペンダーは着用できます。
動いた時にジャケットの隙間からサスペンダーが『さりげなく見える』くらいの位置にしましょう。
パンツの下がり防止にピッタリ
スーツでのスマートさを左右するのは、実はパンツ(スラックス)の着こなし方です。
【パンツ(スラックス)のNGパターン】
- ローライズぎみの着用
裾がダボ付き、内股に余りがでてしまうとだらしない印象になる
- ベルトをきつく締めすぎる
パンツに余計なシワが入り、プリーツなどのラインが崩れる
パンツが下がる問題は、動きの激しさや体型が影響してくるため、腰部分にすべり止めを貼っても難しい場合があります。
そういった場合にサスペンダーを使用するといつでもスマートな印象になります。
最近のスーツはクラシック回帰の流れがあり、股上が深めであったり、プリーツ入りのパンツも多くみられるようになってきています。
プリーツ(タグ)やクリース(折り目)を美しく見せるためにもサスペンダーはとても有効なアイテムともいえるのです。
スーツ+サスペンダーはレディーススーツでも
スーツでのサスペンダー着用はレディーススーツでもオススメです。
【レディーススーツにおすすめの理由】
- 男性用に比べてジャケットが短いことが多く、サスペンダーは座った時に安心感がある
- ホルスター型は妊娠中や姿勢が気になる方にも使える
サスペンダーを着用することで、座った時に肌やインナーが見えるといった不安もなく安心感が得られます。
スカートでもパンツスタイルでも、同じようにサスペンダーを使うことができるのでオススメです。
レディーススーツに合わせる場合も色は落ち着いた無地がいいですが、ベルトの幅は男性が着用するよりやや細めでもバランスよく着ることができます。
Y型・X型が女性には多いのですが、ホルスター型も妊娠中でおなかや胸まわりにゆとりがほしい場合や、肩こり対策にもいいので、試してみてはいかがでしょうか。
スーツ+サスペンダーはやっぱりダサい? おしゃれに見せるポイントを解説
スーツにサスペンダーを合わせるコーディネートをダサく感じることがありますか?
ビジネスシーンでサスペンダーをするとき、ダサく見えないポイントがあります。
- スーツ+サスペンダーが似合う体型とは
- スーツ+サスペンダーのときにベルトをつけてもいい?
- スーツへのサスペンダー、初心者は100円均一でも
など、スーツのサスペンダーはダサい?で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
スーツ用のサスペンダーは結婚式でも使える?
サスペンダーというと結婚式や蝶ネクタイをイメージする方が多いかもしれません。
フォーマルな服装ではやはりサスペンダーがよいのでしょうか。
フォーマルシーンでのサスペンダーの役割
フォーマルウェアで格式の高い正礼装に、タキシードやモーニングなどがあります。
晩餐会や結婚式では新郎新婦の親族、そして結婚式の主役(新郎)など格式の高いシーンで着用するものです。
タキシードやモーニング着用の時は、カマーバンドやベストを着ますが、どちらもサスペンダーと着用することが正式なルールとなります。
ルールとされているのは、厳粛な席で人前でパンツ(スラックス)の位置を直したり、シャツの裾をたくし込むといったマナー違反を犯さないためです。
カマーバンド・サスペンダー・蝶ネクタイなどの小物は黒で統一することが一般的ですが、白も着用できます。
正礼装の時はサスペンダーは黒・白以外はマナー違反となるので注意しましょう。
結婚式のゲストとしての服装
友人の結婚式やパーティーのゲストとして出席する場合、ダークスーツと言われる華やぎのある略礼装で出席する場合が多くなります。
略礼装の場合であってもサスペンダーを使ってもかまいません。
パンツのシルエットをキレイに見せるためにオススメです。
ジャケットを羽織っていると見えませんが、マナーとして色は白か黒にしましょう。
正礼装・略礼装のどちらにしても、フォーマルシーンでは白か黒のサスペンダーのみになるので、ビジネスシーンと兼用したいと考える場合は黒いサスペンダーを1本持っておくことをおすすめします。
スーツとサスペンダーは相性抜群
スーツ着用時にサスペンダーをつけることは、パンツのずり落ちを防ぐためにとても有効です。
スリーピーススーツや、クラシックなデザインのパンツ(股上が深めでプリーツがあるもの)には特にサスペンダーをおすすめします。
種類が多く悩むかもしれませんが、Y型・X型・H型・ホルスター型のどれを着けても使いやすく、大人のおしゃれを演出してくれます。
留め具はサスペンドタイプ・ボタンタイプがあるので、使いながら自分に合ったものを選んでいきましょう。
- サスペンダーは基本的に見せない(ベストやジャケットの下に着用する)
- パンツ(スラックス)のずり落ちを防ぎ、キレイなシルエットになる
- ビジネスシーンではベルト幅3~4㎝がオススメ
- 色は白・黒・紺・グレー・茶などシックなものがよい
これまでスーツにサスペンダーを使ったことがない方も、ワンランク上のスマートを目指して一度試してみてはいかかでしょうか。